久しぶりです。
書きたいこといっぱいあるのに、全然PCに迎えない毎日です。
とりあえず、久々ですが先日行った車椅子のシッティングの勉強会でのお話です。
圧迫骨折などを繰り返していて、背中が丸くなって前にかがむような姿勢のお年寄りってかなり多いです。
円背(えんぱい)とか亀背(きはい)とか言いますが、体が小さいおばあちゃんに多いですね。
昔は、農家など過酷な労働が多くて、それこそ農作業の形のまま固まったみたいになってしまって、歩いていてもまっすぐ前が見えないんじゃないかと思います。
胸郭も変形して、肺も圧迫するし、胃も圧迫するので逆流性食道炎なども起こしやすくなります。
こういう方に多いのが、座りだこです。
他にも、大柄な男性でずっと座椅子や車椅子に座っている方にも、座りだこは多いです。
比較的動けているうちは、座りだこで何度も瘡蓋が剥けてはまたできる、を繰り返したりしますが、自力であまり動かなくなると、やはりそこは褥瘡になります。
そこで問題になるのが、お尻の体圧分散をどうするかということです。
以外に多いのは、円座をずっとしている方です。
円座は、空気を入れすぎると円座の形に虚血しますし、ぺちゃんこだとやはり異物でしかありません。
介護保険が始まって以来、福祉用具の中で体圧分散マットレスが数多く開発されてきましたが、ちゃんと選定されていない方も数多くいるような気がします。
お尻の褥瘡が良くならないという報告をスタッフからよく受けているなかで、車椅子クッションの体圧測定を実際見てみようということになり、アビリティーズさんに勉強会の講師をお願いしました。
持ってきて頂いたのが、圧力分布測定システムSRソフトビジョンです。
科学的な褥瘡管理のための評価ツールとして、最も欲しいツールですが、お値段もなかなか張る上に、使いこなせる自信もなく、これは専門家にお願いするのが一番と、いつもお世話になっているアビリティーズのNさんに解説していただきました。
SRソフトビジョンと呼ばれる座布団くらいのシートを車椅子に乗せて、その上に人が座れば、パソコンに体圧の分布画面が出てきます。
圧がかからないところから薄いブルー濃いブルー、次に緑にグラデーションとなり、厚がかかってくるとオレンジから赤へと変わってきます。
そこで数種類のクッションを持ってきて、どんな圧力分布になるかを、実際見てみました。
まずは、よくあるごく普通のウレタンクッション。
最初は、一見いいようなのですが、5分も座るとウレタンが潰れてきて、坐骨結節の部分に圧力がかかってくるのがわかります。
円座なども同じです。
しっかりと坐骨部分がオレンジになってくるのは、小さな面で支えるために硬い骨の部分が底着きしているということです。
90度座位では坐骨が赤くなりますが、円背で仙骨に圧がかかる方は、仙骨が圧迫されるということです。
次に座ってみたのはゼリータイプのクッションです。
これは、ウレタンよりは体圧分散されているものの、やはりもう少し長く座ると、徐々に厚が集中してきます。
最後に試したのが、このロホクッションです。
これは、エアセルと呼ばれる風船状のモノが、並んでできているクッションで、昔から優れた体圧分散マットとして使われてきました。
最近ではさらに進化して、いろいろいなタイプのものがあります。
本日持ってきていただいたのはこれ。
ロホ・コンツァーセレクト。
セルに高低差をつけることで座位を安定させ、前後左右の座位バランスを調整することができます。
アイソブローバルブというバルブによって、4分割されたロホの空気を調整して、体の傾きを調整できるすぐれものです。
最初にいっぱい空気を入れて座り、少しづつエア抜きをしていきます。
画面を見ながら、体圧が一番均等に抜けてきたところで空気を止めてしばらく待ちます。
何分経っても、沈み込みや底づきもなく、安定した座位が保てることがわかりました。
なるほど、見て確認できるのはいいですよね。
でも、円背のお年寄りはこれだけじゃダメです。
より良い姿勢を維持できるようにしなければ。
そこで登場するのが、ティルトタイプの車椅子です。
ティルトとは、座面がそのままの角度で後方へスライドするもので、90度座位を保ったままで後ろに傾けられます。リクライニングではありません。
1.適したクッションを選択する。
2・腰を深く座らせること。
3・フットレスとは膝を90度で保てる高さにすること。
4.車椅子の背張りを調節すること。(背面にある背張りを、本人の背中に合わせて、たるみを持たせ、さらにサイドからもサポートする。)
5.ヘッドレストがあるものは、ヘッドレストも調節する。
テ6.ィルトで後方に車椅子を傾け、下向きになっている顔を挙げて目線を上げる。
7.肘掛の高さを調節する。
これで仙骨は圧迫から解放されるというわけです、。なるほど、なるほど。
車椅子は、ただ単に座れればいい、、運べればいいというわけではないということがよくわかります。
体に合った福祉用具の選定いかんで、在宅生活は明るくも暗くもなるわけです。
そういうわけで、お尻の褥瘡を繰り返している、うちの患者さんには、早速これをお伝えしようと思います。
よくなるといいなぁー。
書きたいこといっぱいあるのに、全然PCに迎えない毎日です。
とりあえず、久々ですが先日行った車椅子のシッティングの勉強会でのお話です。
圧迫骨折などを繰り返していて、背中が丸くなって前にかがむような姿勢のお年寄りってかなり多いです。
円背(えんぱい)とか亀背(きはい)とか言いますが、体が小さいおばあちゃんに多いですね。
昔は、農家など過酷な労働が多くて、それこそ農作業の形のまま固まったみたいになってしまって、歩いていてもまっすぐ前が見えないんじゃないかと思います。
胸郭も変形して、肺も圧迫するし、胃も圧迫するので逆流性食道炎なども起こしやすくなります。
こういう方に多いのが、座りだこです。
他にも、大柄な男性でずっと座椅子や車椅子に座っている方にも、座りだこは多いです。
比較的動けているうちは、座りだこで何度も瘡蓋が剥けてはまたできる、を繰り返したりしますが、自力であまり動かなくなると、やはりそこは褥瘡になります。
そこで問題になるのが、お尻の体圧分散をどうするかということです。
以外に多いのは、円座をずっとしている方です。
円座は、空気を入れすぎると円座の形に虚血しますし、ぺちゃんこだとやはり異物でしかありません。
介護保険が始まって以来、福祉用具の中で体圧分散マットレスが数多く開発されてきましたが、ちゃんと選定されていない方も数多くいるような気がします。
お尻の褥瘡が良くならないという報告をスタッフからよく受けているなかで、車椅子クッションの体圧測定を実際見てみようということになり、アビリティーズさんに勉強会の講師をお願いしました。
持ってきて頂いたのが、圧力分布測定システムSRソフトビジョンです。
科学的な褥瘡管理のための評価ツールとして、最も欲しいツールですが、お値段もなかなか張る上に、使いこなせる自信もなく、これは専門家にお願いするのが一番と、いつもお世話になっているアビリティーズのNさんに解説していただきました。
SRソフトビジョンと呼ばれる座布団くらいのシートを車椅子に乗せて、その上に人が座れば、パソコンに体圧の分布画面が出てきます。
圧がかからないところから薄いブルー濃いブルー、次に緑にグラデーションとなり、厚がかかってくるとオレンジから赤へと変わってきます。
そこで数種類のクッションを持ってきて、どんな圧力分布になるかを、実際見てみました。
まずは、よくあるごく普通のウレタンクッション。
最初は、一見いいようなのですが、5分も座るとウレタンが潰れてきて、坐骨結節の部分に圧力がかかってくるのがわかります。
円座なども同じです。
しっかりと坐骨部分がオレンジになってくるのは、小さな面で支えるために硬い骨の部分が底着きしているということです。
90度座位では坐骨が赤くなりますが、円背で仙骨に圧がかかる方は、仙骨が圧迫されるということです。
次に座ってみたのはゼリータイプのクッションです。
これは、ウレタンよりは体圧分散されているものの、やはりもう少し長く座ると、徐々に厚が集中してきます。
最後に試したのが、このロホクッションです。
これは、エアセルと呼ばれる風船状のモノが、並んでできているクッションで、昔から優れた体圧分散マットとして使われてきました。
最近ではさらに進化して、いろいろいなタイプのものがあります。
本日持ってきていただいたのはこれ。
ロホ・コンツァーセレクト。
セルに高低差をつけることで座位を安定させ、前後左右の座位バランスを調整することができます。
アイソブローバルブというバルブによって、4分割されたロホの空気を調整して、体の傾きを調整できるすぐれものです。
最初にいっぱい空気を入れて座り、少しづつエア抜きをしていきます。
画面を見ながら、体圧が一番均等に抜けてきたところで空気を止めてしばらく待ちます。
何分経っても、沈み込みや底づきもなく、安定した座位が保てることがわかりました。
なるほど、見て確認できるのはいいですよね。
でも、円背のお年寄りはこれだけじゃダメです。
より良い姿勢を維持できるようにしなければ。
そこで登場するのが、ティルトタイプの車椅子です。
ティルトとは、座面がそのままの角度で後方へスライドするもので、90度座位を保ったままで後ろに傾けられます。リクライニングではありません。
1.適したクッションを選択する。
2・腰を深く座らせること。
3・フットレスとは膝を90度で保てる高さにすること。
4.車椅子の背張りを調節すること。(背面にある背張りを、本人の背中に合わせて、たるみを持たせ、さらにサイドからもサポートする。)
5.ヘッドレストがあるものは、ヘッドレストも調節する。
テ6.ィルトで後方に車椅子を傾け、下向きになっている顔を挙げて目線を上げる。
7.肘掛の高さを調節する。
これで仙骨は圧迫から解放されるというわけです、。なるほど、なるほど。
車椅子は、ただ単に座れればいい、、運べればいいというわけではないということがよくわかります。
体に合った福祉用具の選定いかんで、在宅生活は明るくも暗くもなるわけです。
そういうわけで、お尻の褥瘡を繰り返している、うちの患者さんには、早速これをお伝えしようと思います。
よくなるといいなぁー。