隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

本と雑誌 61冊 『湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ』

2021年10月08日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌」を紹介するシリーズの第61冊目は、『湯島天神坂 お宿如月庵(きさらぎあん)へようこそ』をお送りします。

 

 


『湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ』は、中島久枝による「お江戸人情シリーズ」第一作です。


著者の中島久枝さんは、東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート。著作に『金メダルのケーキ』『いつかの花』など。

 

あらすじ:時は江戸。火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。


如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ。


梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。おまけに奉公人達もワケアリばかり。美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。そしてそれらを束ねる女将。


個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか? そして、行方不明の姉と再会は叶うのか?

 

感想:本作は、人情物時代小説です。時代小説というと、藤沢周平、山本周五郎などの男性大御所の作品を思い浮かべますが、女流作家・中島久枝さんは、軽妙なタッチで描いています。


紙書籍の発行も、文庫版のみ。隊長は、電子書籍で読んだのですが、気楽に読める時代小説になっています。


本書を読もうと思ったのは、物語の舞台が隊長の地元・東京都文京区本郷の隣町・湯島だったこと。湯島だけでなく、小日向など、知っている地名が登場します。


尚、「隊長のブログ」では、湯島地区に関する記事を、これで38回アップしたことになります。 詳細は、こちらをご参照下さい  https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/87584188e1ce0a47fad76e5a475d696a


また、隊長の実家も、かって本郷で旅館を経営していた http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9c9c403e4e835de6939ed62ac88360c7 こともあり、“旅館もの”の作品は外せなかったからです。


そんなこともあり、主人公の梅乃に感情移入しやすかったです。


本作品を、映画化、ドラマ化したら、ヒットするのではないでしょうか。


第2夜の「雪に涙の花嫁御寮」で、「昼前に青梅の造り酒屋から樽酒と酒粕が届いた」とあります。この酒屋は、清酒「澤乃井」で知られる、創業 元禄15年(1702)の「小澤酒造」が、モデルですよね。


中島久枝さんの、他の「お江戸人情シリーズ」作品も、読んでみたくなりました。


尚、『湯島天神坂 お宿如月庵へようこそ』の発行は、ポプラ社。発売年月:2017年10月。文庫価格:748円(税込)、電子書籍価格:673円(同)です。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

57冊 2021/3/12 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1ac42b8270d7d14ff22a0db4a5d03259

58冊 2021/5/7  『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/230a1542e0bd16e8759e007624fe478e

59冊 2021/8/14 『よりぬき サザエさん No.6』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f970dde5d6e47e223fad4de21b378387

60冊 2021/8/27 『土地の記憶から読み解く早稲田』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5b357a1bd07b0e31edd68769dda624f

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本と雑誌 60冊 『土地の記憶から読み解く早稲田』

2021年08月27日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第60冊目は、『土地の記憶から読み解く早稲田』をお送りします。

 

 


「江戸・東京のなかの小宇宙」の副題が付いた本誌は、イタリア人研究者による大都市東京の周縁・早稲田という「小宇宙(ミクロコスモ)」から、江戸・東京という「大宇宙(マクロコスモ)」を描いた一冊です。


著者のローザ・カーロリ(Rosa Caroli)さんは、1960年生まれ。イタリア・ローマ出身。現在、イタリア・ヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学教授。専攻は日本近現代史、沖縄史など。


ローマ大で源氏物語や近現代の日本文学作品、日本史などを学び、1984年、初来日。90年代に早稲田大で学び、帰国。2008年には法政大国際日本学研究所の客員所員、18年には同大江戸東京研究センターの客員研究員として招かれました。


2001年以降は「水の都」として知られるヴェネツィアで暮らしています。「公共の乗り物は運河を走る船だけ」(カーロリさん)で、自然と歩く習慣が身に着いたと語っています。ヴェネツィアで「歩く」ことをみつけた著者は、東京でも歩くようになり、神田川、尾張藩下屋敷、胸突坂、椿山荘・・・低地と台地と、多くの坂に形どられた早稲田界隈を歩き、自在な構想力と膨大な文献・史料の博捜し、土地の文化的・歴史的価値を考察しています。

 

椿山荘を訪れた著者(2014年秋)

 


隊長自身も、 2017年7月にヴェネツィアを訪れ https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/163d8c37c4e8903b98aba1fee29e26e3 、著者と同じ体験をしました。


日本語が堪能なカーロリさんは、日本語で本書を書き始めましたが、最終的にイタリア語と日本語に精通していて、ヴェネツィアと東京に深い縁を持っている、大内紀彦氏とフィリッポ・ドルネッティ氏に翻訳を依頼しています。


本書に収録されている多くの古地図や、浮世絵が、当時の街並みを想像させるのに、役立っています。


学生時代に多くの時間を過ごした早稲田界隈。涼しくなったら本書を手にして、その後の変化やまた変わらぬ姿を探索してみたいものです。

 

 


尚、『土地の記憶から読み解く早稲田』の発行は、勉誠出版。初版発行日:2021年4月12日。価格:2,700円(税抜)です。

 

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

57冊 2021/3/12 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1ac42b8270d7d14ff22a0db4a5d03259

58冊 2021/5/7  『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/230a1542e0bd16e8759e007624fe478e

59冊 2021/8/14 『よりぬき サザエさん No.6』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f970dde5d6e47e223fad4de21b378387

 

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本と雑誌 59冊 『よりぬき サザエさん No.6』

2021年08月14日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌」を紹介するシリーズの第59冊目は、『よりぬき サザエさん No.6』をお送りします。

 


一昨年亡くなった母の遺品の中から、『よりぬき サザエさん No.6』が出て来ました。母の愛読書の一冊だったのでしょうね。


「よりぬき サザエさん」は、新聞に連載されていた長谷川町子さんの、4コママンガ「サザエさん」の中から、長谷川さん自らが“ベスト版”として選び、出版された全13巻のシリーズです。


さずが、“よりぬき”の「サザエさん」です。どのマンガも面白く、そして時代を感じさせます。


例えば、タクシーの初乗り運賃が100円だったり、昭和40年(1965)にノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎博士の話題が登場したり、など。


それと、あとがきに、「作品が描かれていた当時としては一般的に使われていたものの、現在ではあまり使用されていない言葉や表現があります。。。 その中には、今日では差別や偏見を助長・容認すると考えられている言葉や表現も含まれていますが、作者にはそうした意図がなかった」長谷川町子美術館と朝日新聞出版の連名で書いている様に、言葉や表現も時代とともに変わっていくことを、改めて認識しました。


本書とは、直接関係がありませんが、現在もフジテレビ系列で放送されている、アニメ「サザエさん」を久しぶりに観ました。慣れ親しんだ声優さんの声が、殆ど変わっていることに気付き、少し寂しくなりました。


尚、『よりぬき サザエさん No.6』の発行は、朝日新聞出版。第1刷発行日:2013年1月30日。価格:1,000円(税抜)です。

 

2021/10/11 追記:長谷川町子さんの自伝エッセイ漫画「サザエさんうちあけ話」を原作にした、テレビドラマ『マ-姉ちゃん』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/973091300b0643161bd2458ed0b03510 の記事を、アップしました。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

57冊 2021/3/12 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1ac42b8270d7d14ff22a0db4a5d03259

58冊 2021/5/7  『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/230a1542e0bd16e8759e007624fe478e

 

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本と雑誌 58冊 『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』

2021年05月07日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第58冊目は、『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』をお送りします。

 

 


本書の発行元の株式会社山川出版社は、高等学校用検定教科書(世界史/日本史/現代社会/倫理/政治・経済)や、歴史学関連書籍の発行を行っている出版社です。


『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』では、1964年の東京オリンピック開催年と、2020年の日本列島と都道府県を、二宮書店発行『高等地図帳』の1964年版と2020年版で、どのような変化があったかを比較することが出来ます。


高速道路、鉄道、空港などの交通機関、埋め立てなどによる地形の変化、市町村合併による行政区分の移り変わりなどが、二枚の地図を比較することで、ひと目で理解できる画期的な地図帳です。


本書を見てみようと思ったのは、今年の開催がどうなるか不透明ですが、前回・1964年の東京オリンピック開催年から56年後の日本列島が、どの様に変わったのか興味が湧いたから。


特に、変化が顕著なのは、東京です。全く、別の都市の様に、発展・変化してるのが二枚の地図から分かります。


日本列島全体を眺めると、新幹線網と高速道路網の開業・開通が、列島を切り裂くように広がっています。1964年の地図に記載のある新幹線網は、東海道新幹線の東京~新大阪間だけでした。


本書を最後まで見て、確かに、この56年間で都市や高速交通網の発展が大幅にありましたが、果たして日本は本当に豊かになったのか、疑問に思ったのも事実です。


尚、『1964年と2020年 くらべて楽しむ地図帳』の発行は、山川出版社。発行日:2020年12月12日。価格:2,000円(税抜)。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

57冊 2021/3/12 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1ac42b8270d7d14ff22a0db4a5d03259

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本と雑誌 57冊 『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』

2021年03月12日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第57冊目は、『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』をお送りします。

 

 


2019年2月24日、96歳で逝去された、アメリカ合衆国出身の日本文学者・日本学者ドナルド・キーン氏。本書は、共著者の河路由佳氏のキーン氏へのロングインタビューを中心に、日本文学の大家がいかに日本語を学び、それを生涯の仕事とするに至ったのかが、描かれています。


改めて、著者を紹介すると;


ドナルド・キーン( Keene, Donald)氏は、1922年にニューヨークで生まれました。太平洋戦争中に、海軍日本語学校へ入学。戦後、京都大学大学院へ留学を果たします。帰国後コロンビア大学助教授を経て教授に就任、戦後のアメリカにおける日本文学理解を飛躍的に高めました。


2011年コロンビア大学最終講義の後、東京へ転居、2012年に日本国籍を取得。数々の日本文学、日本に関する著書があります。


河路由佳(かわじ ゆか)氏は、1959年生まれ。慶応義塾大学大学院文学研究科(国文学専攻)修了。現在、東洋大学国際教育センター日本語講師。専門は日本語教育学。

 

本書の構成は;

はじめに(河路由佳)

第一章 わたしと海軍日本語学校
1 外国語との出会い
2 漢字、そして日本語との出会い
3 海軍日本語学校での日本語学習
4 海軍日本語学校の先生・仲間たち

第二章 海軍日本語学校での日本語修行
1 海軍日本語学校での授業
2 『標準日本語讀本』をめぐって

第三章 海軍日本語学校時代の書簡
1 発見された手紙
2 手紙にまつわる思い出

第四章 戦時中の体験―日本文学研究の道へ
1 語学兵としての仕事
2 戦時下のハワイ大学で日本文学を学ぶ
3 日本語の専門家としての新たな出発

第五章 日本語・日本文学の教師として
1 ケンブリッジ大学での第一歩
2 教え子たちの活躍
  


感想:本書を読もうと思ったのは、もともと比較文化論に興味があり、本シリーズでも『スイカに塩をかけるのって変ですか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8eb5f1282c10bfead720ac9f30f0e038


『日本の「仕事の鬼」と中国の<酒鬼>』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ed3edee244cf65f41b5071bdc4bae8ea


『諺で考える日本人と中国人』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1f1dad80dfd1065eb243e2a08f6f25fc などを、紹介してきました。


また、隊長自身が外国人に日本語を教えていた経験があり、日本語教授法などに関心があり、『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/36dd3aaf4ea07815f7db88ae141ab7aa などを、取り上げています。


そんなこともあり、外国出身でありながら、日本生まれ日本育ちの日本人が足もとにも及ばないほど、日本文学に精通したキーン氏が、どのように日本語を習得したか興味があったからです。


ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちで、本格的に日本語を学んだのは、19歳の時、海軍日本語学校に入学してから。同校でのわずか11か月間に、仮名と漢字はもちろん、日本軍の命令・暗号解読に必要な文語やくずし字の読み方まで学んだというから驚きです。


その効率的な学習を助けたとされるのが、戦前の米国大使館で日本語教官を務めた長沼直兄(なおえ)による『標準日本語讀本』であったとのこと。


さらに、キーン氏が「一番日本語を覚えるのが早かったのは、最初から少し話せた人たちよりも、むしろ、大学で別の外国語をすでに勉強したことのある人とか、外国語を学ぶことに慣れているような人でした。そういう人が要領よく学習するコツを知っているのか、早かったです」と語っているように、両親が日本人など、当時の米国在住日本人より、このような人が日本語学校の優等生になっていとという事実に納得しました。


最後になりますが、本書が電子書籍初体験です。これまで、電子書籍は紙書籍の文化や、書店を無くす元凶などととの理屈をつけて手にしていませんでした。ところが、電子書籍は便利で楽ですね。


紙書籍を持参していなくても、外出先で急に空き時間が出来た時に、愛読書を読むことが出来ます。また、注釈に飛ぶのが楽。栞をクリックするだけで、読んでいたページに戻ることが出来るなど、利点だらけでした。


尚、『ドナルド・キーン わたしの日本語修行』の発行は、白水社。発売日:2020年2月12日。価格は、紙書籍が 1,980円(税込)、電子書籍は ¥1,584(税込)。

 


==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~45冊  省略

46冊 2019/6/2  『沢田研二と阿久悠、その時代』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/901be9ea36c2f3065af05e6dc904b6e2

47冊 2019/6/27 『男のきもの入門』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a90f9c9c43226a05d7ea4ec327a0cdce

48冊 2019/9/17 『森鴎外「山椒大夫・高瀬舟」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/32860159f6891be24292c3c88c96692a

49冊 2019/12/11『日本100名城公式ガイドブック』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/6e1840d977276b15115b18a3d42fa05a

50冊 2020/2/5  『虎とバット―阪神タイガースの社会人類学―』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/8f69b34551bad87fe268e663a7653cef

51冊 2020/4/4  『池波正太郎 「男の作法」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/945a81aa7409b9ecefbf75361d165c6d

52冊 2020/6/25 『芥川竜之介紀行文集』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dadeedca3e5e80fc1250d72fa6c18a80

53冊 2020/7/23 『池永陽「コンビニ・ララバイ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ded21bfc2a8aa3b71308f512f78b768

54冊 2020/7/30 『大人の御朱印 50にして天命を知る』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9df94033c4eaeeb20caa1d1f65006681

55冊 2020/8/22 『大森匂子「本郷菊坂菊富士ホテル」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a9ef620a7829e24f2ac1f43015aed4e8

56冊 2020/10/30『遊遊漢字学 中国には「鰯」がない』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b65869eec26cab46eea5af93f449be35

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