隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

学ぶ 66課 『展覧会 「兵馬俑と古代中国」』

2023年01月16日 | 学ぶ

隊長が訪れた展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第66課(回)は、『展覧会 「兵馬俑(へいばよう)と古代中国』をお送りします。

 

 


『兵馬俑と古代中国 -秦漢文明の遺産-』と題した展覧会を、観に行きました。兵馬俑とは、古代中国で死者を埋葬する際に副葬された俑のうち、兵士及び馬をかたどったもの。


主催:東京新聞、フジテレビジョン、上野の森美術館、陝西省(せんせいしょう)文物局、陝西歴史博。


会場は、JR上野駅 公園口より徒歩3分の「上野の森美術館」。観覧料:一般 2,100円。

 

 


同館を訪れるのは、2020年12月の 『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』  以来、二年ぶりです。


日中国交正常化50周年を記念した本展覧会では、陝西省西安市臨潼(りんどう)区で、1974年に発見された秦の始皇帝(在位:紀元前221年~紀元前210年)陵の兵馬俑36体を中心に、秦と漢の王朝の時代に、地下に埋蔵された重要文物を展示しています。


これまでに、仕事と観光で中国の25都市を訪問していますが、残念ながら西安には行ったことがありません。いつか、世界文化遺産の「秦始皇帝陵兵馬俑坑」を観たいと思っていました。

 

さらに、2017年8月に放送された 『アナザーストーリーズ ~兵馬俑は見ていた!~』  を観てから、ますますその思いを強くしていただけに、上野で開催される本展覧会は、千載一遇のチャンスでした。


俳優の谷原章介さんと、声優の浪川大輔さんがナビゲーターを務める音声ガイド(600円)を借り、先ずは同館の2階へ。


ここでは、「統一前夜の秦~西戎から中華へ」、「漢王朝の繁栄~劉邦から武帝まで」の構成で展示されていますが、撮影は禁止でした。


1階へ降りると、「統一王朝の誕生~始皇帝の時代」で構成されている展示物は、撮影が許可されています。


「青銅長剣」

 

 


「虎钮錞于(こちゅうじゅんう)」

 

 


「2号銅車馬」

 

 

 


「立射武士俑」

 

 

 


「跪射(きしゃ)武士俑」

 

 


「戦車馬」

 


長さ188cm、高さ165cmに及ぶ馬の俑であり、その表情はいきいきとしています。頭部、頸部、腹部、臀部と別々のパーツを接合することで、これだけ大きな等身大の馬の俑が完成します。


もともと秦は、黄土高原の一帯で、周王朝のために馬を繁殖させていたことから土地を与えられました。秦王朝と、馬は切り離せない関係にあるのです。

 


「戦服将軍俑」

 

 


戦車に乗り、歩兵や騎兵の小部隊を統率した高位の武官の俑を「将軍俑」と言います。約8000体の埋蔵が推定されている秦始皇帝陵の兵馬俑群の中でも、将軍俑は現在まで11体しか確認されていません。本品も、日本初公開となる貴重な一体です。

 

 

「鎧甲(がいこう)武士俑」

 

 

 


「鎧甲軍吏俑」

 

 

 


それぞれの展示物に圧倒されっぱなしの時間が過ぎ、会場外へ。満足するどころか、これで、ますます西安現地に赴きたくなってしまいました。

 

尚、本展の会期は、2023年2月5日(日)まで。会期最終日まで、無休です。

 

 

== 「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7

1~50課  省略

51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7

52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d

53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717

54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c

55課 2019/12/29『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e8d4cbf283ce8a23785c086c952975c

56課 2020/1/30 『中国練り粉人形展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e592102da713f18e3647cdef0dee65fc

57課 2020/2/27 『日本橋「箱根八里」フォーラム 開催中止』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d67d423c1906e17109f7097dd0e54deb

58課 2020/4/7  『露崎玄峯書展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d94c3df0d1ab1c0b041a468e6dd18b3e

59課 2020/8/2  『~100枚の写真で旅する!~中国世界遺産』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/135530929064ea8ccc65cf9952437b67

60課 2020/12/17『文京区企画展「春日局と細川ガラシャ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/88bfa33749343352001046ef36c04a53

61課 2020/12/27『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f24ca60501ea3a98e1b0c3d12ae91f2f

62課 2021/1/29 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5f6cf1edccf8163b6b7e5967cffe481

63課 2021/4/17 『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/57902a4786b9331ac24eca1aac5a673b

64課 2021/7/24 『展示会「コンドル博士と岩崎家四代」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3437b8e243641d158e1b931e69af33c0

65課 2021/12/10『建築家 今井兼次のフェニックス・モザイク』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a065d51368a1ec0c0b0bad2da2207538

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学ぶ 65課 『建築家 今井兼次のフェニックス・モザイク』

2021年12月10日 | 学ぶ

隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第65回は、『建築家 今井兼次のフェニックス・モザイク』をお送りします。

 

 


隊長の地元・文京区の「本郷通り」と「白山通り」を東西に結ぶ「新壱岐坂通り」を、坂下から上がって行くと、同通りと「壱岐坂通り」が分かれる角にある「東洋学園大学1号館」の巨大な壁画が見えてきます。

 


この壁画が誰の作品で、いつ設置されたのか、長い間、知りたいと思っていましたが、同大学にて、『建築家 今井兼次のフェニックス・モザイク』と題したミニ企画展が開かれていることを知り、行ってきました。


大学前は、いつも通っているのですが、校内に入るのは、2017年2月25日に行われた同大学長(当時) 原田規梭子(きさこ)氏の講演会 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/68a8c27cb9fcbaa35d9531d1b43a4262 以来です。


先ずは、1号館1階にある受付で、入館手続きを行います。1階のオープンスペースでは、「フェニックス・モザイク」の写真パネル展示や、謎解きイベント等が、行われています。「フェニックス・モザイク」とは、今井さんが製作したモザイク壁画の総称です。

 


次に、エレベーターにて、9階にある「東洋学園資料室」へ。残念ながら、資料室内の撮影は禁止でした。

 


「岩間がくれの菫花」と題した巨大壁画は、建築家の今井兼次さんがデザインと制作指導を担当し、昭和36年(1961)に、旧東洋女子短期大学の開学10周年を祝して学園のシンボルとして設置されました。モザイク壁画は全五点制作されましたが、平成19年(2007)の校舎建て替え時に、「岩間がくれの菫花」を残して解体されました。


企画展では、今井さんの構想スケッチや、校舎建て替え時に失われた四作品の保存用断片など当時の資料、同作品を含め全国五カ所にある今井さんのフェニックス・モザイク作品の写真が展示されています。


史料室には、同大の歴史をたどるパネル展示などが、常設されています。


ミニ企画展は、来年1月28日まで。詳細は、同大HPで確認してから、お出かけください。

 

尚、 「東洋学園大学」を含む、本郷・春日地区の建物・お店の地図は、こちらでご覧いただけます http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/01350f793d004d68686db8f749544c32

 

 

== 「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7

1~50課  省略

51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7

52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d

53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717

54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c

55課 2019/12/29『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e8d4cbf283ce8a23785c086c952975c

56課 2020/1/30 『中国練り粉人形展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e592102da713f18e3647cdef0dee65fc

57課 2020/2/27 『日本橋「箱根八里」フォーラム 開催中止』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d67d423c1906e17109f7097dd0e54deb

58課 2020/4/7  『露崎玄峯書展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d94c3df0d1ab1c0b041a468e6dd18b3e

59課 2020/8/2  『~100枚の写真で旅する!~中国世界遺産』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/135530929064ea8ccc65cf9952437b67

60課 2020/12/17『文京区企画展「春日局と細川ガラシャ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/88bfa33749343352001046ef36c04a53

61課 2020/12/27『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f24ca60501ea3a98e1b0c3d12ae91f2f

62課 2021/1/29 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5f6cf1edccf8163b6b7e5967cffe481

63課 2021/4/17 『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/57902a4786b9331ac24eca1aac5a673b

64課 2021/7/24 『展示会「コンドル博士と岩崎家四代」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3437b8e243641d158e1b931e69af33c0

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学ぶ 64課 『展示会 「コンドル博士と岩崎家四代」』

2021年07月24日 | 学ぶ

隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第64回は、『展示会 「コンドル博士と岩崎家四代」』をお送りします。

 

 


記事にするのが大分遅れましたが、『コンドル博士と岩崎家四代 -101年後の和魂と洋才-』と題する展示会を観に行きました。


会場は、隊長の地元・東京都文京区本郷にある「文京ふるさと歴史館」。地下1階、地上4階の建物の1Fと2Fが常設展示室になっていて、文京区で発掘された石器や土器、江戸時代の文京区の町並み、文京にゆかりのある文人に関する展示があります。


同館で行われた展示会は、以前に『復興への想い-生きよ!もっと強く-』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e18dee817a63203b0691792ac401a1b を、取り上げています。


本企画展「コンドル博士と岩崎家四代」は、令和2年6月に没後100年を迎えたコンドル博士顕彰事業として行われました。

 

 


今回の企画展が行われたのは、地下1Fの特別展示室。「文京ふるさと歴史館」は、常設展示室は、許可を得れば撮影可能ですが、特別展示室は撮影禁止です。

 

 


展示室内では、文京区とゆかりの深い明治時代の建築家 ジョサイア・コンドル博士と、三菱財閥創始者・岩崎家との関わりについて紹介していました。


コンドル博士には、関心が高く、これまでにコンドル博士及び関係者に関する記事を、八回も取り上げています。 詳細は、こちらをご参照下さい  https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/29f9a7fbe10eeb84d639ca3f3ac96f80


また、岩崎家については、『旧岩崎邸庭園と三菱資料館』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/5729611c2651987ee1d05353d9aca0e2 で、紹介しています。


今回の展示品を見て、これまでコンドル博士に関して知っていたことを再確認したことに加え、特に興味深かったのは、博士の日本庭園研究の成果でした。博士の業績により、改めて、日本庭園の美しさを認識することが出来ました。


企画展を観終えて、1Fと2Fの常設展示室へ。


1Fにある文京区で発掘された石器時代・縄文時代の出土品。

 

 


旧・小石川消防署に関する展示。

 

 


2Fに展示されている江戸時代にあった「駒込のやっちゃば(青物市場)」のジオラマ。

 

 


「文京ふるさと歴史館」の住所は、東京都文京区本郷4-9-29。電話番号は、03-3818-7221。入館料は、100円です。尚、『コンドル博士と岩崎家四代』 の企画展は、終了しています。


「隊長のブログ」で紹介した「文京ふるさと歴史館」を含む、東京都文京区本郷・春日地区の建物・お店の地図はこちらでご覧いただけます  http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/01350f793d004d68686db8f749544c32

 

 


== 「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7

1~50課  省略

51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7

52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d

53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717

54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c

55課 2019/12/29『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e8d4cbf283ce8a23785c086c952975c

56課 2020/1/30 『中国練り粉人形展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e592102da713f18e3647cdef0dee65fc

57課 2020/2/27 『日本橋「箱根八里」フォーラム 開催中止』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d67d423c1906e17109f7097dd0e54deb

58課 2020/4/7  『露崎玄峯書展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d94c3df0d1ab1c0b041a468e6dd18b3e

59課 2020/8/2  『~100枚の写真で旅する!~中国世界遺産』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/135530929064ea8ccc65cf9952437b67

60課 2020/12/17『文京区企画展「春日局と細川ガラシャ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/88bfa33749343352001046ef36c04a53

61課 2020/12/27『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f24ca60501ea3a98e1b0c3d12ae91f2f

62課 2021/1/29 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5f6cf1edccf8163b6b7e5967cffe481

63課 2021/4/17 『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/57902a4786b9331ac24eca1aac5a673b

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学ぶ 63課 『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』

2021年04月17日 | 学ぶ

隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第63回は、『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』をお送りします。

 

 


4月4日(土)に、東京都文京区後楽にある「日中友好会館」地下1階の大ホールで行われた『変面ショー&琵琶演奏会』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2d715cd4b75f6a1c726d945bed800b74 の開演前に、館内1階の「日中友好会館美術館」で開催されていた『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』を鑑賞しました。


概要:目覚ましい経済発展の裏で、生活様式の変化や量産品の出現によって、中国では、昔ながらの手仕事が急速に失われつつあります。そんな貴重な「手仕事」の中から、日本では未だあまり知られていない「美しいもの」を求めて、コロナ禍に入る直前の2019年12月に、主催者が四川省を訪れました。


四川省は四方を深い山々に囲まれた自然豊かな地です。紀元前250年に構築された水利施設・都江堰の治水により農業が発展。外敵の侵入を阻む独特の地形と豊富な資源に恵まれた「天府の国」を求めて多くの人々が移り住むと、多種多様な手工芸が花開きました。


本展では、主催者たちが四川省がみつけた“線”を媒介に職人が織りなす4つの美しき手仕事、「成都銀糸工芸」、「道明竹工芸」、「蜀錦(しょっきん)」、「閬中(ろうちゅう)シルク絨毯」の73点が紹介されました。


四川省には、中国上海に駐在している時に旅行で、一度だけ訪れた https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9625dee8a0cdb36604d8ab78feca7580 地ですが、同省の手工芸品ということで興味を持って鑑賞しました。


会場に入ると、真っ先に目に触れたのが、蜀錦で作られた “太子綿羊(たいしめんよう)模様” の「漢服(かんふく)」です。

 


蜀錦は、古来より「蜀国(しょくこく)」と呼ばれる、現在の四川省一帯を中心に発展した絹織物で、南京の「雲錦(うんきん)」、蘇州の「宋錦(そうきん)」とともに、中国三大錦に数えられています。中でも煌きらびやかで最高級品とされる「蜀錦」は、2000年以上の歴史があり、古くから蜀国の経済を支える産業として栄えてきました。


蜀錦は、花楼織機(かろうしょっき)という二階建ての大型織機で、文様をコントロールする職人と、機を織る職人の二人がかりで織りあげられます。製織工程が非常に繁雑で、熟練の職人でも一日数センチしか織ることができないため、古代より「錦一寸金一寸」と言われるほど価値の高い工芸品です。本展では、反物や漢服など16点が紹介されました。


漢服は、漢民族の伝統的な民族衣装で、長い袖や紐づかいで歩くときの揺れる感覚が特徴です。近年、中国では、若い世代を中心に漢服を着ることが人気を集めているそうです。隊長も、中国歴史ドラマ 『ミーユエ 王朝を照らす月』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3d9a66785d6004d48e3ef93b9813295c や、『月に咲く花の如く』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9f6663376dca2ce5689983465b676763 で、主役のスン・リーさんや他の女優さんが身に纏っていた美しい漢服に魅了されました。


尚、日本人が眼にする機会が多い、詰襟で越の横に深いスリットが入ったチャイナドレスは、正式には「旗袍(チイパオ)」と呼ばれ、満州人の貴族衣装「旗装」に、西洋の裁断要素を加えて、融合したものと言われています。


蜀錦の漢服は、もう一枚展示されていました。こちらは、“桃花曲水(とうかきょくすい)文様” です。

 


こちらは、“美しい生活” と題した、「閬中シルク絨毯」です。

 


閬中シルク絨毯は、四川省北東部に位置し、今なお古い街並みが残る、閬中市を代表する工芸品です。明代の頃から中国内外で広く知られるようになり、閬中の街にはシルク絨毯を織る工房が多く現れました。この頃に確立した伝統的な織り方や製作工程が、現在まで脈々と受け継がれています。


「道明竹工芸」の一品、“竹編魚籠(たけあみびく)”。

 


道明竹工芸は、四川平野西部に位置する崇州(すうしゅう)市道明鎮(どうみょうちん)を代表する工芸品です。竹資源が豊富なこの地では、2000年以上も前から竹製品が作られてきました。


「成都銀糸工芸」の “三魚花瓶(さんぎょかへい)”と題した作品。

 


成都銀糸工芸は四川省の省都、成都市を代表する工芸品です。その歴史は、1700年以上前の漢代にまで遡(さがのぼ)ります。本作品には、約1万メートルの銀糸が使用され、制作に1860時間を費やしたそうです。


尚、『四川省でみつけた 線が織りなす美しい手仕事展』 は、既に終了しています。

 


== 「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7

1~50課  省略

51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7

52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d

53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717

54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c

55課 2019/12/29『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e8d4cbf283ce8a23785c086c952975c

56課 2020/1/30 『中国練り粉人形展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e592102da713f18e3647cdef0dee65fc

57課 2020/2/27 『日本橋「箱根八里」フォーラム 開催中止』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d67d423c1906e17109f7097dd0e54deb

58課 2020/4/7  『露崎玄峯書展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d94c3df0d1ab1c0b041a468e6dd18b3e

59課 2020/8/2  『~100枚の写真で旅する!~中国世界遺産』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/135530929064ea8ccc65cf9952437b67

60課 2020/12/17『文京区企画展「春日局と細川ガラシャ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/88bfa33749343352001046ef36c04a53

61課 2020/12/27『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f24ca60501ea3a98e1b0c3d12ae91f2f

62課 2021/1/29 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f5f6cf1edccf8163b6b7e5967cffe481

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学ぶ 62課 『黒田記念館で「湖畔」を鑑賞』

2021年01月29日 | 学ぶ

隊長が行った展示会・講演・セミナー・発表会や考えた事、など「学ぶ」の第62回は、『黒田記念館で湖畔を鑑賞』をお送りします。

 

 


1月13日 (水) に、東京都台東区上野公園にある「黒田記念館」で、代表作の『湖畔』を鑑賞しました。


昨年末の「上野の森美術館」から「寛永寺 根本中堂」までの散策途中、「黒田記念館」別館内にある 「上島珈琲店黒田記念館店」で休憩 した際に、1月13日~24日まで、同館の特別室にて、『湖畔』の公開があることを知りました。


そこで、13日に 「根本中堂」の御朱印を拝受  した後に、同館を訪れました。


根本中堂から向かうと「国際こども図書館」、

 

 


の隣にあるのが、「黒田記念館」です。到着したのが、9時20分頃。開館時間の9時半まであと10分。予想に反して、列が出来ていなくて、一番乗りでした。

 

 


日本近代洋画の父ともいわれる黒田清輝は、大正13年(1924)に没する際、遺産の一部を美術の奨励事業に役立てるよう遺言しました。これをうけて、昭和3年(1928)に竣工したのが「黒田記念館」です。館内には、遺族の方々から寄贈された遺作を展示して画家を顕彰するために「黒田記念室」が設けられています。

 

 


開館時間になり、扉から入ると重厚なエントランスが。(入館無料)

 

 


「特別室」と「黒田記念室」がある2Fへの階段を上がります。

 

 


階段を上がった左側にあるのが「特別室」。廊下から既に、裸体画の「智・感・情」が見えます。尚、館内の作品は、フラッシュを使用しなければ、全て撮影可能です。

 

 


左から「智(Wisdom)」、「感(Impression)」、「情(Sentiment)」。この作品は、明治30年(1897)の第2回白馬会展に「湖畔」などとともに出品されました。等身大の日本女性が三体、裸体で描かれ、その大きさ(180.6 x 99.8 cm)からも、また、金地背景にあたかも実際にあるかと見まごうばかりに描写されているという、視覚的印象の強さからも注目された作品です。

 

 


裸体が圧倒的な迫力で迫ってくる作品です。確かに、当時の日本ですから、ヌード作品、それもこの様な大きさの作品が物議を醸したことは、想像に値します。


特別室に入って左側に展示されている『湖畔』。

 

 

箱根の芦ノ湖と彼岸の山を背景にして涼をとるこの麗人の像は、現在では『湖畔』の題名でひろく知られていますが、明治30年(1897)の第2回白馬会展では「避暑」の題で出品され、1900年のパリ万国博に「智・感・情」などとともに出品されたものです。モデルは、照子夫人で、明治30年夏に、夫人を伴って箱根に避暑のため滞在、そのときに描かれたものです。


教科書に掲載されていたり、記念切手にもなった、この作品を直接、目にすることが出来た感動で、数分間、作品の前から動くことが出来ませんでした。


特別室の右手には、これも教科書に取り上げられることの多い「読書」が展示されています。明治24年(1891)のこの作品は、フランス滞在中に描かれサロンに入賞した初期の代表作です。

 

 


その隣に展示されている「舞妓」。本作は、明治26年(1893)欧州から帰国した黒田が京都に遊び,古都の町並みと舞妓の可憐な姿に新鮮な感動をもって接した際に描かれました。

 

 


特別室に展示されているのは、以上、6作品です。尚、特別室の公開は、年3回、新年、春、秋に各2週間です。次回は、本年3月23日(火)~ 4月4日(日)まで。


廊下を隔てた反対側が、「黒田記念室」です。

 

 


入口脇には、高村光太郎による昭和7年 (1932)作の「故子爵黒田清輝胸像」が置かれています。

 

 


扉の上部には、画家・中村不折(ふせつ)の揮毫とされる「黒田子爵記念室」の文字が刻まれていました。

 

 


現在、記念室内には、黒田の29点の作品と手紙等が展示されています。

 

 

 

 


中には、フランス留学中に制作され、「読書」と並ぶ力作である「マンドリンを持てる女」も展示されていましたが、隊長が眼を奪われた2点の内1点は、「昔語り図画稿(構図)図画稿(構図)」です。

 

 


「昔語り」の着想を得たのは、明治26年(1893)の京都旅行の折、東山の清閑寺で寺僧が語った平家物語中の小督(こごう)悲恋の物語を聞いたことによるとのこと。画面は6名の人物で構成され、一人一人の入念なデッサンや、油彩による周作を経て、完成作品となりました。しかし、残念ながら完成作は戦災で焼失し、現存していません。


もう一点は、「昔語り下絵(男と舞妓)」です。

 

 

男と横向きの舞妓を組み合わせたこの下絵に惹かれたのは、男女の関係性が色濃く現れているからです。綺麗な着物の舞妓に対して、男はみすぼらしいなりで、足もとを見ると足袋も履いていません。“道ならぬ恋” の二人の悲劇の結末まで見て取れる様な作品です。


これら‌記念室の29点の展示は、2月28日(日)迄です。

 


「黒田記念館」の住所は、東京都台東区上野公園13-9 。休館日は、月曜日。開館時間:9:30~17:00。問合せ先の電話番号 は、03-5777-8600です。

 

 


== 「学ぶ」 バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/f5db9e9e6a9e758b72bc946d007772f7

1~50課  省略

51課 2018/12/16『江戸東京博物館』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/ac3017259d14e0982a133ce2916e57b7

52課 2019/4/16 『音楽健康指導士準2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/43bb09cb58629d60d1e04462ffee0e1d

53課 2019/6/12 『「外国人おもてなし語学ボランティア」育成講座』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2a5f0cd2310d4a2eb5aa9080a3561717

54課 2019/6/22 『音楽健康指導士2級 認定』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dae58a1bc63b14b57e448cf04ec4354c

55課 2019/12/29『中国語と日本語の国名漢字表記の違い』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7e8d4cbf283ce8a23785c086c952975c

56課 2020/1/30 『中国練り粉人形展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/e592102da713f18e3647cdef0dee65fc

57課 2020/2/27 『日本橋「箱根八里」フォーラム 開催中止』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d67d423c1906e17109f7097dd0e54deb

58課 2020/4/7  『露崎玄峯書展』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/d94c3df0d1ab1c0b041a468e6dd18b3e

59課 2020/8/2  『~100枚の写真で旅する!~中国世界遺産』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/135530929064ea8ccc65cf9952437b67

60課 2020/12/17『文京区企画展「春日局と細川ガラシャ」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/88bfa33749343352001046ef36c04a53

61課 2020/12/27『KING & QUEEN展 -名画で読み解く 英国王室物語-』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f24ca60501ea3a98e1b0c3d12ae91f2f

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする