隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

映画 Film274 『こんにちは、母さん』

2023年09月08日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第274作品目は、『こんにちは、母さん』をお送りします。

 

 


9月1日から公開している『こんにちは、母さん』を観てきました。本作品は、松竹映画100周年を記念した作品です。上映時間:125分。


原作は、劇作家・永井愛が、2001年に新国立劇場からの委嘱により書いた、同名の戯曲。


永井愛は、1981年に 大石静  と、2人だけの劇団「二兎社」を設立。二人で交互に女優と脚本を、担当していました。


本作のメガホンを取るのは、時代とともに家族の姿を描き続けてきた山田洋次監督。91歳にして90本目の監督作となる本作では、いまこの令和を生きる等身大の親子を心情豊かに描いています。


尚、「隊長のブログ」では、山田洋二の作品・番組を、これで20本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい


主演を務めるのは、日本を代表する名女優・吉永小百合。


二人に取っては、『母べえ』(2008年)、『母と暮せば』(2015年)に続く「母」3部作の集大成となる作品です。


吉永小百合さんが出演する作品・番組の記事一覧は、こちらです  。


脚本:山田洋次、朝原雄三。 


共演者:大泉洋永野芽郁寺尾聰宮藤官九郎 、田中泯、YOU、枝元萌、加藤ローサ、田口浩正、ほか。

 

 

 

あらすじ:大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘・舞(永野芽郁)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永小百合)が暮らす東京下町・向島の実家を訪れます。


「こんにちは、母さん」。しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい。。。割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活しています。おまけに恋愛までしているようです!


久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫でしたが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされていきます。。。

 

 


鑑賞したのは、東京・日本橋にある「TOHOシネマズ 日本橋」。前回、同館を訪れ作品は、今年7月の 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』  でした。


隊長が観賞した今週前半、本作品を上映しているは、座席数143の「スクリーン9」。

 

 

 


感想:本作品を劇場で観ようと思ったのは、隊長が山田洋次監督の作品が好きなことと、サユリスト(吉永小百合さんのファン)だからです。


ストーリーが進むごとに既視感があるという思いが、だんだん強くなりました。その思いが確信に変わり、50作で終了した 「男はつらいよシリーズ」ではないかと。


「男はつらいよ」の舞台は下町・柴又、「母さん」も下町・向島。寅さんの実家は団子屋、昭夫は足袋屋で、両方ともサラリーマン家庭ではありません。「とらや」の店先の前は帝釈天の参道、足袋屋「かんざき」の店先から玄関を出ると、直ぐ前が道路。「とらや」にも、「かんざき」にも裏庭があり、裏庭からの景色も下町です。


「男はつらいよ」では、渥美清さん演じる寅さんが失恋するのがお決まりです。「母さん」では、福江が寺尾聰さん演じる牧師に失恋します。吉永小百合さんが失恋シーンを演じるのは、珍しいですね。


この場合、既視感とは悪い意味ではなく、良い意味で使いました。観客に観ていて安心感を与える効果があります。


山田洋二監督は、人生の機微(きび)や笑いのツボを充分に心得ていてにくい程です。


ホームレス(田中泯)に、言問橋の上で、東京大空襲の悲劇を語らせるシーンには、監督のポリシーを感じました。


気になったのは、昭夫の妻を演じた名塚佳織さんが、電話の声だけの出演で顔出しがなかった点。「かんざき」を出るハイヒールの足元が映りましたが、名塚さんかどうかは分かりません。


これは、顔出しで観客に、昭夫の妻のイメージが固定化するのを避けたためでしょうかね。


それにしては、ワンシーンの登場だけで強烈に印象を残したのが、福江たちボランティアグループの炊き出しに並ぶ男のカンベちゃん(神戸浩)。それに、「かんざき」に足袋を買いに来た現役力士の明生です。


千住明さんの映像と共に流れる音楽も、そのシーンにピッタリで、素敵でした。

 

 


 

 

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