39歳にして独身、そして芸能プロダクションを経営する木原敦子。
彼女は地方の田舎町出身だったが、ある日その同郷の同級生、近藤に呼ばれ、物心ついた頃の大横綱「南ノ峰親方」に引き会わされる。
その場には、同じく同級生の井上と山本も同席し、これに近藤を加えると憎めない3バカ男の集まりなのだが、この3人と南ノ峰親方を交えての話の内容とは、引退した力士の再就職先としての警備会社「ドスコイ警備保障」の立ち上げ、そして敦子には芸能会の仕事に元力士が出演する際のマネージメントを頼む、というものであった。
巨体でありながらも鍛え抜かれたその肉体を持つ元力士。警備の仕事はある意味、最高の適職であった。
実際、警察も手を焼いていた連続強盗犯をドスコイ警備保障が逮捕協力したことをきっかけにして話題となり、またその仕事の確実さも評価されて歩みだしたドスコイ警備保障は社会的に認知されるようになる。
そして、偶然と不遇の重なりから敦子は自ら経営するプロダクションを手放すことなり、逆に、ドスコイ警備保障の仕事は軌道にのり、ビジネスとして素晴らしい成功を歩み始める。
生きがい、やりがいを見出したもの、そしてビジネス以外で得たものは、、、
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この著者、その昔「都立水商」という、まぁふざけた、とっても面白い小説の著者と同じです。
この人、極めて軽い文体ですが、どの登場人物たちも活き活きとした個性を持って息づき、テンポよく話が展開していく。マンガに近いかも知れないですね。
とにかく面白いです。肩も肘も、まったく張る必要の無い、本当のただの娯楽小説です。
ただ、サービス精神が旺盛すぎて、前の「都立水商」の時もそうでしたが、最後がどたばたの駆け足になってしまうところはありますが、まぁ、それも愛嬌。
ストーリーテラーとして、本当に面白いです。
あ、都立水商ってのも面白いですよ。もう、だいぶ前に読んだんですが。
こっちは、低年齢化する援助交際に歯止めをかけるため、ならば水商売のプロを養成するべく都立高校として歌舞伎町に開校された「水商」を舞台とするお話。
当然、お水のプロを養成するので、ホステス課、ホスト課、ソープ課などがあり、、、その実習や授業、なんてのを、おバカに、ナンセンスにストーリー展開するお話です。
でも最後にはホロッと泣かせるところに駆け込みで終わるって感じでしたね。
とにかく、水商はともかく、この人、多分、いろいろ書きたいことを詰め込みすぎて、しかもキャラクター達がそれぞれ活き活きしすぎて終わりにもち込めなくて、でも「エイヤァー」で終わらせたって感じです。
ちっともよく思えないかもしれませんが、でも面白いのです。
おバカな本で、ニヤリとしたい方にお勧めします!
勝手に評価 ☆4.0/5.0