助教授・犀川創平と女子大生・西之園萌絵のコンビ、S&Mシリーズ第5弾
仏画の模写をする香山家には代々伝わる「天地の瓢(こひょう)」と呼ばれる壷と「無我の匣(はこ)」と呼ばれる箱があった。
その壷の中には箱を開ける鍵が。しかしその鍵よりも壷の口が小さいという謎の壷と箱。
しかも蔵の中で自殺と見られる遺体で発見された先々代の目の前にもその壷と箱があったという。
そして現在、先々代と同じく仏画を描く先代のものと思われる大量の血液が蔵の中から発見され、しかもそこにはやはり壷と箱が。
そして先代は離れた場所で遺体となって発見される。
殺人なのか、それとも自殺なのか。
閉じられた蔵の謎、壷の鍵と箱の中に入っているものはなんなのか。
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つくづく順番通りに読まなかったのが悔やまれる1冊でした。
犀川と萌絵の婚約ってのを「えぇ!?」っと驚いた「幻惑の死と使途」。
ところが本作では、萌絵が「血液の病気」なんて事が。
ビックリ仰天で読み進めました。
萌絵という存在を前にした、犀川の側をメインにして進展していく。
動揺を隠せない犀川。あまり見られないものだけに大変おもしろく読み進んだ。
犯人だと思っていたのは、、、見事外されました。
文章の上手さ、構成の緻密さ、素晴らしいです。
ストーリーとしても極上の娯楽小説になっていました。
勝手に評価 星☆ 4.5/5.0