買い物袋にネギを入れた同級生の男に駐車場で会った。一緒に寮まで帰る。聞くと、春休みが手持ち無沙汰過ぎて遂に慣れない自炊を始める決心さえついてしまったらしい。だけどこんなゆったりした時間もいつの間にか終わっていて、春休みが終われば、春休みに戻りてーとか言っちゃうんだろうな、と今から先を嘆いてみます。もう少しまともな過ごし方を考えようかと布団の中で考えます。医大生・たきいです。
「終電、行っちゃったね…」
というワンフレーズほど、状況によって意味の変わってくる言葉も少なかろう。巧みな計算に基づかれた言葉か。背後に隠しきれなくなってきた欲求の潜むうわべだけの言葉か。あるいは。絶望の淵に立たされたときにも人はこう言い残すである。
まだ3月。明け方の冷え込みは未だ厳しい。野宿すれば死ぬ。

というわけで、和室に布団4つが並ぶ、修学旅行的な気分で夜を過ごしたわけです。これで一部屋7,000円ポッキリ。お得です。ありがとうJTB様。
修学旅行的な気分というのも些か語弊があるだろうか。早起きに旅疲れに三次会明け。浴衣に着替えて横になった瞬間まさに全員爆睡せんとす。いかがわしい話で盛り上がる元気もない。飲み会でそういった話は済ませてきたせいかもしれないが。笑
妙に身体が火照っていて自分一人だけちょっと寝つきが遅かったようだ。布団から足を出すのがなんだか心地よい。隣の男はいびきをかいているし先を越された感もある。すると、その向こうの男が声をかけてきた。
「あぁ、ごめんー。おれやっとくよー。」
その言葉の解釈がすぐにはできなかった。「やっとく」、とは何か。省略された目的語が分からない。同級生の男だけの部屋、少なくとも決してそのような展開だけは避けたい。「やっとく」は他動詞だと信じたいし、平仮名であるべきだ。
分かった。寝言だったのだ。
本部長様、いつもおつかれさま…。
(隣の医科大御用達の定食屋に連れてってもらった人(笑))