女芸人の横澤夏子さんに似ている女医さんって多い気がするんですけど気のせいですかね(笑)。医大生・たきいです。
割と鼻血が出やすいタイプなわたくし。またやってしまったと思ったら血が出ていたのは鼻の穴の中ではなく鼻の頭。どうやら毛穴パックが諸悪の根源だったらしい。
ところで、なんとなく書いてしまった「鼻の穴の中ではなく鼻の頭」という表現は医大生失格的な発言な気がする。この業界は言葉の定義にうるさい。上と下ではなく頭側と尾側。前と後ではなく腹側と背側。「中」という概念も厄介で、一般的な感覚では食物の残渣が通過していく消化管は身体の「中」であろうが、外界と交通しているという意味では「外」と捉えねばならぬのだ。
鼻出血の好発部位といえば医大生ならだれでもご存知「キーセルバッハ部位」に他ならないが、血がどこに出ていたかと強調したい文脈においては最初に用いたくない用語として感じる。ピンポイントな解剖学用語を求めたい。案外、一般生活で使いそうな身体の部位の正式な解剖学的名称って盲点なのである。これじゃダメなんだろうけれど。
せっかくなので解剖学書を紐解いてみる。「鼻」の項は外鼻、鼻腔、副鼻腔とある。言われてみればなるほどだけど。「鼻の頭」というのは外鼻の一部、とりわけ「鼻翼」としてよさそうだ。対して「鼻の穴の中」というのは鼻腔の一部、外界に通じている側が「外鼻孔」である。
以上、久々に紐解いた解剖学講義でありました。
……思索を巡らせながら5分間止血していたらおかげさまで止まりました。しばらく毛穴パックは控えよう。笑
(とある講演会のスライドに校閲が入ることを知っていろいろ自重して作り直している人(笑))
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