夜中に一度だけ
激しく打ち付ける雨音で目が開いたけど
朝になっても雨は強くなったり弱まったり…
なので
今日は迷うことなく休足日
そんな雨のなか
メンバーたちは
今日が京都マラソンの本番当日
前乗りした昨日の様子を訊くと
まだ小雨がぱらつく程度だったらしいが
スタート前の時間帯に
LINEで尋ねてみると…
どうやらコッチと同じように本降り
すっかりズブ濡れになって
今から荷物を預けてきますと
結構大変そうな様相…
屋内の待機エリアってあるのかな?
たぶん無いんだろうなぁ
僕も何度か経験があるけど
走り出してしまえば何ともないが
スタート前の雨に濡れながら
号砲が鳴るまでの長い待ち時間って
モチベーションなんかダダ下がりで…
しかも2月だぜ!
2月にしてはまだ暖かい方だからいいものの
冬の雨の中の大会って
夏場と違って大変だからなぁ…
まぁ夏場も大変には違いないけど
寒くない分だけでも…
ガンバってもう走り終えただろうか?
悪コンディションだからタイムは無理でも
遠征出来ないジジイの分まで
42キロを楽しんで帰ってきてほしいと…
《バイトのお姉さん④》
会計を済ませるとき
今日の件はオフレコに頼むよと
見知った店員にウィンクをしてみせると…
店員は笑いながら
わかりましたと頷いた
だけど
本当にオフレコにしてくれるかどうかは
かなり怪しいもんだと
彼の笑い顔が語ってるような…
誰かにバレなきゃいいけど…
お店の駐車場に停めた
バイトのお姉さんの
赤いクルマに乗り込みながら
腕時計に目をやると8時半過ぎ…
8時半過ぎという時間帯が
バイトのお姉さんにとって
まだ早い時間なのか
それとも遅いのか見当がつかないまま…
今日はゴチソウサマでした
美味しかったし
楽しかったし
ありがとうございました
今度また
2人きりで食事したいね
はいお願いします
いままだ9時前だけど
これからどっか寄ってく?
行きたいところですけど
今日のところはこれで…
○○さんのおウチまで
無事送り届けますから…笑
僕の下心は全く消えてはいなかったが
主婦である彼女のことを考えると
帰ってからもやることがいっぱいあって
大変なんだろうなぁと…
彼女の言葉を聞きながら
半ば下降線を辿っていく下心
オレん家どこだか知ってるの?
ううん!
教えて…
やっぱり知るわけないよなぁ…
そう思いつつも
僕も彼女の家がどこなのか
大体の見当しかつかなくて…
そんなお互いの家すら知らない2人が
初めてとなる食事デート1回だけで
密かに目論んだ下心の計画通り
ストレートに進むはずもないか?
彼女に家までの道案内をしながら
さすがに玄関前はマズいと思い
近くの会社の誰もいない従業員駐車場へ…
こんなところでいいんですか?
うん
家はすぐ近くなんだけど
このまま帰っちゃうのも寂しいから
○○さんともう少し話でもしようかと…
え〜っ?
いままでお話いっぱいしましたよ〜笑
手…
握っていい?
半ば苦笑いをする彼女の左手を握って
僕の膝の上に乗せると
全然嫌がる風でもなく…
むしろ
待ってました?
とも感じられるほどのスムーズさ…
ねぇ
正直に言うから正直に答えてよ…
こんなジジイだけど
○○さんのこと好きになっていい?
○○さんは僕のことどう思ってる?
私も○○さんが好きです
でもまだ…
(まだ…?)
(まだ…って?)
本当に好きな人とは結ばれなかったという
店での彼女のイミシンな言葉が
脳裏に浮かび…
まだ結ばれたいと思うほどじゃないと
言いたかったのか?
そりゃそうか
お互いに好意を寄せている雰囲気は
以前から匂わせていたものの
たった1回の食事デートをしたくらいで…
しかも
マガリナリにも
僕にも彼女にも
家族がいて家庭があるんだから
それを超えてまで…
ねぇ1回だけでいいからキスしていい?
ダメですよ〜
こんなところで〜笑
ここ誰も来ないよ
こんな時間だしさ…
ねぇホントに1回だけでいいからさ…
そう言いながら
彼女の顔に僕の顔を近づけると
彼女は握られていた手を離して
両手で僕の身体をブロックした
ホントに今日はダメ!
ほら○○さんの目の色
もろエロオヤジになってて危ないから!
今日は絶対にダメッ!
(今日がダメって…いつならいいのか?)
何度か試みを繰り返してみるものの
彼女の拒否具合からすると本気らしく…
もう今日は疲れたから電池切れ!
これ以上はダメッ!
もう眠くて眠くて…
そうだよなぁ
奥さんでもあり
お母さんでもあり
バイトさんでもあって
その上エロオヤジの相手もして
一人で何役もこなしてるんだから…
じゃあ
キスもしないし何もしないから
僕の膝の上に横になって少しの時間休んでよ
それくらいならいいだろ?
ホントにキスも何もしないし
嘘はつかないから…
そう言って
彼女の細い身体を両手で抱え込んで
ヨイショと僕の膝に乗せようとしたとき…
期せずして
彼女のオッパイとお尻に手が触れた
シッカリと…
思わずハッとした
オッパイもお尻も全然大きくないのに
ふっくらと柔らかい感触
女性特有の…
あ…
いまワザと胸とお尻に触ったでしょ!
違う違う!
ワザとじゃなくて偶然!
偶然だよ〜笑
僕の膝の上で
抱きかかえられるな形になった彼女は
小悪魔のようにウフフと笑うと
ホントに眠いのと言って目を閉じた
まるで無防備に…
そしてしばらくそのまま…
マジに寝ちゃったのか?
さっきまで
あんなに全力で僕をブロックしたのに
いまは僕に抱きかかえられながら
身体の全てを僕に預けるみたいな…
僕は
左手を彼女の首の後ろから肩にまわし
右手は彼女の骨盤の外側あたりに置いて
目を閉じた彼女の顔をジッと見続けた
それこそ
その時にキスをしようと思えば
いとも簡単にできる態勢で…
あんなにキスを拒否していたのに
ここで眠るって何をされてもいいみたいで
彼女は何を考えているんだろう?
これもまた試されているのか?
僕の出方…
そう思いつつ
息を殺して彼女の顔に僕の顔を近づけ
本当に唇が触れてしまいそうに…
( to be continued … )
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