道しるべの向こう

ありふれた人生 
もう何も考えまい 
君が欲しかったものも 
僕が欲しかったものも 
生きていくことの愚かささえも…

2/18今日のスロージョグ15㎞(バイトのお姉さん③)

2023-02-18 19:43:00 | バイトのお姉さん

朝の天気予報では
今日は正午前後から下り坂に向かうと…

なら早めに走りたいと…

幸いに寒さも昨日よりは緩んで
相棒の坐骨神経痛は少しおとなしめだから
そこそこ行けるだろう

ただ
もう一つの相棒の右足のシモヤケの痛み

寒さが緩んでも
どうにもならないほどヒドくなる一方で
シューズを履くだけでもひと苦労

果たしていつになれば治るのか?

痛すぎて
ランニングフォームにも
悪影響を与えてるに違いない

と言ったところで
もともと褒められたフォームでもないから
落胆することはないか?

とりあえず
シモヤケの吠えるような痛みを抱えながら
空が泣き出す前にGO!




本当はマラソン大会の3週間前だから
せめて20キロを走っておきたかったが…

15キロでもしょうがないか?
このシモヤケじゃ…

無理して20キロ走って
ますますヒドくなるよりはまだマシか?

そう言い聞かせて
軽いビッコを引きながら?走り終えた
15キロのスロージョグ









《バイトのお姉さん③》

待ち合わせに決めた
会社近くのドラッグストアの駐車場

思ってた以上にヤバかった

仕事終わりの時間帯は
かなりの車というか客が出入りしていて…

こんなところで目にする
立ちんぼしながら誰かを待ってるような
スーツ姿のジジイはどうにも怪しすぎて…

約束の時間に
10分近く遅れて駐車場に入ってきた
バイトのお姉さんの赤いクルマ

それまでに
何台の社員たちの車が
この駐車場に出入りしただろう?

家族に迎えに来てもらうんなら
会社の前が普通だろうし
なんでこんなところで立ちんぼしてるのか…

立ちんぼの僕の姿
社員館にそう映ったに違いない

駐車場の隅の方に赤いクルマを停めると
彼女はフロントガラス越しに
大袈裟に手を振った

それこそマジにヤバい!
こんな場面
社員の誰かに見られでもしたら…


ごめんなさ〜い
遅れちゃったぁ

この場所って結構ヤバいよ
社員もたくさん寄って帰るみたいだし
見つかっちゃったよ何人かに…

え?
見つかってもいいんじゃないですか?
一緒にゴハンするだけだし…


そう彼女に言われて
立派な?下心でいっぱいのエロジジイ
思わず次の言葉に詰まってしまった

そうだよなぁ
変なこと企んでるからそう思うんだよなぁ
ゴハン食べるだけなら
なんのヤマシイこともないはずなのに…

苦笑しながらシートベルトを締めた



予約してあったお店は
すでに何度か通ってて
お店の人たちに僕の素性はバレている

ただ
女性と2人きりで訪れるのは
ひと月前ほどの抱き合う子に次いで
バイトのお姉さんが2回目になると…

お店の人はどう見てるんだろうか?
僕のこと…

まぁ
お店ではお酒を呑んで
料理を食べるだけだから
誰も不審には思わないだろう
変な仕草さえ見せなければ…

見知った店員に案内されて
2人席のテーブルに着いた

店員にお礼を言って
僕がテーブルから灰皿を避けようとした時…

バイトのお姉さんが
僕の手から灰皿を取って僕の前に置き
はいどうぞと…


いやいいんだよ
一緒にいる間くらいなら
タバコ我慢出来るから…

違うの!
私も喫いたいの!

え?


驚く僕の顔を見ながら
バイトのお姉さんはバッグからおもむろに
タバコとライターを取り出して
テーブルの上に置いた

そんな彼女の仕草を眺めつつ
急速に頭の中を整理のつかない想いが
巡り始めていた

バイトのお姉さんって
タバコ喫うのか…

女の人がタバコを喫うのが
悪いとまでは言わないが…

もちろん
僕の周りでタバコを喫う女性は何人かいるし
それほど珍しくもないが…

行きつけのお店のママは
いつも美味しそうに紫炎を燻らせているし…

ただ
やっぱり僕も古い人種なのだろうか
決して良いイメージは持っていない
自分が喫うのに…

上手く言えないけど
お酒を呑む女性には何も思わないものの
タバコを喫う女性のイメージは
いわゆるツワモノ?のタイプだと…

男の人に物怖じすることのない
度胸が座ってるような…


会社ではタバコどうしてるの?

帰るまでずっと我慢してるか
我慢できない時はお昼休みに
社員駐車場のクルマの中で隠れて喫ってる

へぇ〜
家では?
ダンナさんもタバコ喫うの?

ううん
ダンナは喫わないし
子どもたちも未成年だからもちろん
喫うのは私だけ…

どうしてるの?

部屋に閉じこもって換気扇回しながら
その真下で臭いがこもらないように喫ってる

大変だねぇ〜笑

タバコ喫う女は嫌い?

いや嫌いじゃないけど
○○さんの可憐なイメージとは
ちょっと違ったから…


驚きを隠せない僕の姿を見て微笑む
バイトのお姉さんの瞳の中に
一瞬燃えるような小悪魔が見え…

驚く一方で
ひょっとして今日はイケるかも?
と…

そんな想いを僕が抱いたのは
決して
単にエロジジイだからというだけじゃなく…

他人には見せない姿
見られたくない部分を
僕に見せるということは…

なんだかそんな気がして…

やがて
お酒や料理が次々と運ばれてきて
2人の会話はいつにも増して弾んでいた

話が弾むにつれ
言葉の端々や表情の移ろいなどから
バイトのお姉さんの本当の性格?も
徐々に輪郭がハッキリし始め…

やっぱり
彼女はツワモノに属するタイプだと…

だからこそ
普通なら接点のない幹部である僕を呼び止め
堂々と相談してきたのだし…

妻や母でありながらも
家の外で男性と2人きりで食事することも
出来るのだと…


私ねえ
恋愛とかがすごく下手な人で
今まで本当に好きな男の人と
結ばれたことなんか一度もないのよ…


僕の酔いも段々と回り始めたとき
突然彼女の口から出たイミシンな言葉…

その言葉に
どう反応していいのか迷った

結ばれる?って…
何言ってるんだろう?
結婚もして子供2人も産んでるのに…

そう思うと同時に
ダンナのこと好きじゃないのか?
好きじゃなくて結婚したのか?と…

それだけじゃなく
一度もない?ってことは
少なくても本当に好きだった男が
2人以上はいたってことか?と…

酔いの回り始めた頭の中で
彼女の言葉をもう一度噛み砕いて…

ひょっとして
僕のことが本当に好きで
そんな僕と
結ばれたいってことを言ってるのか?
遠回しに…

彼女のイミシンな言葉に
エロジジイじゃなくても
そう思ってしまうのが普通だろ?と…

それとも
僕を試しているのか?
何のために?
僕を試してどうしたいんだ?

酔いが一気に回ってきたのだろうか
そんな風に思ってしまうなんて…

イミシンな言葉を発した彼女の目は
しばらくジッと僕を見つめ続けていた
実際には数秒間だったかもしれないけど
数十分ほどに感じられるほど…

彼女が僕にどんな反応を期待しているのか
わからないまま
僕の口から滑り出た答え?は…


そんなこと
長い人生の中でたくさんあるさ
自分だけじゃどうしようも出来ないこと
どう抗っても
周りや時の流れに流されちまうことってさ…

そう返した僕のレシーブ
自分自身でも何を言いたかったのか
意味不明にしか聞こえない…

彼女の強烈なサーブに対して
僕のレシーブは正解だったのか
それとも失敗だったのか?

バイトのお姉さんは
僕の言葉を聞いて
グラスに入ったお茶に少しだけ口をつけた

レシーブしたボールの行方
どこへ飛んでいったのか
はたまたレシーブできなかったのか
わからないまま…


( to be continued … )




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