つい最近のこと、練馬で一人暮らしをしている実家の母(82歳)が危うく悪徳業者の術中にはまりそうになりましたが、早めに気づいたので撃退に成功しました。何かの参考になればという思いから、恥を忍んで事の顛末をここに綴ってみます。少々長くなるかもしれませんが、おつき合いくださいませ!
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この類の業者は我が家にも何度か来たことがある&戸建てにお住まいの方は経験があるかもしれませんが、あたかも行政が寄越した業者のごとく装い、戸外のマンホールを開けてたまったヘドロを見せ、「これは大変だ、そのうち詰まる、掃除が必要だ」と作業を迫るものです。
母が作業をさせてしまった後で料金の支払いをしぶったところ、業者は1週間の契約履行猶予期間を提案した上で契約書に署名させ、引き上げて行ったとか。
私が話を聞いたのはその段階でした。中にはまともな業者もいるようですが、その業者にはかなり怪しい臭い?を感じました。
まず第一に、マンホール4つ分を高圧洗浄器か何かで洗浄しただけなのに、料金が29,800円と高過ぎること。しかも、「普通はマンホールが3つだが、お宅は4つある。でも、3つ分の料金でいい」と、あたかもサービスしたように装ったこと。
第二に、契約書に「後日連絡 雨どい日程確認」と記し、次の段階をちゃっかり用意していること。
第三に、会社についてネットで調べたところ、ホームページがないどころか、似たような名前の会社はあれど、ピタリと該当する会社がないこと。
これはまずいと思ったので、すぐにその契約書とパンフレットを私の許に送ってもらいました。
同封された母のメモには、「払わないと言ったら、怒って何をされるかわからないから、相場の金額を払おうと思うので、相場の料金を調べてちょうだい」とあります。男性が2人で来たということで、びびってしまったのでしょうか。でも、これでは業者の思うツボではありませんか! 気丈で、亡き父よりずっと気の強い母だったのに、やはり一人暮らしになって気弱になってしまったのでしょうか......まずはこの事実に愕然としました。
契約書には作業内容と料金が記されているだけ。ですが、一番下に小さな字ではありますが赤字で、クーリングオフについての説明が載っています。期間は8日間。しかも、ハガキでのクーリングオフ方法までご丁寧に記されています。これは契約解除できるかもしれない!?
とにかく、まずは記載の情報をさらに調べてみました。
電話番号に電話すると、一応男性が出て、「株式会社エムアンドエスです」と、会社名を名乗りました。
次に「Google Street View」で当該住所を見たところ、なんと、更地と民家があるだけで、それらしき建物はありません。住所の末尾に「B1」とあり、ビルを連想させるような住所であるにもかかわらず、それらしき建物はないのです。作業員を派遣して簡単な機械で洗浄するだけなら、どこかに電話1本引いておけばすみますものね。
料金は業者によって幅があるようですが、室内の排水溝全部と戸外を合わせて15,000円前後が多いようでした。この業者は戸外だけで倍の料金ではありませんか。やはりとんでもない!
パンフには「定期的にアフターフォローします」とあり、契約書には「後日連絡 雨どい日程確認」......こ、これは、一度支払ったが最後、次から次からやって来て別の作業を強行、その度に法外な料金を請求するつもりかもしれない?! 1週間の猶予を置いたのは、クーリングオフ期間を過ぎてから再訪し、契約解除を回避する策略かもしれない?!?! クーリングオフ方法を記載しているのは、トラブルになったときに「クーリングオフについてちゃんと事前に説明した」と言い逃れできるように手を打っているのかもしれない?!?!?!
これは絶対怪しいと思ったので、私はすぐにクーリングオフすることにしました。ネットで調べると、「クーリングオフできるかどうか迷ったときは、とにかくやってみること。迷っている間にクーリングオフ期間が過ぎてしまうことがある」とあったので、やってみることにしたのです。また、文書を内容証明で郵送するのがよいようですが、最寄の郵便局に行ったら「本局でないとできない」と言われたので、簡易書留(その契約書には『簡易書留で送るのが確実です』とある)で送りました。もちろん、書面の写しはとっておきました。
それから、再発防止のために、今後の対策を母に言い聞かせました。あくまでもインターフォンで応対し、玄関に出ないように。でも、もしうっかり出てしまい、撃退できなかったとき&住宅関係のことなら、隣人のNさん(50年以上のおつき合い)のおじさまに大家さんになりすまして対応してもらうという秘策を伝授、Nさんにも私からその旨お願いしました。
その他の場合は、私か妹にすぐ連絡するように。それができない場合は、私に弁護士の友人が何人もいる(同級生にも地元にも!)ので、「顧問弁護士から連絡させます」と言って撃退するように伝えました。
さらに、妹が「消費者センターに連絡したらどうか」と言うので、業者のある地域のセンターに連絡したところ、こんな手応えでした:
・料金が未払いなら、クーリングオフはおそらく成立するだろう。
・契約者の居住地域の消費者センターに、契約者本人が連絡するように。
・「クーリングオフの手続きをしたが、受領されるか不安なので、業者に再訪を中止するよう指導してもらいたい」旨を、当該消費者センターに伝えるように。
私が電話した時刻がセンターの受付終了間際だったので、日を改めて当該センターに連絡するよう母に伝えました。私が本人を装って連絡してもよかったのですが、母にも学習してもらおうと思ったのです(#^.^#)
ところが...母がセンターに連絡しようとしていた日の朝、業者から先に電話が入ってしまったのです。さて、母はどうしたでしょうか???
母:クーリングオフしたのだから払わない
業者:クーリングオフはわかったが、作業はしたのだから料金は全額払ってもらいたい
母:料金が相場より高過ぎるから納得できない
業者:では、相場分を払ってほしい
母:消費者センターに連絡したら、払わなくていいと言われた
ネットで見たら、住所の場所は更地だった お宅はインチキだ!
業者:(歯切れ悪く)「そんなことはありませんよ」
母:娘の友人には弁護士が4人もいる 弁護士に連絡する
遂に業者は諦めたようで、ここで引き下がったとか...なんとか一件落着しました。ほっ......。
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それにしても、母は「パンフレットに業者の名前・住所・電話番号が書いてあったから、この業者なら大丈夫だと思った」と言うではありませんか! かと言って、自分でその情報が正しいかどうか確認したわけではないのですよ。どうして~~っ?! しかも、「契約書はほとんど読まずに署名、押印した」とも。どうして~~~~っ?! とんでもない契約内容が書いてあったらどうするのでしょう? ツッコミどころ満載の典型的な年寄りですね。なんとなんと......。
私が懇々と母を諭したことは言うまでもありません。まだボケてはいないのでこの程度ですんでいますが、ボケてきたらどうしましょう?! 普段からしょっちゅう母の様子を見ていて、怪しい業者の魔の手に落ちていないか察知するしかないですね。
気丈だった母の変化を目の当たりにし、老いた身の一人暮らしの現実を垣間見た気がしました。かく申す私も、将来こうなるのでしょうか...?!? だ~りん、どうか私より先に逝かないでね。(って、そういう問題でもないか?!)
冗長な記事におつき合いくださり、ありがとうございました 何かの参考になれば幸いです
しっかりと読ませていただきました。
危機一髪、
悪徳業者の手にかからなくて
よかったですね。
それにしても、
お嬢様たちもしっかりしていますが、
お母様も立派でしたよ~。
わたくしが若しこの立場だったら、
こんな毅然とした態度取れたかしら・・・。
怖いですね。
あの手この手と
どうしてこんなことが思い浮かぶのかしらと
思うくらいのいろいろなことを考えて、
摩の手は忍び寄ってくるのですね。
気おつけなくてはいけませんね。
人の弱味に平気でつけ込む人がいるのは残念ですが、食うか食われるかのところで生きていたら、いろいろな悪知恵が浮かぶものかもしれませんね。自分がそういう環境にいないことを感謝しようと思いました。
でもね、そういう人にも家族がいるのでは?と思うと、そういうことで得たお金で家族を食べさせる気持ち、食べさせられる気持ち...どんななのかな?と思います。
シロアリ対策なんかもかなり怪しいよね。母に知らせねば。
お恥ずかしい限りなのですが、やはり情報は開示&共有しなければ、悪徳業者は排除できないと思いましてね。
okinaさんのところも母上がお一人になってしまいましたものね。どうぞ気をつけてさしあげてね。
そういう考え方もあるかもしれませんね。営業妨害になるでしょうか?
でも、82歳の母の抗戦に対し、あっさり引き下がり、その後も再訪がなかったところを見ると、やはり後ろ暗いところがあったのではないかと思います。
もし、私のこの記事が営業妨害だと当該業者(まだ現存していれば、の話ですが)が判断するなら、何かアクションがあることでしょう。10年近くが経つのに、未だにそういうことがないのも事実です。