「平和百人一首」とこのシリーズについての解説は、初回記事と2回目の記事をご参照ください。前回記事はこちらで見られます。
なお、かなづかいや句読点は原文のままとするので、読みづらい点はご了承ください。
平和百人一首
遠国の誰が装ふべき衣ならむ おさ持つ日日をさくら散りつぐ
香川県高松市 河西 きよ子
春の日のさくら散る午後、花見というような取立てての余暇はないが、静かに花の散るのを窓辺に眺めつつ働いている者の歌です。
輸出品の絹であれば、アメリカの、どこのどのような女性がこれを着るかは、知るよしもない。
けれども、自分はひとりたのしく心満ち足りて、紡績の仕事にはげんでいるという意味の歌です。
(きよ子)