「武士道の言葉」第四回 葉隠その一『祖国と青年』24年8月号掲載
戦争中の「葉隠」は、いわば光の中に置かれた発光体であったが、それがほんとうに光を放つのは闇の中だったのである。
(三島由紀夫『葉隠入門』)
今回から、『葉隠』の言葉を紹介する。
現代では、葉隠=武士道=死に狂いの思想、との誤解が蔓延しているが、葉隠は決してその様な単純なものではない。中々含蓄があり、サムライとして男らしく生 . . . 本文を読む
「武士道の言葉」第三回 宮本武蔵その二 『祖国と青年』24年6月号掲載分
兵法の道におゐて、心の持ちやうは、常の心に替る事なかれ。
(『五輪書』水の巻「兵法心持の事」)
武蔵は、兵法の道(戦いの時)に於ける心の持ち様は、日常生活の時と変わってはならない、と述べている。「平常心」という言葉があるが、平時も有事も一貫する心の有り方を強調する。その心とは、「常にも、兵法の時にも、少もかはらず . . . 本文を読む
昨年の『祖国と青年』4月号から、「武士道の言葉」と題して連載を行っている。第1回掲載分は、すでに紹介したが、それ以降のものは紹介していないので、これから紹介したいと思う。宮本武蔵が2回、葉隠が5回で、今は山鹿素行に入っている。実は、平成22年・23年の広島での日本の誇りセミナー(年5回)を武士道シリーズで行った為、10回分の講義資料があり、それらから選んでこの連載を行っている。今回は「宮本武蔵 その1」を紹介する。 . . . 本文を読む
本号より、「武士道の言葉 ますらをの道を求めて」と題して、毎月四つの言葉を紹介したい。日本人のアイデンティティーが強く求められる世相の下、今日では「武士道」に関する書物も多数出版され、とても喜ばしい事だと思っている。しかし、言葉は認識するだけではなく、魂に刻みつけ、自らの生き方、日々の行動へと昇華されなければ、「道」とは言えない。私は、大学生二年生だった昭和四十九年九月二十二日に、立派な人物になろうと志を立てて、生涯独学の道を歩み始めた。その時に指針としたのが「武士道」だった。高校時代に空手部に属していた私は、済々黌高校のモットーである文武両道・質実剛健・武士道に強く魅かれていた。又、テレビで見るサムライの姿の、強く正しい生き方にあこがれを抱いていた。爾来、様々な武士道の言葉を自らの糧として生きて来た。 . . . 本文を読む