第6回(令和5年6月27日)
「樹(き)を種(う)うる者は必ずその根を培い、徳を種うる者は必ずその心を養う。」 (『伝習録』上巻 116)
「樹木を植える者は必ずその根っ子を培養する。根が強く地に張ってこそ、茎や幹を支え、葉を茂らせ花を咲かせ実を生むのだ。その様に、人の根本とも言える心を充分に養う事によって徳は表れて来るのである。」
王陽明は比喩が上手い。ここでは、木の生長に譬えて、人間の学 . . . 本文を読む
第5回(令和5年6月23日)
「学は須(すべから)く己に反(かえ)るべし。若し徒に人を責むれば、只だ人の不是を見得るのみにして、自己の非を見ず。」 (『伝習録』下巻 45)
陽明学は「自反の学」とも言われ、「人間学」とも称される。それは、自分に内在する良知を完全に現す為に、普段の自己省察を求めているからである。この言葉は、人の欠点を見つけてはあげつらう門人に対する教戒として、王陽明が述べた言 . . . 本文を読む