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ケイシロウとトークアバウト

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ワンだふるパパ

2023-10-07 23:58:00 | 日記




今から11年前。

レフティにシンゴというダチがいた。
シンゴには、
万太郎という父親がいて、
過剰なほどの愛情で接してくれたという。

ある日、
公園で、
万太郎は犬🐶の着ぐるみ着ていた。
シンゴがおもちゃの骨を投げると、
「ワン🐶ワン🐶」鳴きながら、
四つん這いで走って骨をくわえて帰ってきた。
シンゴは大喜びで、
何度も何度も、
骨を投げると、
万太郎はその度に、
四つん這いで走って骨をくわえて帰ってきた。
マンション住まいで犬🐕が飼えないシンゴの為に、
万太郎は、
自身を犬に扮して、
シンゴを喜ばせるんやった。

この年、
シンゴは学校の成績が悪くて、
教師👩‍🏫が家庭訪問に来て、
母親に報告すると告げた。
シンゴは困って、
万太郎に相談した。
万太郎は、
シンゴの母にして妻のアミに、
コーヒーを入れた。
その際、
テキーラを混ぜて飲ましたので、
アミは泥酔😵‍💫して、
布団に横になり、
ド下手に福山雅治の『桜坂』を歌い続けた。
その隙に、
万太郎は厚化粧💄して、
かつらをかぶり、
アミのドレスを着て、
シンゴの母として、
担任教師を迎えた。
この担任教師は、
「ナンとなく不自然でした」とこの頃を述懐しながらも、
家庭訪問の目的は果たされたんやった。

翌年、
万太郎の会社が経営危機に陥り、
給与削減とボーナスの見送りを通達された。
この事実を、
万太郎とアミの会話から盗み聞きしたシンゴは、
正月のお年玉を諦めた。
けど、
万太郎が袈裟を着て、
錫杖と数珠📿を持って托鉢僧に扮して隣街を歩き回り、
そこから得たお布施から、
シンゴは無事にお年玉を得ることとなった。

月日が経った。

中学三年生のシンゴは、
高校受験で悩んでいたので、
万太郎はよく当たる占い師を教えてあげた。
その占い師は、
ローカル放送ながらも、
テレビに出演するほどの有名な占い師やったから、
シンゴは、
鑑定される時は、
凄まじく緊張🫨した。
とあるオフィスビルの一室で、
占い師は、
ぶっきらぼうに、
「あんた、ナニをしても成功するね。見た目もハンサムだから、いい彼女ができる。心が綺麗だから、良い友人に恵まれ、金銭運もいい!こんなにいいことづくめなのに、何しにこんなところに来るのさ!」と言った。
シンゴは、
ナニか信用出来なかった。
すると占い師は、
「校長室にゴムの蛇を置いて、先生から叱られたのはレフティだね」と言ったので、
シンゴはうれしくなって占い師を信頼して、
何度もお礼を言って帰った。
シンゴが帰ると、
すぐに、
奥部屋から万太郎が現れ、
一万円札を占い師に渡した。
占い師はそれを受け取り、
「好きだねえ!あんたは。けど、あの子は、なかなかのもんだよ」と言うと、
万太郎は満足げに頷いた。
こうして、
シンゴは高校受験の成功から、
数年後の大学受験まで成功して、
現在に至る。

そんなシンゴは、
数日前に、
レフティを公園に誘った。
そしてアイスキャンディー食いながら、
おもちゃの骨を投げ、
それを、
犬🐶の着ぐるみ着た万太郎が「ワン🐶ワン🐶」鳴いて、
四つん這いで走って骨をくわえて帰って来る様を見せた。
レフティは言った。
「お前の親父サイコー👍俺の親父は、死んでもこんなことしてくれない」、と。