線香花火

2011年11月02日 | 人生は旅である。



線香花火の切なさは、ぱっ、ぱっと散り行く火花にあるのでもなく。
消える間際のススキの形にあるわけでもない。

最後の最後に黒く赤くぐジュぐジュと煮えたぎる火の玉にこそ線香花火の切なさはある。

その球はバケツの水面に溶け落ちて、"ジュッ"と断末の音を立てて消え行く。

福島原発からは、まさにぐジュぐジュと煮えたぎる線香花火の断末に向かう音が聞こえてくる。

願わくば、バケツの水面に溶け落ちるようなことがないことを望むだけである。