さて、前回の続きであります。
和歌山県は海南市下津町戸坂(とさか)にございます、料理店「芳月(よしづき)」でいただいた”本当の鱧”レポート第2弾です。
「美味しい料理」に絶対的に必要なのは、「美味しい酒」ですね。
ここ、和歌山県海南市で代表的な地酒ブランドは、「黒牛」と「長久」です。
芳月さんでは、どちらも冷酒にてご提供いただけます。
黒牛は名手酒造さん、長久は中野BCさんが造られています。
黒牛はどちらかというとまったりとして包み込むようなお味。長久はスキッっとしたお味であります。
料理の味をお酒で洗うといった飲み方をするのであれば、長久の方がいいかも知れません。逆に料理に"当てて"お酒と料理を口の中で戦わせてそれを楽しむという楽しみ方なら黒牛のほうがいいかもしれません。って、両方ともいただいたということですが。
あ、酒素人の私の舌の感想ですから、ほんとは違うのかも。
さて、続いて出てまいりましたのは お吸い物 です。
はい、鱧のお吸い物です。湯引きにされた身と、素麺にした身。こちらも鱧の二面性を味わう一品であります。
つづいて出てまいりましたのが照り焼きでございます。
鱧といえば照り焼きですね。これぞ定番。どこでも食えるじゃん。と思ったそこのあなた!
「まだまだ若いな」
ふかふかの鱧の照り焼きって、私は始めて食べましたね。
炭焼きで焼いたカリッとしたこげの香ばしさにつづく歯ざわりが、とってもふかふかで口の中で溶けてしまうようです。
どのような処理をしたのかよくわかりませんが、多分骨きりを丁寧にすることによってこんな舌触りができるのではないかと推測します。
つづいて天ぷらです。ここで、再びふっかふっかな鱧を味わうことができます。
そうかそうか、、こんなにやわらかい鱧が食べられるんだ、と照り焼きとは別の視点から味わうことができます。
さて、料理も後半に入ってまいりまして、さっぱりと酢の物が出てまいりました。
鱧の刺身のタタいたのが、出汁の効いた酢のなかに静かにたたずんでいます。
ま、魚はすべて刺身で喰うべし、とは言わないですが、生で食するのはとりあえずその魚そのものを味わえます。そして、火を通して食すると料理人の手腕とともに魚のコクというものを味わうことができますね。
で、刺身の酢の物は、最小限の加工を施している、生でもなく、火を入れるでもなしの料理なのです。いわば素材の美味しさと、板前さんの技術を極めて高いレベルで純粋に味わうことができるのです。
今回いただいたコースはどれもこれも、びっくりの美味しい一品ばかりなのですが、実はこの酢の物がその中で最高のものだと私は感じました。
絶品中の絶品とでもいえましょうか。
さて、コースの山場を華やかに演出しますのが、鱧しゃぶ。
薄作りの身を"しゃぶっ"とやって味わい、グラスの冷酒をチョロっと口に含んで楽しむ。鱧しゃぶこそ酒飲みにはたまらない、至極の時間であります。
しかし、ここでも芳月の主人は「おどろき」を見せてくれます。
鍋の写真をごらんいただくと、まず見えますのが、豆腐ですね。しいたけも見えます。で、骨のようなものも見て取れると思います。
これがなんと、鱧のアラでございます。
仲居さん(実はこのおばさんが実に鱧に似た方なのですが)が「頭の後ろ辺りで実は鱧のなかでは一番美味しところなんですね。」と、さらっとおっしゃります。
今日このお店に来てから、旨い旨いといただいてきた鱧は本当の鱧ではなかった!
それは、ちょっと大げさですが、骨のままにすすると、ほどよくアブラが乗った身とコラーゲン質の舌触り。確かに味わったことの無い鱧をいただくことができるのです。
さーて、先ほどの鱧仲居さんが「ご飯の用意させていただいてよいですか?」
と聞いてきました。
私は「もうおなか一杯ですから、ご飯は無しでいいですか?」と答えます。
しかし、「少しだけですから、どうぞおあがりください。」
とおっしゃるのでいただくことにしました。
鱧茶漬け
お茶と、ご飯と、鱧のてりやき。 もう口の中がメリーゴーラウンドです。
ごめんなさい、ご飯いらないなんていって。このコースでこの鱧茶漬けで〆ないとそれは、罰当たりというものです。
さて、書いてまいりましたとおり、こちら 芳月 さんは本当の鱧をいただくことができます。
それは、単に美味しく料理された新鮮な鱧をいただけるというだけでなく、一皿一皿を通じて、「本当の鱧ってこんなに美味しいんですよ」という、店主からのあふれるメッセージを楽しめるということでもあります。
人生はメッセージを通じたインタラクションがその質を決めていく、とすれば、こちら芳月さんでいただいた料理は、間違いなく私の人生を高めてくれたのだと、ありがたく感じています。
本当の鱧 食べにいらっしゃいませんか?
和歌山県は海南市下津町戸坂(とさか)にございます、料理店「芳月(よしづき)」でいただいた”本当の鱧”レポート第2弾です。
「美味しい料理」に絶対的に必要なのは、「美味しい酒」ですね。
ここ、和歌山県海南市で代表的な地酒ブランドは、「黒牛」と「長久」です。
芳月さんでは、どちらも冷酒にてご提供いただけます。
黒牛は名手酒造さん、長久は中野BCさんが造られています。
黒牛はどちらかというとまったりとして包み込むようなお味。長久はスキッっとしたお味であります。
料理の味をお酒で洗うといった飲み方をするのであれば、長久の方がいいかも知れません。逆に料理に"当てて"お酒と料理を口の中で戦わせてそれを楽しむという楽しみ方なら黒牛のほうがいいかもしれません。って、両方ともいただいたということですが。
あ、酒素人の私の舌の感想ですから、ほんとは違うのかも。
さて、続いて出てまいりましたのは お吸い物 です。
はい、鱧のお吸い物です。湯引きにされた身と、素麺にした身。こちらも鱧の二面性を味わう一品であります。
つづいて出てまいりましたのが照り焼きでございます。
鱧といえば照り焼きですね。これぞ定番。どこでも食えるじゃん。と思ったそこのあなた!
「まだまだ若いな」
ふかふかの鱧の照り焼きって、私は始めて食べましたね。
炭焼きで焼いたカリッとしたこげの香ばしさにつづく歯ざわりが、とってもふかふかで口の中で溶けてしまうようです。
どのような処理をしたのかよくわかりませんが、多分骨きりを丁寧にすることによってこんな舌触りができるのではないかと推測します。
つづいて天ぷらです。ここで、再びふっかふっかな鱧を味わうことができます。
そうかそうか、、こんなにやわらかい鱧が食べられるんだ、と照り焼きとは別の視点から味わうことができます。
さて、料理も後半に入ってまいりまして、さっぱりと酢の物が出てまいりました。
鱧の刺身のタタいたのが、出汁の効いた酢のなかに静かにたたずんでいます。
ま、魚はすべて刺身で喰うべし、とは言わないですが、生で食するのはとりあえずその魚そのものを味わえます。そして、火を通して食すると料理人の手腕とともに魚のコクというものを味わうことができますね。
で、刺身の酢の物は、最小限の加工を施している、生でもなく、火を入れるでもなしの料理なのです。いわば素材の美味しさと、板前さんの技術を極めて高いレベルで純粋に味わうことができるのです。
今回いただいたコースはどれもこれも、びっくりの美味しい一品ばかりなのですが、実はこの酢の物がその中で最高のものだと私は感じました。
絶品中の絶品とでもいえましょうか。
さて、コースの山場を華やかに演出しますのが、鱧しゃぶ。
薄作りの身を"しゃぶっ"とやって味わい、グラスの冷酒をチョロっと口に含んで楽しむ。鱧しゃぶこそ酒飲みにはたまらない、至極の時間であります。
しかし、ここでも芳月の主人は「おどろき」を見せてくれます。
鍋の写真をごらんいただくと、まず見えますのが、豆腐ですね。しいたけも見えます。で、骨のようなものも見て取れると思います。
これがなんと、鱧のアラでございます。
仲居さん(実はこのおばさんが実に鱧に似た方なのですが)が「頭の後ろ辺りで実は鱧のなかでは一番美味しところなんですね。」と、さらっとおっしゃります。
今日このお店に来てから、旨い旨いといただいてきた鱧は本当の鱧ではなかった!
それは、ちょっと大げさですが、骨のままにすすると、ほどよくアブラが乗った身とコラーゲン質の舌触り。確かに味わったことの無い鱧をいただくことができるのです。
さーて、先ほどの鱧仲居さんが「ご飯の用意させていただいてよいですか?」
と聞いてきました。
私は「もうおなか一杯ですから、ご飯は無しでいいですか?」と答えます。
しかし、「少しだけですから、どうぞおあがりください。」
とおっしゃるのでいただくことにしました。
鱧茶漬け
お茶と、ご飯と、鱧のてりやき。 もう口の中がメリーゴーラウンドです。
ごめんなさい、ご飯いらないなんていって。このコースでこの鱧茶漬けで〆ないとそれは、罰当たりというものです。
さて、書いてまいりましたとおり、こちら 芳月 さんは本当の鱧をいただくことができます。
それは、単に美味しく料理された新鮮な鱧をいただけるというだけでなく、一皿一皿を通じて、「本当の鱧ってこんなに美味しいんですよ」という、店主からのあふれるメッセージを楽しめるということでもあります。
人生はメッセージを通じたインタラクションがその質を決めていく、とすれば、こちら芳月さんでいただいた料理は、間違いなく私の人生を高めてくれたのだと、ありがたく感じています。
本当の鱧 食べにいらっしゃいませんか?
芳月 (魚介料理・海鮮料理 / 加茂郷)★★★★★ 5.0