高校生の頃から通算すると、かれこれ35年位鉄道写真を撮っている私ですが。
鉄道というものは、人生を運んでいるものだと思うのであります。
非日常性へ、私を運んでくれるもの、と言っても良いでしょうか。
生活しているこの場所から、異なる場所へ私を運んでくれるのが、列車であります。
そこで、私が注目しているのが、列車に乗り込む人の日常なのです。日常の景色ともいいましょうか。
土地土地の風景(日常)の中に列車を置くことによって、その土地に住まう方々を乗せて他の場所(非日常)へ運んでいくという鉄道の役割を表現しようと考えているわけであります。
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「地下鉄路線の出口」という写真も、「ねぐらと仕事場」という異空間を結ぶ鉄道という機能を写真として切り取っていきたいためのものであります。
さて、今回ご紹介しますのが、和歌山県北部にあります、まことにのどかな漁村の風景です。
今日もはるかに見える、車両4両分ほどのトンネルとトンネルの間をオーシャンアロー号が通り過ぎてゆきます。列車に乗る旅人の目にはほんの一瞬の景色でありますが、そこに見える小さな集落にも多くの人生が今日も流れていくのであります。
人生を乗せた列車から、別の人生を見つめてみる。
それが、列車の旅の意義なのだと、私は思っています。
メーカー名 : RICOH
機種 : GR DIGITAL 2
露出時間 : 1/500秒
レンズF値 : F5.6
露出制御モード : プログラムAE
ISO感度 : 100