Truth Diary

硬派に

 還暦を機に、鮮やかな朱色の鮎用釣ベストにしたが、5年の歳月は、ベストの色をも、色褪せさせてしまい薄汚れたレンガのような色になってしまった。人生がたそがれなのだから、せめても、身にまとうものぐらいは軽快に決めたいと、今回黒いベストに代えた。その胸と背のエンブレムが「硬派」の刺繍入り。

 硬派といえば、3年間空手に明け暮れた高校時代を思い出す。50年前の話だ。腰に手ぬぐいこそ提げなかったが、真冬でも素足に高下駄、「忍」と書かれた部旗をひるがえし、後輩達を引き連れて空手衣で繁華街を闊歩した。今考えると若さと傍若無人そのもの、非常に恥ずかしい。返事は必ず「押忍(オスッ)」である。今年我が母校の空手道部も創立50周年を迎えようとしている。

 話は、脇道にそれたが、私の釣りは、本来の強いところでの引き釣りが専門、トロ場での泳がせ釣りはしたことがない。強い瀬での魅力は、なんと言っても大鮎とのやり取りにスリルがある。

 引き寄せのタイミングを外し、流れの強い瀬に乗られると、掛かった鮎のなすままに縦横無尽に走られ、川中を引き廻され、水苔で滑る石の上を転倒しないよう走り廻り、ようやく玉網に収めると、へとへとになっている。

 本日午後1時に広瀬川 に行って、3時間で6尾の釣果、この時期にしては満足だ。いずれも25センチ以上、アタリと引きは今だかってないほどの強さにしびれた。魚体は抱卵のためか、メタボ腹でずっしり重い。

 人生は、硬軟おり混ぜでないと波風が多いと感じている、今頃に。 晩節では遅すぎたか?

 *鮎釣りで言う「硬派」は釣具メーカーD社がのブランド名、流れの速い荒瀬で、剛竿(硬く反発力の強い釣竿)を使い大型の鮎を狙う釣りのこと

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