Truth Diary

広瀬川の活用策 清流に親しめる工夫を

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広瀬川の貸しボートが20年ぶりで再開されることになり、今日2日開業するという。ようやくここにきて広瀬川にスポットが当てられたかと、懐かしむ方も多いのではなかろうか。アスファルト道路とビルが林立する機能一辺倒の都心部の中で、貴重な水辺の憩いをもたらしてくれる清流広瀬川だが、青葉通り、定禅寺通りなどの、けやき並木ばかりが喧伝されている。

広瀬川は奥羽山脈の関山峠付近を源流とし、名取川と合流したのちに仙台湾に注ぎ込むまで、全経路が百万都市仙台市内だけで完結している稀な都市河川でありながら、大都市のど真ん中を流れる河川とは思いないような、豊かな自然の緑のなかを清らかなに流れ、高層ビル群と絶妙にマッチし、市民に憩いの場を提供してくれている。これこそ他県に誇るべき貴重な自然環境の存続の賜物ではないかと考える。

 鮎をはじめ、山女魚、ウグイ、カジカ、など清流を好む魚種が実に豊富に生息していることは釣り人以外には、案外知られていない。

都心部の河川の最大の難点は、遊びにいくための駐車スペースが無いことだ。ところどころの河川敷にスペースがあっても立ち入り禁止になっている。こうした場所を整備して無料でなくとも、駐車場として利用させれば、類まれな環境を保持しているこの川で遊べる人たちは確実に増えると思うのだが。

 その他に、遊魚者を確実に増やす方法としては、山女魚などの渓流魚をフライやルアーなどで釣ることができる専用区をもうけるとか、鮎の友釣り釣愛好者の一方的な暴論を承知で言わせてもらうと、コロガシ釣りを禁止する友釣専用区の拡大と、一網打尽という言葉があるように、大きなものから小さなものまで、すべて根こそぎ採るという投網漁などは、鮎の盛期が終わり、落ち鮎近くになってからすべき漁法と考える。一年魚である鮎は産卵後は川をくだり死んでしまうのだから、その時点であれば、すべてを簗漁のように採取してもなんら問題はないのだから。

 温泉などの観光地に隣接する鮎の河川では、市や町を挙げて、釣客誘致に熱心である。

仙台市では、いまや東北拠点としての不動の地位を確立しており、ことさら商業活性化のための新たな企画を展開しなくてもとの考えなのか、広瀬川を核とする新たな集客計画などないようだ。川の近くのホテルや旅館なども、客の川までの送り迎えなどをサービスすれば、遠来の釣り客だって気楽に、広瀬川での釣りを楽しむことができる。

 今後仙台市は杜の都のケヤキ並木ばかりでなく、全国に類をみない百万都市中心部の清流広瀬川の天賦の自然活用に力を入れてゆくべきであると考える。

 広瀬名取川漁業協同組合内部の先見的考えを持つ人たちは、全国に先駆けて、標識をつけた鮎を河川の各地点で放流して、放流した鮎の移動距離や成長度合いを調査したり、天然溯上鮎と人口放流鮎の見分け方を図示して、採取した釣り人の協力を得ながら天然鮎の溯上状況調査を試みたりしている。河川途中の堰堤によって溯上を阻まれている鮎を人力で移動させるなど地道な活動も続け天然資源の有効利用に取り組んでいる。

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 仙台市では広瀬川の」新たな魅力を発見してゆくという「広瀬川創生プラン」に取り組んでいるようだ、また、広瀬川への関心を高めてもらうため「広瀬川1万人プロジェクト」を毎年実施し、流域の一斉清掃活動など展開しているようだが、ホテルなど観光業、漁業協同組合、スポーツ用品などを巻き込んで、川を遊びの場所とした斬新な事業計画の創出を願って止まない。(本文は、8月2日付けで河北新報 持論時論に掲載されたものを再掲しております)

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