夢宵桜
夢色のドラマ
三月の誕生色は、楚々とした山桜の薄桃色だそうです。
昔から、花といえば桜。 そして、その桜は、
山桜のことをさしました。
江戸時代に品質改良されてできた染井吉野と違って、
葉と一緒に花を咲かせる山桜は、華やかさの中にも、
落ち着きを感じさせてくれます。
そんな山桜が、宵闇の中に浮かび上がる景色は、
幻想的な夢の世界です。
~蕾七日、咲いて七日、散って七日で、花二十日~
この間。人々は「今日は咲いたか」「明日は散るか」と、
そわそわして過ごします。
それでも、桜がなければいいとは、思えませんね。
そわそわや、わくわくがあるからこそ、
のどかな心もあるのです。
ほんのり心を染める二十日間のドラマに、あなたは、
どんな夢を重ねますか。
美人の日本語 山下景子より