りえ子のブログ

前小田原市議会議員田中利恵子です。
今後も子どもたち、高齢者、障がい者が大切にされる市政めざして頑張ってまいります。

市立病院の預かり金制度は廃止を

2012年02月13日 | *市*議*会*

小田市立病院における預かり金に関する調査特別委員会は総括質問が終わりました。私も委員の一人として出席しました。

 小田原市立病院の現金盗難事件は、市内外にさまざまな影響を与えたと思う。どのような盗難事件かといえば、市立病院を利用したときに、保険証を持っていない、会計が停止している等で、その場で会計処理が出来ない時に、5000円、10000円預かるという、いわゆるその預かり金を、保管していた金庫から盗んだという事件です。

 これまでに、元市立病院の医事課に勤務していた職員が、6万2千円を盗んだ容疑で逮捕され、その後警察での取調べの後に不起訴処分になっています。しかしそれ以外に240万円は未だに不明のままで、警察の捜査が続行されています。ぜひ事件の解明が一日も早くできるようにと思います。

 それにしても市立病院といったら、市民にとり、最も安心安全な場所でなくてはならないのに、このような事件が起こったことは、返す返す残念なことです。委員会では書類調査を行い、審議を尽くしてきたわけですが、私も疑問に思う点を逐一聞きながら、必要な資料の提出を求めてきました。

 そして始めから公金を扱うことへのあまりにもゆるい感覚や問題意識のなさにあきれました。なぜこのようなことがまかり通っていたのか、本を正さなければ、同じようなあやまちを繰り返すようなことになるという危惧を抱きました。

 そこで、私は総括質問で①問題意識の欠如という点について②今後の公金管理をどのようにするのか、この2点に絞って質問をしました。

 公立病院のある藤沢・厚木・大和のそれぞれの市では、過去に預かり金を実施したことがなく、三浦市立病院は早くから廃止(平成9年7月)し、次いで茅ヶ崎市立病院では平成12年10月に、平塚市民病院では平成18年1月に廃止されています。つまり他市では既に預かり金が廃止されているにもかかわらず、小田原市立病院は残していた。私にはこのこのことがはなはだ疑問でした。そこで、ここを指摘すると、アンテナをもっと高くしておけばよかった、問題意識が低かったという答弁がありました。

 夜間会計について、以前から設置する話しは出ていたというので、その経緯を聞くと、収支の関係?人件費などという答弁がありました。それから他にもっと問題意識がなかったのか確認すると、これといって何も出て来ない状況でした。夜間会計の設置は設置する側の思いも分かるが、まず第一に考えなくてはならないのが、市立病院を利用する側の立場であって、以前にはこの視点が欠けていたのだと思うのでした。(平成24年1月16日より、患者サービスの向上を図る等の理由により実施)

 私が委員会で請求した資料は、医療関係者が読む専門誌でしたが、そこに特別調査ということで、時間外外来における預かり金実態調査という特集が組まれていました。誰が見ても預かり金に関して、問題意識を抱かせる内容ではないかと思ったのです。この専門誌を我が市立病院では何冊か取って、回覧しているようなことを、委員会で質問した際に分かりました。ですからいろいろな場面で、問題意識を持つことができたのにと思い、ことごとく問題意識の欠如に嘆かわしいというか、同時に危機感を覚えるのでした。
 
 疑問や問題だと感じたら、それを出すことが出来ることが、問題を複雑にしたり、大きくしないことに繋がると思い、そのようなシステムがあるのかも聞くとあまりすっきりとした答弁はありませんでした。

 預かり金をはじめとした事務処理については、当然行なうべきだった簿内処理等も進み、今後は明朗で安全な公金管理に努めていくなどと答弁がありましたが、 本当にしごく当然のことで、ここはきちっと行なっていってもらいたと強く思います。

 総括質問では、他に責任が及ぶ職員の具体的な処分、外部監査の導入、業務委託会社との情報交換について、直接事件に関する、守衛室での鍵の受け渡しについて等など出されました。委員の多くから公金管理の甘さと、問題意識の低さが指摘されましたが、それはこの委員会の審議を通じて最も明らかになったところではないかと思いました。公金管理体制の甘さと職員の問題意識のなさは表裏一体だと思います。

 委員会で、預かり金は廃止する。警察の捜査に協力する。再発防止に職場ミィーティングの実施、保険で不足金を穴埋めするとの答弁がありました。今後は委員会の報告書についてとりまとめがあります。