気ままぶらぶら

世間の片隅に住む、おじーさんのブログです。 嫁とのバトル、絵手紙紹介、ランチの紹介などジャンルは無節操。

文庫本とカレーの妄想

2015年05月05日 | 食べ物はがき絵
● 嫁から久しぶりに書棚を整理するよう指令が出た。嫁が言う「整理」は=「捨てろ!」である。指令が出た以上どうあがらっても無駄。仕方なく処分する本の選別をしていると、一冊の文庫本が目に留まった。
「のぼうの城」
● 映画にもなり、本屋大賞二位に輝いた小説だ。天下統一の仕上げに北条氏・小田原攻めを行う秀吉。寵臣の石田三成に手柄を立てさせようと、秘密裡に降伏を約束していた、北条氏小田原城支城の「忍(おし)城」を二万の軍勢で攻めさせた。始めから石田三成軍が勝つと決まったいわば「出来レース」。
戦うことなく城は簡単に落ちるはずだったのだが、なにやかにやで両者一戦交えることになる。● 忍城勢を率いるのは、領民からの信頼厚い忍城・筆頭家老「のぼう様こと成田長親」。忍城勢三千に対し石田勢二万と勝敗は明らかに思えたが、勇猛果敢な忍城勢の反撃に、石田郡苦戦に陥る。予想外の展開に業を煮やした三成は、秀吉が高松城攻めで成功した「水攻め」を忍城に行なう。巨大な土手で城を囲み、川から引いた大量の水を流し込む。怒涛の勢いで流れ込んだ水は田畑を沈め、城の内部まで押し寄せる。さて忍城の命運はいかに?と、ここまで読み返したところで「ちょっと、この城が水に浸かって行くシーン」どこかで見たような記憶が・・・・。 しばらく頭の中で記憶をたどったが思い出せない。思い出せないものは仕方がないので頭の片隅にほっておいた。で、先日久しぶりに「壺焼きカレー・キートン」さんに立ち寄り、カレーを食べた。 
● キートンさんのカレーは、鉄の壷にグツグツと煮えたルウと円形の皿の中央に盛られたライスが別々に提供される。このライスと皿のドーナツ型の空間に、煮えたぎったルウを一気に流し込んだ時、思い出した! 
湯気を揚げながらみるみる黒いお皿を褐色に染めて行くカレールウ。皿の中央に浮いて見えるのは黄色のターメリックライス。その様は、まさに水攻めならぬ「カレー攻め」。カレーへの妄想が頭の中まで襲寄せて、またカレーが食べたくなった。