俺は、23歳
ある会社の営業をやってる
28日は一応仕事納め
取引先へのご挨拶周りで今年の
仕事はオシマイ
だが
俺は気が重い
・
取引先とトラブルが発生
そのお詫びをしに
今先方へ向かっている途中なのだ
取引先の部長 カンカンだろうなぁ~
あの部長、こわいなぁ~
なんて思うと
食欲も無くなるが
何か食べないと、
・
道沿いのセルフ食堂で
チャンポンと、ロングかつ
・
重い気持ちで、
麺を口に運んでいると
「相席いいですか?」
・
目を上げると
小太りの男性が、トレイを手に立っていた
「どうぞ」
ボックス席の向かいに座った男性
50代半ばくらいかな
父親と同じくらいの年
作業着のネームには
○○電設の名
へ~ 電気工事してるんだ
・
そのオジサンは
席に着くなり
トレイのご飯を食べ始めた
イカの煮物、鮭の焼いたの、冷奴
味噌汁、ご飯、水と、お茶
急ぐでもないし、遅くもない
小気味良い
テンポで口の中に納めていく
・
食べているオジサンの顔は
幸せそう
楽しそう
見ている、俺まで何かうれしくなってきた
・
俺は、
半分しか食べ切れずに残そうと思っていた
ロングかつを
「失礼ですが
僕もうお腹一杯なんです
良かったら食べていただけませんか?」
と
オジサンに言ってみた
・
「ありがとう」
「ごちそうになるよ」
と笑顔でこたえてくれた
・
席から立ち上る俺に
「ちょっとにいちゃん」
「お返しになんだけど」
「ガムでもかめよ」
「ほい おかしら付き」
・
オジサンが差し出した粒ガム
パッケージを開けたばかりで
開封のひもが付いていた
えへ
これがおかしら付きかぁ
なんだかうれしい
・
口に入れたガムは
何かいつもより
口の中ですーっとした
・
残り一日がんばりますか
・
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この話、「友達の友だちから聞いた話」を
私なりに、ショートストーリーに
してみました
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この一年、お付き合いいただきありがとうございました
今年の更新はこれで終わりと思います
皆様、良いお年をお迎え下さい
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来る、2008年もよろしくお願いいたします
tananobu