大阪人はほとんど皆阪神タイガースのファンのように思われているが、半世紀前にはそうした状況はあまり見られなかった。
というのも、TVで放送されるのはいつでも巨人の試合ばかりで、巨人の選手なら二戦級の選手でもTVにしょっちゅう顔を出して名前を覚えてもらえるけれど、それ以外のチームの選手は巨人戦で活躍しない限り覚えてもらえることはなかった。
また、少年がかぶる野球帽も、その9割は巨人の帽子しか売っていなくて、残りの1割くらいが地元のチーム、大阪だと阪神となってしまう。同じ大阪でも阪急とか近鉄の帽子は見たこともないほど。だから子供達がかぶる野球帽は大阪であってもほとんどが巨人の帽子だった。
余談だが、将棋の羽生名人は少年時代広島カープの赤い野球帽をかぶっていて、「恐怖の赤ヘル少年」と恐れられていたそうだが、彼は別に広島カープのファンでもなんでもなく、小柄なので見つけやすいようにと親が目立つ帽子をかぶらせたということだそうだ。東京で広島の帽子をかぶるのはきわめて少数派。当時は広島が強い時代だったけれども。
阪神がけっこう頑張っていたいた時代でも大阪ではそんなに阪神の帽子は売っていなかったし、阪急がリーグ優勝の常連になってもTVで阪急の選手が表に出てくる機会はほとんどなかった。
UHF放送が始まってサンTVが阪神中心の放送を始めてようやく阪神ファンが根づいたのではないかと思う。決定的だったのはハレー彗星がやって来た年に阪神が優勝してからかも。
ということで、僕の少年時代には野球好きの少年はいても、回りに阪神のファンを自称する者はほとんどいないなか、同級生のO君だけは熱烈な阪神ファンを名乗っていた。当然希少な阪神の野球帽をかぶっていた。
当時の阪神の有名選手と言えば村山とバッキーの二本柱の時代。ちなみに後に監督となる村山は池田市に住んでいたとかで、一度家を探しに行ったこともある。あいにく彼はいなかったのだが。
O君は学年途中で南隣の伊丹市に転居し転校してしまった。転校直後に新しい家の住所と地図が送られてきて、遊びに来るようにとのことでI君と一緒に行くことになった。
知らない場所に行くのに、下見をしないと気がすまない性格は昔から今も変わらず、約束の日の一週間前に自転車で家を探しに行った。彼からもらった地図と市販の地図を頼りに出かけて迷うことなく見つけることが出来た。
一週間後にI君と自転車で彼の家まで約束通りに出かけた。
転校したばかりと言うこともあって、まだ新しい環境に慣れていないということだったが、彼の家に行ったのはその一度限りになってしまった。
というのも、TVで放送されるのはいつでも巨人の試合ばかりで、巨人の選手なら二戦級の選手でもTVにしょっちゅう顔を出して名前を覚えてもらえるけれど、それ以外のチームの選手は巨人戦で活躍しない限り覚えてもらえることはなかった。
また、少年がかぶる野球帽も、その9割は巨人の帽子しか売っていなくて、残りの1割くらいが地元のチーム、大阪だと阪神となってしまう。同じ大阪でも阪急とか近鉄の帽子は見たこともないほど。だから子供達がかぶる野球帽は大阪であってもほとんどが巨人の帽子だった。
余談だが、将棋の羽生名人は少年時代広島カープの赤い野球帽をかぶっていて、「恐怖の赤ヘル少年」と恐れられていたそうだが、彼は別に広島カープのファンでもなんでもなく、小柄なので見つけやすいようにと親が目立つ帽子をかぶらせたということだそうだ。東京で広島の帽子をかぶるのはきわめて少数派。当時は広島が強い時代だったけれども。
阪神がけっこう頑張っていたいた時代でも大阪ではそんなに阪神の帽子は売っていなかったし、阪急がリーグ優勝の常連になってもTVで阪急の選手が表に出てくる機会はほとんどなかった。
UHF放送が始まってサンTVが阪神中心の放送を始めてようやく阪神ファンが根づいたのではないかと思う。決定的だったのはハレー彗星がやって来た年に阪神が優勝してからかも。
ということで、僕の少年時代には野球好きの少年はいても、回りに阪神のファンを自称する者はほとんどいないなか、同級生のO君だけは熱烈な阪神ファンを名乗っていた。当然希少な阪神の野球帽をかぶっていた。
当時の阪神の有名選手と言えば村山とバッキーの二本柱の時代。ちなみに後に監督となる村山は池田市に住んでいたとかで、一度家を探しに行ったこともある。あいにく彼はいなかったのだが。
O君は学年途中で南隣の伊丹市に転居し転校してしまった。転校直後に新しい家の住所と地図が送られてきて、遊びに来るようにとのことでI君と一緒に行くことになった。
知らない場所に行くのに、下見をしないと気がすまない性格は昔から今も変わらず、約束の日の一週間前に自転車で家を探しに行った。彼からもらった地図と市販の地図を頼りに出かけて迷うことなく見つけることが出来た。
一週間後にI君と自転車で彼の家まで約束通りに出かけた。
転校したばかりと言うこともあって、まだ新しい環境に慣れていないということだったが、彼の家に行ったのはその一度限りになってしまった。