
みかんの産地に住む従姉妹が、
「町会長さんが、レモンと夏みかんをくれるっていうんだけど、
とても食べきれないから断ったのよ。自家用だから無農薬でいいんだけどね」
って言うから、
「なぜ断る!今度そんなチャンスがあったら着払いでいいから送って!
貴重なんだよ?無農薬の柑橘系!」
と言ったら、
「本当にいいの?段ボール一杯だよ?」
と言うので、
「望むところだ!」
と言ったら、本当に段ボールいっぱいのレモンとみかんがきた。
「……」
実物を見ると、さすがに多いかも、と少々怯む。
ご近所にもらってもらい、母とぽんぽんに援軍要請。
「いいわよ」
「おう!」
二人ともこう言う作業は、基本的に嫌いではない。
そして、大鍋いっぱいのマーマレード、レモンシロップ、レモンのジン漬け、
塩レモン、レモンジュース、オレンジピール、レモンジャムなどが、二日がかりで大量に出来上がった。
最初のうちこそ、家中が柑橘系の素敵な匂いでいっぱいになって、
楽しくお喋りしながら、ちょっとお洒落な気分で楽しんでいたが、
何しろ量がすごいので、夕方にはみんな無口になり、
「マーマレードの仕上げと、レモンジュースは明日ね」
ようやく、保存食づくりというのは、趣味のお料理ではなく労働なのだと思い知った。
……しかも私は、あまりジャムが好きじゃない(大爆笑)