ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

11回目のピアノ発表会

2019-06-30 16:06:25 | art
これで多分、11 回目のピアノ発表会。

今回は4回目と5回目に弾いたシューマンの『子どもの情景』から、好きな曲を5曲選んでリトライした。
苦節5年半、ようやくなんとなく「弾ける」ようになった気がする。
今までは、楽譜に書いてあることをなんとか正しく音にするだけで一杯一杯だったけど(それだってできなかったけど)、今回は、ここのへんはこういう気分かなとか、ここはこの音を特別にきれいに出したいな、とかいう、ちょっとした自己主張ができるようになった。そうなったらなったで、またいきなりハードルが上がったというか、やることがやたらに増えて、
「なんかピアノ、頭疲れるなー」
みたいになって、ちょっとへこたれかけたけど、今日は弾いてても、ホールに音が伸びていくのがとても気持ち良くて、
「ああ、やってて良かったな」
と思った。
ただ、集中しすぎたのか、それとも集中力が切れたのか、ふっとどこを弾いているのか一瞬わからなくなったり、手がこわばったりして、何カ所か、あり得ない場所で間違えたりして、そこは残念。トロイメライはノーミスで弾きたかったなあ。
でも、舞台から降りて席に帰るときに、ピアノの先生が、
「すごく良かったですよ」
と声をかけてくれたり、終わった後も、先輩たちが、
「うまくなったねー!びっくりしたよ」
って言ってくれたり、
「私も次、シューマンにしようかな」
って言ってくれたり、みんなが(聖霊がw)とても褒めてくれたので、よし、また頑張っちゃおうかなと思った。

次の発表会までは、いつもよりも時間が2ヶ月ほど少ないので、譜読みに時間がかかる私としては新しい曲をやるのは厳しいので、これも2年くらい前に弾いたショパンの3番をもう一度弾くことにしていたんだけど、今日はベートーベンを弾く人が多くて、
「やっぱりベートーベンかっこいいよな。弾いてみたいな」
でもまあ、またのお楽しみってことでw
さて、死ぬまでにあと何曲くらい弾けるのかな。

打ち上げはイタリアン、昼ビールの美味しかったこと。
そして牛すじのトマトパスタも大変おいしかった。牛すじ、料理できるようになろう。

桃とお隣さん

2019-06-24 21:31:06 | 日々のこと
外出先から帰ってきたら、帽子を目深にかぶった、なにやら怪しげな人影が、うちの前をウロウロしている。
女性だ。
なんだか様子を伺うようにして、庭先に入ってくる。
誰だろう?ドキドキ。
手になにやら、飲料の入ったビニール袋を下げてる。
明◯乳業とか、ヤ◯ルトとかのセールスなのか?
いや、何かの宗教の勧誘だろうか。

とにかく湧き出る不安を聖霊に委ね、そっと近づいて見ると、
「あ、ぽんぽんのママ」
「あ、(お隣の)Aさん」

Aさんは、庭の植木鉢で育てている桃が、だんだん色づいてきたのが気になって、そっと覗きにきたのだそう。
「ずいぶん大きくなったよねー」
「うん、ちょっと重くなって枝がしなってきて、ここに頭をぶつける人が出てきて、どうしようかと思ってるとこです」
「バジルも大きくなったねえ。クンクンしていい?」
「いいっすよ、ってか、嗅いでないで少し持ってったら?大葉、要ります?」
「あー、嬉しい」
「ミントも山椒もあるよー。ローズマリーもお肉と炒めると美味しいよ」

一瞬とはいえ、不審者かと疑ったお詫びに、いろいろお持ち帰りいただいた。
でも何よりも、お隣で顔見知なんだから、もっと普通に入ってきて欲しい、Aさん……。




クリムト展

2019-06-21 16:23:32 | art
夕方、都美のクリムト展へ。今日は20時までなので。
正直、勝手に期待してたほどじゃなかった。
もっとどどーんっと、金色の大きな絵が並ぶのかと思っていた。
でも、ベートーヴェン・フリーズは見応えがあった。
金色の騎士がめちゃかっこよかった。
印象深かったのは、やっぱりメインのユディト。
「おお、ファム・ファタル」
とぽんぽんが呟いたので、お主やるなと思ったが、それよりも、クラーナハの展覧会の目玉でもあったユディトと同じ題材だと、イヤホンガイドに言われるまで気づかず。
「あ、本当だ、下の隅っこに生首!」
「え?サロメ?」
「違う違う」
今回の展覧会は4/29に行った新美のウィーン・モダン展(クリムト展としても、こっちの方がなんか迫力があった気がするんだよね)と、5/27のラファエル前派で仕入れた知識がずいぶん役にたった。
「ああ、あれがこうなって、こっちがこうで……」
と学んだことがまとまっていくのは嬉しいものだ。
うーん、やっぱりギュスターブ・モローも行きたかったな、って明日までかい!
しかし、どの展覧会に行っても、芸術家たちがいろいろな面で奔放なのにはびっくりする。
いろんな意味でエネルギッシュなんだろうなあ。

今回も着物でチャレンジ。
が、胸元がパカパカで大変着心地が悪かった。練習が必要ですな。

カバンが小さくて、チケット、くしゃくしゃにしちゃった。



持ち手のある水晶玉って珍しいなと思ってたけど、鏡だったとわ。

かき氷っぽい

2019-06-18 11:58:58 | 日々のこと



庭のアナベルが綺麗に咲いて、短めに切って花瓶にさしたら、なんだかかき氷みたいになった。

昨日、また(まただよ……)母と、家事やなんかのことでちょっともめたんだけど、一段落したら、
「ああ、母の言うことはもっともだ」
という気分になった。一種の敗北感だったけど、そこはすぐに赦して委ねたら、
「私のエゴが少し消えたな。よかったよかった」
と思えた。
夜、一緒に蕗を煮たり、さやえんどうを剥いたりして、穏やかな時間を過ごせた。
祝福ー!

走ることについて語る時に僕の語ること

2019-06-17 12:15:54 | 


なぜか周りにハルキストが多い。
どうも苦手なんだけど。
「エッセイも面白いよ!」
と言われて、何ヶ月か前に、三省堂で、
「走ることについて語る時に僕の語ること」
というエッセイを買ってみた。

「仕事を進めたかったら体力をつけろ!」
と整体の先生に言われていた時期で、ぱらっと開いたページに、
「書くために走っている」
というようなことが書いてあるの見て、
「そういうもんなんだろうかねえ」
と思ったのだ。

それにしてもタイトルがまだるっこしいぞ、と思ったら、あとがきに、レイモンド・カーヴァーという作家の短編小説、“What We Talk About When We Talk About Love”を原型にしたのだと書いてあった。村上さんの文は、日本語の骨格をわざと崩して、浮遊させる感じがああるような気がする。

エッセイを読んで、だいぶ村上さんに対する印象が変わったなあ。
足腰がすごく、しっかりしてるのね。