いわでぞただに

むかし、男、いかなりけることを思ひけるをりにかよめる、

思ふこといはでぞただにやみぬべきわれとひとしき人しなければ


100分で名著の伊勢物語の最終回を見ていたら、こんな歌が出てきた。

思ったことを誰かにわかってもらおうと思って言葉にしたところでどうなるだろう。
胸にしまっておくことだ。
私と同じように思い、感じる人はいないのだから。

しみじみと一人。
しみじみと自由。

天上天下唯我独尊、その一歩手前の、ひとりごと。
生きることの美しさを真剣に追い求めた男の、美しい孤独。

ルドン、ロートレック展

「あんた、ルドンは見たいって言ってたじゃない。
外出禁止とか自粛とかになっちゃったら見られないから、行ける時に行っときな」
「あ、そうだった！母さんも行く？」

ということで、ぽんぽんの予備校をサボって、ルドン、ロートレック展へ。
ここのところちょっとパンパンだったみたいだし、ちょうどいいだろう。


「ルドンは、黒が綺麗なんだよ。青もいいけど。
ここはあえて構図が狂ってるし、ここは輪郭が取れてないように見えるけど……」

と、ぽんぽんの解説付きで堪能。
ギフトショップでマーマレードを購入。これがまた美味しかった。

夜は、ハロウィーンに作りそびれたかぼちゃの丸ごとグラタン。
これは美味しいわ。

自己認識

最近、少し自分の趣味がわかってきたかな、なんて思っていて、夕食の時に着物の話になって、

「お母さん（おばあちゃん）の昔よく着てた縞の着物、似合うと思ってたんだけど、着てみたらなんかあんまり似合わなくて。お母さんのほうが、女っぽい顔立ちだからかなあ。私、狸顔だし」

「そうかしらねえ」

「それに割と渋めの紬とか好きなんだけど、なんか暗くなるんだよ。絹物とかの方がなんかしっくりくるんで、意外だったんだけど」

とかいってたら、ぽんぽんがなんだか呆れたような顔で、

「お母さんって、なんか、自己認識まちがってない？」

「へ？」

「あんまり、カチッとした硬いもの似合わないよ。柔らかい感じでデザインに直線があるものがいいと思う」

「うーん」

うーん、自分が何が好きで何が似合うのかとか、そういうことは別にそんなに大事なことでもないけれど、なんか、相変わらずぼよーんとしてるなあ、私、と思う。

どちらかといえば私の担当

ピアノのお稽古。
どうしてもリズムが取れない私に、またまたメトロノーム出動。
でも、合わない。
ずれまくる。

「先生、ダメです。
私の体内には、メトロノームは内蔵されてないんですよ」

と、嘆く私に、

「いやいや、そんなことは……」
と、気遣ってくれる先生。


次は打鍵の練習。
「掌と腕の重みを使って、手首で柔らかく跳ね上げて下さい」
と言われるも、跳ね上がらない。

「先生、ダメです。
私、手首も頭も心も硬いんですよ」

と嘆く私に、

「いやいや、そんなことは……」
全体的に柔らかい雰囲気の方だと思いますよ」


先生、ごめんなさい。
カウンセラーみたいになってる……。

呪術廻戦

自動録画で勝手に撮れてた『呪術廻戦』。
「あ、それおもしろいかも知んないから消さないで」
と、ぽんぽんに言われ、一緒に見てわりとハマった。

「原作、割り勘でどうでしょう」
と言われ、なんか載せられてんなあと思いながら、
「いいっすよ」
楽しみの少ない浪人生の心の糧になればという親心に感謝しろよ、
とか思ったが、読んでみたらこれがなかなか……。

五条先生、かっこいい。
七海さんも好きだし、釘崎ちゃん、可愛い。
そしてパンダもいい味出してる。
アニメも楽しみ^^