突然ですが
言葉(心の中の言葉を含む)を使わずに、「次の食事に何を食べるか」考えてみてください。
どうでしたか?できましたか?
そうなんです。人は言葉を使わないと考えることができません。
外に発する言葉の事を『外言語』
心の中の言葉を『内言語』といいます。
失語症とは脳の言語野に損傷を受け、言葉に関係する機能が低下します。
言葉が出にくい症状を見て、本人や家族は認知症と勘違いされる事がたくさんあります。
私(言語聴覚士)は「言葉の病気だから、認知症とは異なります」と説明します。
しかし、本人や家族は知能低下もあると感じています。
例えば、言葉が出ないのであれば、何を食べたいか絵に描けるはずでは?とペンを渡しても書けない人が多いです。
理由は失語症になると心の中の言葉も発する言葉と同じ症状が出て、思考に影響するからです。
言葉が出てこない症状がある人は思考が出てきません。
『りんご』を見て『みかん』と言ってしまう症状(錯語)の人は本当はりんごが食べたいのにみかんの事を考えてしまいます。
当然、混乱して自我が分からなくなってきます。
認知症とは質が異なりますが、表面的には似た状態になる事になります。
訓練をして失語症が改善すると思考も改善します。
この点も認知症と異なります。
思考は言葉を使って行われるので、言葉に問題があると思考に影響が及びます。
だから『使う言葉』『聴く言葉』は非常に大切です。
特に『使う言葉』は重要です。
なぜなら、使う言葉を一番聴くのは自分自身だからです。
自分を作っているのは自分が使っている言葉です。
疲れやすい人(疾患がない人で)は「疲れた」と言ってないですか?
忙しいと困ってる人は「忙しい」と言ってないですか?
脳は聴いた言葉通りの情報収集を自動で行います。
「疲れた」なら疲れている身心を探します。
「忙しい」なら忙しい状態を認知していきます。
起こっている状態が同じでも「することが多くてありがたい」と言えば、ありがたい事や感謝に関する事が集まってきます。
幸せとは幸せと感じることです。
つまり、「幸せだな」と言うことです。
すると幸せになっていきます。
『使う言葉』を大切にしてみて下さい😊