東京国立近代美術館の所蔵作品展「MOMATコレクション」です。(5月10日撮影)
会期:2014年4月15日(火)~6月1日(日)
1 ハイライトのコーナです。(4階) 鏑木清方と伊藤深水の師弟の作品が並んでいます。
会場光景の特徴として、女子高校生のグループが携帯やメモをもって、作品を見ていたことです。 前回(昨年の11月)来た時も、同じでした。
修学旅行の生徒にしては、人数が少ないし、美術クラブの生徒の課題研究などでしょうか。
伊東深水の作品に足が止まりました。 昭和25年の制作ですが、赤い服の若い女性は、現代の若い女性といっっても通用するような、容貌、ファッションです。
ハイライトコーナの裏側。 作品は見慣れたものばかりなので、早歩きです。
萩原碌山の「女」もMOMATとトーハクで何回か紹介しました。 今日は、背景がいつもと違うので写真に撮ってみました。
以下、MOMAT公式サイトからの引用です。
特集「何かがおこってるⅡ:1923、1945、そして」
2 地震の後で
1923年9月1日に起こった関東大震災は東京に壊滅的な被害を与えました。この未曾有の災厄に直面して、表現者たちはどのような行動に出たのでしょうか。十亀広太郎は都内各所を訪ねながら、火災で焼けた樹木や、倒壊した建物、被災者の暮らしぶりを丹念に描きとめました。写真による記録が様々な誌面の震災特集号に掲載される一方、画家はフィクションを介して写真とは異なる臨場感を表現しようと努めました。震災からの復興の過程では「新東京」と題した作品やシリーズが登場し、急速に近代都市へと変貌を遂げつつあった東京の「再生」が印象づけられます。「新東京」で描かれた対象には、百貨店、劇場、鉄道、ラジオ放送局など、人と物と情報が行き交う都市のメディアとしての機能に着目したものが少なくありません。そう考えると、雑誌や絵葉書から収集した出自の異なるイメージをモンタージュする古賀春江《海》の絵画空間も、新しく生まれ変わった都市の活力を映し出していると言えそうです。
河野通勢の屏風図、「新東京風俗図屏風」が面白い。
左端の絵
次のコーナは、「眠りの理由」 前回の特集時と、別の角度からの視点でタイトルをつけていますが、面白いですね。
中山岩太のムードのある写真。
瑛久のフォトグラム作品は、初めて見ました。
解説を読み、瑛久はインテリジェンスのある、かつ、アート感覚の高い芸術作家だと認識しました。
安倍 合成も初めて聞く名前でしたが、太宰治と親友だったのだ。 家族を見る眼が温かい。
次のテーマは「子供の国民化」 以下MOMAT公式サイトからの引用です。
「明治以降、子どもは国家が育成すべきであるという近代的な子ども観が浸透しました。さらに1920年代に発展した消費文化の成長とともに、家族の中での子どもの重要性が認識され、生活、教育、娯楽の隅々までいきわたる子ども文化が姿を現します。それが戦争の時代を迎えると、総力戦に向けた子どもの教化の手段に転じるのです。
1941年制作の国産アニメーション「動物となり組」は、40年に設けられた相互扶助的な地域組織「隣組」の意義をわかりやすく解説する教育的な内容になっています。岡本一平作詞の軽快な歌にあわせて、自警、防災を含む日常生活における助け合いの精神が提唱されますが、それが強力な国民統制の組織として機能したことも想像できます。また恩地孝四郎や北川民次ら美術家がかかわった絵本は、寓話の形式をとることで、日本の軍事行動への直接的な言及を避け、むしろ戦争を相対化する視点を提示しているようにも見えます。」
次のテーマは「5年間」以下引用です。
「1943(昭和18)年から1947(昭和22)年。1945(昭和20)年の敗戦をはさむこの5年間に、美術家たちは何を考え、どんな作品を作っていたのでしょう。この部屋では、ほぼ制作年順に作品を並べてご紹介します。
1943年5月、アリューシャン列島アッツ島で日本の守備隊が全滅した出来事は、負け戦でしたが新聞などで大々的に報じられました。勝利が続いた戦争初期とは異なり、国民の目にも戦況の悪化は明らかでした。やがて1944年後半、特別攻撃隊(特攻隊)の出撃と本土空襲がほぼ同時に始まります。画家たちが描いた「作戦記録画」、いわゆる戦争画は、当時の人々がよく知るこれらの主題を多く取り上げています。一方戦争画を描かなかった若い画家、松本竣介は、静まりかえった戦時下の東京や横浜の街を描きました。また版画家たちは日本版画奉公会を結成し、大画面の戦争画とは異なる小さく親しみのある形式で、彼らなりに戦争に関わる作品を制作しました。
そして1945年8月15日。空襲により壊滅した街で、美術家たちはそれぞれのやり方で活動を再開します。」
松本竣介のこの作品も以前に、紹介していますが、このムードは好きなので、また採りあげます。
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