本日もプラチナで宮緒葵さん『堕つればもろとも』
神の娘の証である黄金の髪を持つ受様は男でありながら天姫として崇められていた。
だが祖国を救い成り上がった将軍に嫁ぐことになる。その将軍は受様を得んが為、なり
あがった男で、一途な眼差しで縋りんがらも餓えた獣のように貪られた受様は…
剣奴からのし上がって将軍となった救国の英雄と
金髪故に天帝の愛娘と崇められる天姫の恋物語です{/heartss_pink/}
かつて地上の若者に恋をした天帝の娘は
地上に降り立ち国を起した夫とともに平安をもたらします。
それから数百年
天帝の娘は黄金の髪の皇族として生まれ変わり
此度黄金の髪をもって生まれたのが帝の第五子である受様でした。
受様は男の子でしたが
天帝の娘の生まれかわりである天姫として育てられますが
尊い身とされた天姫である受様は
崇められても身近に愛情を注ぐ者がおらず
寂しい思いを胸に秘めていました。
ある日
不浄とされる黒髪の少年をかばったた受様は
彼を「犬」として飼う事事で孤独から解放されますが
一年ほどでその犬が出奔、
受様は犬の存在を忘れることでその悲しみを消し去ります
それから10年、
天帝を畏れない北の国に攻められ帝は
国力の増強として出時を問わず兵を募ります。
その場で天姫である受様に
吸いつくような視線を向けていた男こそ
この男こそ今回の攻様です{/heartss_pink/}
攻様は2年程前に解放剣奴となり
諸国を渡り歩いて腕を磨いた男でした。
戦にて大躍進を遂げた攻様は
恩賞として受様を妻にと望んだ上
受様の犬だと言いながら夜毎激しく身体を求めます
攻様への憎悪を募らせた受様は
乳母の入手した眠薬を攻様に飲ませるのですが、
なんとそれは猛毒で
自らの死を悟った攻様は
受様の胸に渾身の一太刀を繰り出します
心中という言葉を浮かべた受様には
そのままくず折れるように意識を失いますが
次に受様が目を覚ましたのは
攻様に降嫁してから七日後の朝
死んだはずの受様は
未来の記憶をとどめたまま時を遡ってしまったのです
過去に戻った受様は未来を変えられるのか
宮緒さんのデビュー作は
プラチナ文庫小説大賞編集長特別賞受賞作{/heartss_pink/}
黄金の髪を持ったが故に
天帝の姫という高貴ではあるけれども
孤独な役目を与えられた受様と
受様を一途に慕うあまりに
将軍職までのし上る攻様のファンタジーになりますね。
天帝の娘という設定が
最初は単なる役目という感じでしたが
攻様によって命を奪われた時
時を遡ることでその力が発揮されます
そして時を遡った受様は
今まで自分が当たり前と思っていた物事と
攻様への態度を振りかえります。
そうして見えてきた新たな世界で
攻様と新たな関係を築いていくのですが
端々の展開では
ファンタジー要素に絡めて
結構ムリヤリな展開もありましたが
テンポよく最後まで読めました
攻様との関係の変遷も
Hシーン含めて1回目と2回目の
違いを楽しめるのは面白かったです