赤とんぼ
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◎ -8 Sep 2000 (Fri) 22:56:54-
「夕焼けこやけの赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か」
実家に行った。
車を降りて、ボッコをおんぶして荷物を持って行ったんだ。
とんぼの話や、田んぼと夕日の景色がきれいな家に住んでいることを話したら、
父が赤とんぼを歌ってくれた。
「ボッコちゃんがお母ちゃんの背中で見た田んぼや夕日、育った後も覚えてるから。」
「大切に育てるんだよ。」
また、ゆっくりと赤とんぼの歌を歌ってくれた。
「夕焼け小やけの赤とんぼ
負われて見たのはいつの日か」
帰るときに、「じゃあね!」と父の手をとったら、
父はその手を離さずに、帰らないでほしいと言った。
寂しそうな顔になっちゃった。
帰り道、車を運転しながら口ずさんだ。
パパとママのもとに暮らしていた自分を思いだしていた。
そのままの家族で続いたらいいのに。
・・・・・結婚して、家を出て、別の家庭を築いて、
歳をとった親と別れる。寂しいな。
娘も言ってたな。同じこと。
「ずっとこのままでいられたらいいのに。
かーちゃんと、とーちゃんと、はるたと、ボッコと。」
「おばあちゃんになっちゃうんでしょ?寂しいな。」
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この日記の少し後、父は施設に入所して、ちゃんとした会話ができなくなっちゃったんだ。
その次の年かな?
天国に行っちゃった。
この日記は、ここに家を建てて引っ越してすぐの頃、
実家に行った時のこと。
ボッコの小学校の宿題、2分の1成人式に親から子へのお手紙を書くのに、
小さい頃、どんなことがあったっけ~~と、
古い日記のファイル開いてたら、こんなのが出てきて・・・
すっかり忘れていた父の言葉だよ。
はい。大切に育ててますよ。