依然としてユーロ危機は去らないのでありますが、なにぶんややギリシャ等に付き、具体的情報に些か乏しいので判断付きかねるところもありますが、投稿者の理解したところから述べさせて頂きます。
イ)まず税制ですがユーロ諸国全般に言える様でありますが押しなべて法人税率が低く、ギリシャにおいても2007年に25%で有った物が現在20%になっておりこれは世界的な法人税率引き下げ競争の一環と思われます。
ロ)これは一般紙で見たものですが本日付け東京新聞によればギリシャでは”規制緩和”が進行し雇用した従業員は1年以内であれば保障なしに解雇できるようになったとの事でした。
また別の新聞によればタクシー免許が緩和され今まで20万ユーロ必要であったものが現在5千ユーロで取得可能になったとの事で借入金で免許を取得した運転手が怒っていたとの報道もありました。
上記から判断するならこれは先般日本で盛んであった”新自由主義ー新古典派”の”理論”に基づく”改革”路線上にあるものと言わねばならないでしょう。
イ)の法人税率引下げについては投稿者は何度も言っていますが典型的合成の誤謬であり全体的に見れば世界の公債の増加、ギリシャにとっても財政赤字が増大するだけでありましょう。
(因みに11月14日臨時増刊週間エコノミスト(毎日新聞)によれば2009年~2010年の世界の金融資産の増加率は5.6%でありこれは世界の先進国でのGDP成長率が極めて低水準である事から比較するなら実体を反映しない極めて危険な事態といわねばならないでありましょう。)
ロ)の規制緩和についてはそれがやはり以前にも書きましたが、それは一般的に”投資”を拡大するものではあっても”需要”は保障されない不均衡拡大路線であると言わねばならないでしょう。(タクシーの規制緩和が日本で行われた後、車は増加しましたが乗客は増えず逆に一般的不況も影響し減った旨の新聞報道もされています。
これらをもしIMF等が”指導”しているなら極めて憂慮すべき事態と思われ早急に是正すべきと思われます(当面の流動性の確保は臨時的対症療法になっても根治作にはならないと言うべきであり、これの認識がどうなるかは今後の中期的展望に大きな影響が出ると言うべきでありましょう)