経営法務研究室2023

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弁護士の探し方のいろいろについて

2018-01-07 | (法律)


 もともと、性質上誰でも良いという話ではないので、弁護士を探すことは、結構難しいことだとは思います。

 いくつかのパターンを説明します。

 どれが良い方法かを議論するのは意味なくて、要は、良い弁護士にあたるかどうか、まさに、そこが重要な結果論の世界です。

 なので、良い方法=良い弁護士ではない点に注意してください。

 とにかく探してみよう、弁護士をきちんと選びましょう、という趣旨の話です。



★きっかけはどうするか★

 ●紹介による方法●

 知人や税理士に弁護士を紹介してもらうのが、一番良い方法です。企業の方は、税理士紹介による弁護士が良いことが多いです。

 まずは、知人・税理士に依頼し、知っている弁護士を紹介してもらいましょう。

 紹介者に対しては、弁護士に直接聞けないことも聞ける点もメリットです。

 同種事件の処理を依頼した経験がある場合は、より信頼できる方法です。

 弁護士の費用面は、紹介者の立場や紹介者と弁護士の関係、当該弁護士の個別性もあるので、ケースバイケースとなります。


 ●法テラスによる方法●
 
 法テラスは、個人の方に限られますが、当該案件について、3回までは無料相談ができます。同じ弁護士でも違う弁護士でも3回に限られます。
 
 法テラスのシステムは、予約日・時間を予め決めて相談をするので、弁護士を選ぶことはできません。その日に、法テラスの相談を担当している弁護士に相談をすることになります。
 
 法テラスを利用する場合、法テラスの基準による弁護士費用を前提に、委任することになります。実際上、通常よりも安価で弁護士に依頼できることもメリットです。

 また、弁護士費用を一括で支払いができなくても、法テラスの立て替え制度を利用して、分割払いと同様の支払いができることもメリットです。

 弁護士を選べないことの裏返しではありますが、担当弁護士の能力、得意分野、また依頼者との相性においては、残念ながら、個々の弁護士で、差があることもあると言わざるを得ません。
 

 ●地元自治体の法律相談を利用する方法●
 お住まいの地元の自治体で、無料の法律相談を実施していることが多いと思いますので、これを利用するのも良いと思います。

 ただ、自治体の無料相談では、直接受任ができないこともあります。その場合、無料相談で特定の弁護士と相談した後、別途、当該弁護士の法律事務所へ、連絡をして、個別に依頼するためにご相談をすることになります。

 なお、自治体の無料相談を担当している弁護士は、一定の経験等があるからこそ、相談担当になっているので、一応比較的安心できる弁護士が多いです。あくまでも可能性の話ではありますが・・・

 弁護士の費用は、法テラスよりも高くなるのが通常ですが、事務所によっては、案件によって、同等の基準もありえます。


 ●インターネットによる方法●
 最近、インターネットによる検索で、弁護士を検索すると極めて多数の弁護士や法律事務所がヒットします。

 どの弁護士も、プロに依頼して、サイトを作成しているので、正直なところ、サイトの記載から弁護士の良し悪しを判断することは困難になっています。

 それでも、サイト等から、事務所の雰囲気等を判断し、法律相談をしてみるしかないのですが・・・・

 サイトが誘い文句中心よりは、情報発信をしているような事務所を選びましょう。




★弁護士の見方★

 注意点は以下のとおりです。羅列ですが、いろいろなファクターから弁護士を見定めてください。



 所属している法律事務所が大きくても、それだけで信用をしてはいけない。相談にいく事務所に複数の弁護士がいる場合、全員が同じクオリティということはありえない。若い弁護士ばかりの事務所には、注意が必要です。


 事件の処理・対応は弁護士によって差がでますが、意外と重要なのが、事務局の質です。事務局でも相応の対応ができているかどうかも重要です。事務局も手続等の経験があるのでよく知っているのが通常です。そこもチェックポイントです。


 弁護士に対しては、法律知識云々もさることながら、まずは、何でも話ができ、相談しやすそうな弁護士かどうかを、感覚的に選ぶことも大切です。


 話が的確かどうか、質問にきちんと答えていただけるかどうかを確認しましょう。


 法律問題は、難しいこともあるので、一般論としては説明できても、当該事情のもとで、すぐ回答できない場合もあります。調べないとわからないというスタンスをきちんと明示できる弁護士は信用できます。
 (典型ならばともかく、そうでないケースで、上記対応がないと大丈夫かな?と同業でも思ってしまいます。そもそも、問題に気が付かない弁護士もいると思うので。。。)


 相談する分野に関して、当該弁護士が執筆しているものがあるのであれば、それは信用がおけますが、共著でもある程度は良いかかもしれません。


 弁護士費用が適正であるかどうかも確認が必要です。旧弁護士会の報酬規程を大きく超えるものは、問題です。見積書、請求書、契約書をきちんと行う弁護士が通常ですので、その点もチェックしましょう。

 (現在は、弁護士会で、預り金口座を開設するのがルールになっています。預り金口座でお金を管理していない弁護士はいないと思いますが、まずい弁護士は、こうした点をおろそかにしています。)


 連絡がとれる弁護士であることが望ましいです。できれば携帯連絡が取れる弁護士が望ましいです。

 
 内容にもよるとは思いますが、いろいろな意味では、やはり懲戒処分歴のない弁護士であるかどうかも確認しましょう。これは聞かなくても、ネット上でも確認できます。


 弁護士としての経験を聴く人がいますが、少しは関係があっても、法律家として3年から5年の経験があればもう十分です。何年経っても、ダメな弁護士はダメなので。こだわり過ぎないことが重要です。


 事案の概要を聴いて、ある程度、案件の見通しや流れを初回の法律相談時に回答してくれるような弁護士を選びましょう。


 調査や研究を怠らない弁護士が望ましいです。実際、筋の良い人は、数件適切にやれば、その分野はある程度対応できるようになってしまいます。これは初期であればあるほど、都度密に調べて業務を行うのが通常だからです。いわば基本部分から最新情報を都度確認してからやっているようなものなので、伸び率はすごいです。

 1年目であろが、10年目であろうが、20年目であろうが、法廷では、プロ同士なので、経験年数など全く関係ありません。


 あと、出身大学で弁護士を選ぶという視点もあるかと思いますが、少子化の流れで、もはや一浪で大学に入る人は少数派であり、増えた定員のまま今に至っているような状況なので、難関大学が昔ほど難関ではなくなっているようなイメージがあり、大学のラベルもあてになりません。
 しかも、難関大学に入られた方が法曹を目指すかというと、法曹界は不人気な状況になってしまいました。出身大学は、参考程度にとどめておくのが良いです。


 最後に、かなり重要なのがマインドです。弁護士になっている人は、多かれ少なかれ、人を助けることにやりがいを感じている方です(と私は思っています。)。なので、本当に、その人や会社のことをどこまで考えているかという点も重要なのです。
 このあたりも、話した間隔から読み取るしかなのですが・・・



 いろいろなタイプの弁護士がいますから、相談される方との相性もあるとは思います。弁護士は、きちんと選びましょうね。



 なお、私ごとですが、事務所にご相談に来られた方には、いろいろアドバイスをしており、他の弁護士や相談機関を紹介することもあります。
 
 距離的なことや内容的なこととかでお受けできないこともあるので・・・・・


 




 
 


 


 
    





 


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