よみがえるケインズ

ケインズの一般理論を基に日本の現代資本主義を読み解いています。
カテゴリーが多岐に渡りすぎて整理を検討中。

60:第5編 貨幣賃金と物価:「価格破壊」のナンセンス。賃金が下がって商品価格が下がって需要は刺激されるのか?

2021年02月19日 | 一般理論を読む
賃金と物価に関係はあるのか???
  
 第5編 貨幣賃金と物価 に入る。

 第5編は、労働組合関係者にもっと読まれてしかるべき箇所である。賃金と物価の関係について一般理論は何を主張しているのだろうか。労働組合の言う「所得政策」や「逆所得政策」は理論的に成り立つのだろうか?そもそも問題の立て方が間違っているのだろうか?

 実は、賃金と物価はケインズにとって周辺的な問題であった。周辺的というより、あるものの二つの結果に過ぎないということである。ケインズは、ここで再考しているが賃金と物価に関する「常識」も再検討を迫られる。今までと違って結構難解である。

 一般理論が難解と思われるのはいくつかの理由がある。

①理論の全面展開前に、そこまでの議論で古典派を批判しているところ。
②そもそも理論が古典派のような「壮麗な論理構造」を持っていないところ。これは何回が触れたが、ケインズが分析哲学の徒であるから。だから①のようにもなる。
③易しくしようとして、かえって難読になっているところ。これも分析哲学の手法で「あれやこれや」と考えるのである。しかし経済体系に万古不変の真理などはない。
④これが一番大きいが、常識に挑戦しているところ。

 この編は、常識を破壊するので「難解」なのだ。

 次に進む前に、

●価格破壊によって需要は拡大するのか?

●物価が上がると賃金はどうなるのか? ⇔ 賃金が上がると物価は上がるのか?

●逆に、物価が下がると賃金はどうなるのか? ⇔ 賃金が下がると物価は下がるのか?

  皆さんは、どのように考えておられるのだろうか?

 

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