タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 国道沿いの若木(2) ≫

P1010200P1010210 上茶路から釧勝峠までの間で、オニグルミとヤチダモに次いで、道路沿いで多く見かけたのは、ハシドイとイヌエンジュだった。
 ハシドイは、ドスナラともいい、少年の頃から、両親がそう呼んでいたので、ハシドイという名称は、昭和45年に釧路に来てから知った。釧路管内では今が花時で、円錐花序に黄白色の多数の花をつけるので、山中でひときわ目立っている。あまり大木にならないし、樹形もよいので、大木になるアカダモやイタヤカエデより、街路樹に適しているのではないだろうか。街路樹として街中に植えられたイタヤカエデは、秋の黄葉が美しくならない。ハシドイは、樹皮がエゾヤマザクラとそっくりで、花期を過ぎると、遠目では見間違えることがある。
 イヌエンジュは、ただエンジュと呼ばれることもあるが、エンジュとは別種である。他の樹木より芽吹きが遅く、新葉が銀白色なので、他樹の新緑の中で独特の趣を醸し出す。花は、ハシドイより一月遅く、平たい豆果がつく。木質が緻密で、年輪と淡緑褐色の樹皮が美しいため、道東の観光地では、イヌエンジュを用いて、小動物・鳥類の彫刻品が作られ、土産品として販売されている。木質がよい上に、エンジュという名称が、エンギ(縁起)がよい語感を持つためだろうか、土産品の他に、床柱として加工され、珍重されるが、残念ながら大木にはならない。

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