タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

生態系を脅かすヤマメ・ニジマス自然交雑種

<ヤマメ・ニジマス交雑種と河川残留型ヤマメ>

 北海道内の河川や湖沼には、24 種の国外外来種と12 種の国内外来種の魚(5月 30 日付『北海道新聞』夕刊・第 30 面参照)が移入され、結果として北海道本来の生物多様性が脅かされている。
 科学的な調査がきわめて少ない中で、最近、千歳川水系においてヨーロッパ原産のブラウントラウトが在来種のアメマスより優勢になっている実態が明らかになり、とりわけ雌のアメマスと雄のブラウントラウトから産まれる、繁殖力の弱い交雑種の増加が生態系に及ぼす悪影響が懸念される。
 北海道東部の河川では、北アメリカ原産のニジマスの存在が大きな問題。上掲画像は、4月 25 日に釧路川水系徹別川で釣り上げた、陸封型ヤマメ(雄)とヤマメ・ニジマス自然交雑種である。この交雑種は、主としてサクラマス雌雄の放卵・放精中に雄のニジマスが割り込んで放精することで生じる。産まれた F 1 及び次世代の F 2 の極端な繁殖力の弱さは、雌親となるサクラマスの側に個体数減少というマイナスの付加をかけることになる。
 単なるレジャー資源、あるいは観光資源としてニジマスを放流し、生態系を破壊する愚を犯してはならない。移入を断固禁止すべきである。
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