入居者思いで、所有する賃貸物件も抜かりなくお手入れしてくださる当社管理の大家さん。
いつも当社に寄って頂く時にはスタッフ達にも平等に接してくださり、人一倍気を使ってくださる・・・時には相談に乗って頂いたり、助言を頂いたり・・・家族思いで、当社のスタッフにとっても、まるでお父さんのような大家さん。
その大家さんが先日、体調を崩し・・・検査を受けた結果、何もしなければ余命5年と言われてしまったとの事。
動揺を見せる事もなく・・・静かに淡々と話す大家さんですが、そんな大家さんと会話をしながら、私は込み上げてくる涙を隠す事が出来なかった。
泣きたいのは大家さんの方だったに違いないはずなのに・・・。
『二度と大家さんの前で涙を見せてはいけない』と私は心に誓いました。
今日も外出の帰りに大家さんが寄ってくれました。
最近、身辺を整理するかのように体調が許す限り、気になることを片付けようとしている様子。
じっとしているよりも、気持ちが紛れるのかもしれない・・・。
将来に向けて、いくつもの考えを口にした大家さん。
静かに話しながら・・・きっと、家族の事や今まで苦労されたこと等・・・いろいろな思いが過ぎったのだと思います。
急に言葉を詰まらせ・・・声をあげて涙を流す大家さんに、返す言葉が出なかった・・・。
今は、きっと何の声掛けも気休めにもならない気がした。
見ているのが辛かった。
皮肉にも、どうしてこんなにいい人が苦しい思いをしなければならないのか・・・。
ずる賢く生きている人が、いつまでも元気で過ごしているというのに・・・。
『やっぱり神様なんていない・・・。』と、つくづく思ってしまう。
医学が発達している世の中だから、元気になれる人は沢山いらっしゃるのだから、一人で頑張り過ぎずに、無理せず・・・慌てず・・・ゆっくりと生きてほしいと祈っています。
気丈な大家さんだから、きっと家族の前で涙は流さない・・・流せないかもしれません。
でも、まだまだ老後を楽しめるはずですから・・・今まで頑張って来られた分を、これから先は、ゆっくり歩いてほしいと思っています。
大家さんの為に、大家さんに喜んでもらえることをしてあげたいと思う。
でも・・・こんな時、何をしてあげる事が一番なのか浮かばず、考えるだけで泣けてしまう自分が情けなくて仕方が無い・・・。
私には、とにかく大家さんの意向に沿った事を、大家さんに満足して頂けるようにやっていく事しか出来ないのでしょうか?
何かしてあげられること・・・。
いつも考えて・・・頭から離れません。