みそ汁はたまご入り

群馬の山奥・通称ムーミン谷に住んでいる プライベーターラリーストのライブログ

私的(わたくしてき)アンチラグ考察

2010-06-12 11:08:12 | MOTEC・LINK・GEMS・ECU

P1

最近ブログの内容が手抜きだ

内容が薄っぺらい

と批判がおおいです・・・

書きたいことは山ほど有るけど中々書く時間が取れないんです

と言うわけで先日アンチラグについての問い合わせを頂きまして

それに対しての返信を書いたのですが書いていて自分でも

面白い内容だと思ったので良い機会ですから公開させて頂きます。

これはあくまで自分の実体験を元に仮定した考察なので

何の根拠も確証も有りません。

あくまで私的(わたくし)な考え方ですので

一参考意見程度に読んで頂けると幸いです。

以下ご質問頂いたラリドラさんに許可を得て転記させて頂きました。

ご質問頂いた件のご返事です。
きちんとご説明するにはかなりのボリュームになりますので
簡略にご説明させてきますのでご不明な点は遠慮無く再度ご質問下さい。

> 1.インタークーラースプレースイッチで2段階にアンチラグ

>の調整をしています
> が,1段目と2段目の使い分けは実戦ではされて

>いるのでしょうか?

1段目(常時点灯)の方がアンチラグの効きが弱く
2段目(点滅)の方が効きを強くしてあります。

使い分けは人それぞれです。
1段目を強くしておいて走りづらければ1回スイッチを押せば
弱くなるので2段目を弱くする人もいます。

一応私の意図は1段目はターマックやウェット用
2段目はダートのドライ用を想定しました。

ターマックではアンチラグを強く効かすと非常に乗りづらくなるので
弱くする人が多いです。

ウェット路面もそうですが、アクセルコントロール(パーシャル)を
使うタイプのドライバーはアンチラグは向きません。
ターマックやウェット路面はパーシャルを使った方が早く走れる場合が
多いので弱めにセットして

ダートのドライはアクセルのパーシャルはあまり使わないので
効きを強くしても走れると想定してあります。
ダートのドライでもヘアピンの連続するコースなどでは
パーシャルを使うので効きが弱い方がタイムが出る事の方が多いです。

この辺りはお好みでいくらでも変更出来ます。

> 2.アクセルオフでアンチラグが効いたとき

>(バックファイアーが起きたとき),ブーストは負圧に

>なっていますが,これはマスターバックを安定的に

>効かすための措置で,これを正圧にするためには,

>マスターバックレスが前提となるのでしょうか?

その通りです。マスターバック付きなのでブレーキが効かなくな
る手前のセットになっています。

通常はマスターバック付きで乗られている方は、負圧が無くなることで

ブレーキのブースター効果が無くなりブレーキが

効かなくなるのをいやがるのでこの程度のアンチラグの効きにしています。
ですが、もっとアンチラグを効かせたいと言うことであればお好みまで
効かせますので遠慮無く言って下さい。

> 3.アクセルオフでブーストが正圧にならないのであれば,

>あえてインタークーラー スプレースイッチを作動させないで

>走行しても同じ程度のパフォーマンスは得られ るのでしょうか?

2のご質問とも共通していますが、ここの説明が非常に難しく、かつノウハウの
部分も有りますので、上手く説明出来るか判りませんがご説明させて頂きます。

まず、イメージとしていわゆる従来のパーン、パーンという音と
そして今の仕様のパパパン、ボボボという音の違いが

アンチラグの制御の違いと思って下さい。

アンチラグの歴史はミスファイヤリングシステムから始まりました。
意図的にミスファイヤさせることによってタービンを回して
ターボラグを無くそうというのが始まりです。

アンチラグとはその名の通りターボラグを無くす事が目的のシステムの事です。

初期はパーンパーンとミスファイヤさせることでブーストを維持させる事が
ターボラグを無くす方法だと考えられてきました。

これを私はアンチラグ第一世代と呼んでいます。

その後開発が進むにつれ二次エアーシステムという物が考えられました。
代表的なのはランサーの二次エアパイバスバルブです。
エキマニ内に直接エアーを送り込む事でより積極的にエキマニ内で燃焼させ
ターボラグを無くそうと考えられました。

これをアンチラグ第2世代と呼んでいます。

そしてこの頃からブーストを維持させるでは無く、
タービンを積極的に回そうとする考え方になってきました。

ブーストを維持していてもそこからのブーストの立ち上がりが
遅ければ結局はターボラグを無くすことは出来ません。

例えばアンチラグを使わなくても左足を踏んでいればブーストを維持出来ますが
そこから立ち上がりで左足を話してもブーストを維持している分では
立ち上がりますが、ブーストの立ち上がりはアンチラグシステムの立ち上がり
にはかないません。

最近の考え方はブーストの維持が目的では無くタービンを積極的に回そうと
するのが目的です。
それがパーンパーンからパパパ、ボボボへの音の変化です。

1発1発を大きく爆発させたほうがブーストの維持が出来ますが
回転落ちも速いです。

それよりも小さくても細かく爆発させてタービンを常に回して
助走を付けさせたほうがターボラグを少なくする効果が有るからです。

ここでタービンを回すと言うことはブーストが掛かる!
すなわちブーストも維持するはずだ!と思われると思います。

確かにタービンを常に回していればブーストは維持されます。

ただアンチラグシステムは諸刃の剣なので、効きを強くすればするほど
エンジン&タービン&駆動系&クーリング全てに負担が掛かります。

スロットルを開けてエアーを常に送り込む方法に
変わってからはスロットルを大きく開ければブーストも維持しますし
アンチラグも強く効きます。

ただそのまま乗っていれば、すぐに車が壊れてしまいます。

そこで考え出された方法があります。

これは自分でそう呼んでいるだけですがORBシステムと呼んでいます。

MOTECではアンチラグシステムの事をORB(オーバーランブースト)と
呼んでいます。

まさしくブーストを先走りさせるのが、最もターボラグを無くすには
効果的だと思います。(現時点では、この先さらに進化する可能性有ります)

●●●●を○○●にしたときにアンチラグを効かせるのでは無く
●●●●を○●●にしたときに一気にタービンを回してブーストを先走り
させられれば車の負担は少なくかつ効果的にターボラグをなくせるはずです。

但しこのORBシステムを効果的に使おうとするとパーシャルがほとんど
使えなくなってしまい、●●●●は○●●か○●●かのスイッチになってしまいま
す。ですのでかなりドライバーに慣れが必要です。

もちろんパーシャルを使えるようにセットしてもこのシステムの方が
断然ターボラグが少ないのは実証済みです。

ラリドラさんのセットもORBシステムでセットしてありますので
スイッチをオンして走った方がターボラグは少ないはずです。

ここまでがかなり抽象的は説明でしたがお判り頂けましたでしょうか?

もしアンチラグを強く効かせたのであればインコネルを

お奨めします。

インコネルは重くてブーストの立ち上がりは遅いですが
強くて柔軟性もあるのでアンチラグを強く効かせても
耐久性に優れます(壊れないわけでは有りません)

アンチラグを強く効かせればタービンの重さは補えるという考え方です。

チタンタービンやマグタービンの軽いタービンでアンチラグを強く効かせるのが
最も理想ですが、壊れてしまっては意味がありません。

スロットルを大きく開くとタービンだけではなくエンジンにも

非常に負担が来るのでスロットルを大きく開くのは

お奨めしませんが・・・。

> 今回セッティングしていただいたエボⅨに乗って最初に

>感じたのは,実はアクセル OFFでブーストが落ちて

>いるにもかかわらず,アクセルONにしたときの

>ブーストの立 ち上がりが異常に速い!ということでした。

そうなんです!まさしくそれがアンチラグの目的なんです!!

> これまでは,アクセルOFFでアンチラグを効かせて

>ブーストを正圧にしてアクセルON の時のブーストの

>立ち上がりを速くするという常識に捉われていたために

>この状況 が理解できませんでしたが,☆のさんの

>説明を伺って理解できました。

それと、アンチラグの事で第3世代アンチラグの事を書き忘れたので
参考までにご説明させて頂きます。

今はベース車両の電スロ化(エボ10&GRB)による
より効果的なアンチラグ(ORB)が最先端だと
思います。

自分はこれを第2,5世代のアンチラグ(ORB)と言っています。

第3世代は電スロ(DBW)や可変バルタイ、可変バルブリフト

など電子制御をより有効に利用した
新しいアンチラグ(ORB)が開発されています。

このシステムを上手く使えば市販車にも使えると思います。
従来のアンチラグはモータースポーツ限定の技術でしたが
新しいシステムは安全に効果を発揮出来ますからね!

詳しいことはここでは書けませんが、

もしかなり近い将来、アンチラグの音をさせずに走って来るのに

速いラリー車がいたらそれは第3世代のアンチラグで

制御されている車だと思います。