妖精のお花畑は
さあ
大変なことになっていました
次から次へと色んな風が吹き
とても妖精1人ではこのお花畑を管理できなくなってしまっていました。
太陽の妖精がやってきて
僕なら何とかできるよと言いました。
彼は強烈な陽の光で
お花畑を包みました。
「お願いがある。僕は意地悪な風や悪い虫たちを寄せ付けないが強すぎる光は花に負担だ。君の水を呼ぶ力を貸してくれないか。」
妖精は
日の光の輪の中に包まれたお花畑の中に入り
目を閉じて
雲を呼び月の満ち引きの力を借りて
雨を花たちに霧のように与えました
虹が現れ
妖精のお花畑は
虹の園になりました。
妖精は泣きました
ずっと1人で守ってきたこのお花畑。
それが風で吹き飛ばされたり
虫たちに葉を食い荒らされたりして
ほとほと疲れ切っていたのです
太陽の妖精にお願いしてしまうと
それはもうやめられないということを意味します。
太陽の力はそれほど豊かで強く
一度花たちがその、恩恵を受けてしまうと
仄かな光や風や水だけでは
お花たちは育たなくなるのです。
その辺のところをいいのかなぁと迷っていた妖精に
太陽の妖精が笑って言いました
成り行きでその時その時
一番いい方法でお花畑を守ればいいと思うよ。
そうだなあ。そのとおりだなあ。
妖精はうなずきました。
一番私が守りたいのはこのお花畑。
おひさまの力も必要だもの。
虹の花園になるのならそれでもいいのよね
ここが私一人のものである必要なんかないのよ
大切なのはお花たちなのよねえ。
誰のものだとか
どうしたら人の花園より美しくできるかなんて不毛だわ
私は私のお花畑を大切に育てればいいのよね。
そう妖精はつぶやきました。
大切なことは何かしら
それさえ見失わなかったら大丈夫なのよねえ
さあ
そろそろ
夏のお花畑。
おひさまの力に守られたお花畑は
よく見ると虹が現れているかもしれません
心の目で見てみれば
そんな虹が見えるはず(笑)