吉本ばなな:自選選集2、Love
白河夜船の書評:1.一読して言葉の魔術師と感じました。同じような情景や心理の際に、種々の違った言い回しで表現しています。語彙の豊富さに圧倒されました。どのようにして蓄えたのか・・。学習か、読書量か、感性か、
吉本ばなな:自選選集2、Love
白河夜船の書評:1.一読して言葉の魔術師と感じました。同じような情景や心理の際に、種々の違った言い回しで表現しています。語彙の豊富さに圧倒されました。どのようにして蓄えたのか・・。学習か、読書量か、感性か、
今日は。
東京は、このところ低温室に閉じ込められたようで、電気ストーブを脇に従え、キーを叩いています。柚子を刻んで入れた大根と夏蜜柑を口に運び、風邪を引かないようにビタミンCを摂取しています。白梅も満開で、紅梅の蕾も準備をしています。
小説が頭を占領し、16日になってカレンダーに済みのXを入れた段階でブログ書き込みの15日が過ぎたのを、脳が知覚し、慌てて今準備したのです。
政治では、与謝野元財務相が鳩山首相を『平成の脱税王』と呼び捨て、新聞の読者欄で種々の意見が掲載されていますね。思い切ったネーミングと思いました。故人献金問題から、その原資が母親からの資金提供でその際相続税を支払っていないので、まとめて納めたそうですが、二年間は時効で税を逃れた由。詳細は不明ですが、これが許されるなら誰でも、指摘を受けてから納付すれば、時効の恩恵に預かれると思いますね。当人に落ち度があったのだから、逃れた税を寄付すればよいと思います。
また、民主党の小林千代美議員に北海道教組が違法献金をしていたらしいと報道されています。
国民の信託を得た民主党及び民主政権は、ここで自浄能力を発揮し、『政治と金』の問題に早くけりをつけ、緊急の政治課題をこなし、経済活性化をして欲しいです。
社会問題では、殺人事件が多発している昨今ですが、昨日(16日)高円寺駅で酒によってふらつき線路に落ちた失神女性を間一髪線路に寝かせ、自分は退避穴で助かったと報道されました。児童福祉施設職員で元ラグビー部員だった佐藤弘樹さん(24歳)は東JRから感謝状が贈られたとの美談話です。近くの人に駅員への連絡を頼み、緊急停止ボタンが押されましたが、電車は彼女の上を通過したそうです。無我夢中だったとの事。
転落防止の対策は、1.ホームに柵と扉を設置(全国の駅では膨大な経費) 2.ホームの下に退避穴の設置 3.障害物自動列車停止装置 4.ラッシュ時に見張り駅員を多めに配置 5.酒を飲んだ後は、酔いすぎ仲間を、酔いを醒ませるとか、同行(一人飲みの場合は自覚のみ)がありますね。私は新入社員の頃、飲み過ぎて駅のベンチで寝転がされていたら、帰宅中の先輩らに顔を叩かれた。また、ふらつきながらホームの端を歩き、電車にかすりそうになった事が思い出されます。
スポーツでは、冬季オリンピックが華やかですね。モーグルで上村愛子選手が4位で惜しかったです。一面トップで大きく報じられていました。オリンピック毎に7,6,5,4位と年齢と逆比例して順位を上げてきたのは立派です。かつて、金、銅メダル獲得者の里谷選手は予選15位だったかな、決勝で勝負に出て、スピードがかなり出ていてコントロールが効くのかと思っていたら第二エアーでバランスを崩し転倒してしまった。一発に賭けた迫力に圧倒されたものです。その彼女の記載はほんの僅か。かつての功労者の扱いにマスメディアの残酷さを見ました。そしたら、里谷選手の果敢な挑戦に感動の記事がブログに多く掲載された由。
テレビ画面が切り替わり、スピードスケートの男子五百米での長島選手の銀メダルと加藤選手の銅メダルの場面となり、思わず拍手しました。両選手、お芽出度う御座います。本日(17日)の女子は吉井選手の五位入賞が最高でした。また、カーリングは米国に大逆転勝ちし、幸先よいスタートを切りました。上位入賞選手の活躍記事も大事ですが、参加選手が自己ベストを出せたのか、もしも自己ベストを出せていたら何位に入っていたのか、自己ベストを出せなかった原因はなどの分析があれば、当人へのエールにもなるし、読者もその人に親近感を持つと考えます。
プロ野球の巨人に育成ドラフト一位指名で入団した背番号100の星野真澄投手(25歳)がテレビに映し出され、阿部捕手が球を受け、原監督が見詰めていました。阿部捕手が「いい球を投げ込んでいる。おちおち出来ないぞ」と、同じ左の内海投手に投げかけると、彼は苦笑していた様子。早く支配下選手に上り、即戦力として大いに期待したいです。名前も元エースの桑田真澄投手と同じなのがいいですね。
文化面では、放浪作家と言われている立松和平さんの多臓器不全の突然死です。まだ62歳だそうで驚きました。知人作家によると、取材旅行先で夕食後だからゆっくりしようと言うと、これから取材のまとめをするからと座を離れた由。帰国の空港で直ぐにレポートを出版社に手渡し、このように身体を休める余裕を作らなかった事が死期を早めたのではと追悼されておりました。テレビのリポーターとして、独特の抑揚でゆったりした話し振りが一回聞いただけで脳髄に焼き付きました。彼の作品はまだ読んでいませんが、受賞歴をみると、『遠雷』で野間文芸新人賞で映画化される。更に、『道元禅師』で泉鏡花賞と親鸞賞のW受賞など華々しく、世界を飛び回り、環境問題にも数々の提言をしていますね。人生を濃く通り過ぎたのだと痛感しました。ご冥福をお祈り致します。
さて、今回の作家別書評は、アイウエオの逆の方から選び、吉田修一さんにしました。
『あの空の下で』(木楽舎、2008年)と『さよなら渓谷』(新潮社、2008年)を読んだ感想です。
1.易しい言葉で、テンポ良く読めた。(これを見習いたいと考えた。私も投稿先の評価者から 分かりやすい文章であると言われましたが、自分としては単に語彙が少ないからだと思って います)
2.語彙が豊富で種々の言い回しをしている。(例:短パンに絞られるような里美の大腿。水面を魅惑的な色に変える。扇風機がねっとりした空気を掻き回している。強い日差しが、まるで重さを持っているように肩に伸しかかってくる)
3.『あの空の下で』は短編集で、旅のエッセイも挿入されています。臨場感のある描写で、自分ならこう考え、こう行動するなどと考えながら読みました。旅は、バンコク、ルアンパバン(ラオス)、オスロ、台北、ホーチミン、スイスです。このうち私が訪れたのは出張で台北に数回です。当時を思い出しました。
4.『さよなら渓谷』の出だしがいきなり、母子家庭の一人息子の幼児が行方不明となり、川で遺体で見付かった場面です。目撃した人が居なくて、その内母親が事情聴取を受け、逮捕され、隣人の旦那の名前を挙げた事から旦那も事情聴取を受ける羽目になった。てっきり、推理小説で犯人探しと思い、また平成18年(2006年)4月9日に秋田県藤里町で起きた畠山鈴香被告(無期懲役刑が確定)による長女と近所の男児の殺害で、世間を騒がせた事件をヒントに書かれているのだろうと直感しました。新聞記者、警察が絡んでいるので、犯人を予測しながら読み進めて行くと、隣人夫婦の過去へと遡り、意外な結末に導かれ、してやられたと思いました。
略歴:1968年 長崎県生まれ、法政大学経営学部卒、
1997年 『最後の息子』 第84回文学界新人賞、
第117回芥川賞候補
2002年 『パレード』 第15回山本周五郎賞
『パークライフ』 第127回芥川賞
2007年 『悪人』 大仏次郎賞、毎日出版文化賞、映画化
他に、『横道世之助』『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』など
驚かされる受賞歴で、頭が下がります。心理、情景などの描写を学んでゆきたいと痛烈に感じました。
最後は私の執筆活動ですが、仮題『カメレオン人生』は120枚を終え、残り4、50枚程度になりました。自殺のエピソードがあって、少し暗いので、明るい自作の歌を挿入している最中です。
10作目の『小説歌謡詞』を完成させましたので、口ずさんで下さい。
炎に死す(改訂版)
七五七七調
一. ふわふわ雲に パパがいる
あなたいいわね 産みたいの
ソウル発の 青い翼
炎に包まれ 日本海
愛しい名前 目を焦がし
お腹が蹴られ 来し方思う
二. あなたの手解き ソフトテニス
ペアで活躍 ベストツー
火事でふた親 既に亡く
肌着のプレゼン 婆ちゃまに
デートに誘われ ドキドキよ
夢を叶える 夜の高校
三. 仕方ないのね 悲しみは
あなたが選んだ セレブ嬢
隠れ愛人 噂され
家出た弟 結ばれた
身延の山へ 妹と
お前はどうする 母の語り掛け
四. テニス仲間の プロポーズ
あなたの影で 首を振る
課長になった あなたから
おろせと言われ 頷いた
弟、子を持ち 仲直り
嫁いだ妹(いも)と 昇仙峡
五. 部長から 取締
あなたの抜擢 嬉しいが
心の距離が 遠ざかる
出張先に 誘われて
今この時を 甘えたい
虹に包まれ あなたとわたし
今日は。
このところ、東京は曇り空が多くてすっきりしません。でも、蜜柑の実は着実に色ずき大きくなっているようです。
政治では、ダム、日航、普天間基地、雇用、予算など問題が山積しておりますので、着実に成果を上げて下さい。四方八方が上手く収まるのは稀ですから、首相がリーダーシップをしっかり発揮して欲しいですね。特に、故人献金問題から浮かび上がってきた母親から鳩山首相への億単位のお金の流れが不透明である点です。贈与なら早期に贈与税を払うべきです。自己の資金管理もチェック出来ていないとすれば、国の予算も任せられないと考える事もできますし。今晩(15日)、首相は子供手当てを所得制限無しと言っていたが、世論は制限ありに傾いているので、制限をつける方向にしたいと発言された。付和雷同にならないように!コンセプトとして、国が子供を育てるとしたなら小中高校の授業料と教材費の無料化がよいし、不況下で子育てが大変だからとするならば所得制限ありが理に叶っていると考えます。
政府、日銀が経済浮揚対策を的確に早期に打って頂かないと、巷に失業者が溢れ、さらに犯罪や暴動が起こりかねません。高校生や大学生の就職浪人やリストラによる失業者の増大がみられ、名古屋に路上生活者が多い由。
スポーツでは、東京へのオリンピック招致の動画10分に5億円の支払いが問題視されています。或る動画作成専門家のコメントでは、取り直しとか変更が多いと1から2億円は掛かるだろうが5億は多すぎるとの事。石原都知事は電通に支払いの減額を求める由。契約書では5億になっている由。何故、契約時にチェックできなかったのか。競走入札だったのかなどの疑問がありますね。庶民は毎日一円でも安い店を探して買い物をしているというのに。税金を扱う人の金銭感覚が麻痺しているのでしょう。契約チェック機構や監査機構の充実をお願いしたいですね。
ゴルフの帝王、タイガーウッズ選手の不倫騒動は主に米国で騒がれていますね。既に8勝位していて賞金総額が何と数百億円との事、驚きです。深夜の交通事故で、マスコミが騒ぎ、不倫が暴露され、十数名の愛人が名乗り挙げた由。家族を愛し、品行方正、慈善活動にも参加して理想的なスポーツマンの評価が高かっただけに、ファンならずとも皆がっかりしています。特に、石川遼選手は憧れていただけにショックは大きかった事でしょう。石川選手にはわが道を歩んで欲しいです。ウッズ選手は、家族、世間に謝罪し、無期限の欠場を宣言し、謹慎に入ったそうです。人間は有頂天の時に誘惑に駆られ易いですので、ここで冷静に反省し、けじめをつけ、再起を期待します。
ヤンキースの松井秀樹選手はロスアンジェルス・エンジェルスへの入団が決まり、お芽出度う御座います。DHだけでなく、外野守備もやりたいとの信念で契約金がヤンキースの半分になる5.8億円でもよいからと、決断した由。信念を貫いた松井選手を応援します。イチロー選手のマリナーズと同じ西地区で、お互いの戦いぶりが見物です。
巨人は、高橋尚成投手(34歳)がメジャー挑戦を目指し、FA宣言をしたので投手の補強を始めました。その結果、インディアンズで今季プレーした小林雅英投手(35歳)とオリックスの高木康成投手(27歳)の入団が決まりましたね。特に、若い高木投手は木佐貫投手との1対1のトレードです。左腕で先発、リリーフでの活躍を期待します。背番号13で、年俸は2200万円減俸の2400万円からのスタートです。同姓なので応援します。這い上がって下さい。
朝日新聞の14日夕刊に面白い記事が載っていました。見出しが『スケルトン金魚』です。骨組みが見える金魚の事ですね。三重大の田丸准教授、名古屋大の秋山特任助教らが、金魚が飼育や入手が簡単で身体も早く大きくなることに着目して、金魚の突然変異体で透明度の高い金魚を掛け合わせて内臓が透けて見える金魚を作り出したそうです。遺伝子組み換えの技術を活用し、人の病気を金魚で再現し、発症の仕組みや薬の開発にも利用できると述べています。そうなれば、経費の掛かるラット、モルモット、イヌ、サルでの実験は必要最小限に出来ます。
さて、『花風に魅せられて』は私設編集長の鈴木君がチェック中です。終わり次第、再考して文学界新人賞に投稿します。
次作の仮題『カメレオン人生』はプロットを作成中で、女主人公が環境の激変でも力強く生き抜いていく様を綴りました。そこには自己や組織の保身、秘密、男女関係もちりばめます。ご期待下さい。
新人賞受賞作掲載雑誌を借りて読みました。どのような批評なのかを自分の感想と対比すると勉強になるからです。今回の作品は2、3割しか内容が理解できませんでした。5人の選考委員はべたほめなのですが・・。その作品は『新潮』2009.11に掲載された新潮新人賞の赤木和雄著『神キチ』です。自殺者を手助けする人が誤って死んでしまうというエピソードは薄々勘が働いて分かりました。その他の宗教的なエピソードには付いて行けません。ブラックユーモア的だそうです。作者がハウスメーカー勤務の経歴から建築現場の模様が詳細に描かれていて、やはりの感がありました。評者の意見では宗教ブームを徹底して笑っている、ギャグが多い、スピリチュアルブームに象徴される宗教的混乱状態を描いている、おかしな事が次々に起こり、宗教を身近に感じられるなどであったが、自分にはこの手の宗教ものは苦手だ。起承転結で分かりやすいのが良い。因みに、選考委員は浅田彰、桐野夏生、福田和也、町田康、松浦理英子の各氏である。
同雑誌に掲載の辻原登著『抱擁』(150枚)を読みましたが、こちらは頭にスーッと入ってきます。お嬢様に対する殺人未遂容疑で逮捕された若い娘の小間使いが検事に、事件の起承転結を述べる形式。侯爵家のお嬢様の世話をするが、彼女の不思議な行動を目撃し、その理由を探る。前任者は将校と結婚し、彼は2.26事件の首謀者の一人で死刑になり、新妻も後追い自殺。お嬢様に憑いた前任者の霊が善か悪か不明で・・。
丁寧な情景、心理描写です。小間使いが普段行かない取水塔で庭師に襲われた理由は読者の想像に任せています。私は描きすぎる嫌いがあると編集長に言われているので、今回の『カメレオン人生』ではこの手法を用いる積りです。
辻原登氏略歴:昭和20年和歌山県生まれ。文化学院卒。中国貿易会社、電算機会社勤めをしながら創作。45歳時に『村の名前』で芥川賞受賞後、50歳で退職。その後、『翔べ麒麟』で読売文学賞、『遊動亭円木』で谷崎潤一郎賞、『枯葉の中の青い炎』で川端康成文学賞、『花はさくら木』で大仏次郎賞と次々と受賞され驚きです。彼の作品をこれからも読んでみます。私も負けずに頑張りますので、文学好きな友人知人への私のブログ閲覧をお願いします。
最後に、恒例の『小説歌謡詞』の6作目を綴ります。
南無妙物語(心の一滴)(癌シリーズ①)
七五調
一. 血を吐く弟 末期の癌
妻に鎌掛け それを知る
自殺未遂に 救われた
響き渡るは お題目
子宮癌の 我が患者
綾乃の名札 耳ぼくろ
アー アー 家出た母と 信じたい
二. 白血病は 老婆の孫
老婆と孫は 生き返り
老婆の娘 戸籍調べ
寺からの異動 明らかに
老婆の往診 弟と
心に沁みる 寿司のネタ
アー アー 寿司屋に暮らす 母が居る
三. 実母であると 迫るけど
つれない返事 老婆の声
弟の癌 肺から喉
声も出せずに 胃から管
母と認めて 膝枕
管から酒を 流し込む
アー アー 母と弟 血の涙
今日は。
穏やかな秋晴れの中、パソコンに向かっています。
政治では、鳩山政権が公共事業、子供支援・教育手当て、福祉、基地問題などの見直しに張り切っておりますね。見守りましょう。経済政策にも一段と力を入れて欲しいです。
スポーツでは、広島、長崎がオリンピック招致に名乗りを挙げています。原爆の悲惨さを選手や関係者にじかに見て頂き、マスメディアを通じ、核戦争の抑止になれば幸いです。各地でちびっこの運動会が盛んですね。この中から将来の大物が出てきますよ。
野球は明日(16日)からパリーグ、明後日からセリーグのCS戦が始まりますね。巨人のラミレス選手が首位打者と最多安打の賞を獲得し、山口投手が最優秀救援投手賞でした。お芽出度う御座います。10勝以上がゴンザレス投手、グライシンガー投手、高橋投手で、越智投手も踏ん張りました。30本以上のホームランは、ラミレス選手、小笠原選手、阿部選手と多く、亀井選手も頑張りましたね。打率3割超えもラミレス選手、小笠原選手と成長著しい坂本選手。俊足の松本選手に、いぶし銀の谷選手も忘れられません。その他の選手も自分なりに働きましたね。グライシンガー投手が右肩の張りが再発したようで心配ですが、全員野球で1位通過しかありません。フレー、フレー、ジャイアンツ! ハラハラのクルーン投手を忘れてました。CSで挽回して貰いたいですよ。
さて、中篇小説『黒服の客』について鈴木私設編集長の校閲が終わり、次のコメントを頂きました。
1.3年B組金八先生のドラマを観ているようだ。
2.後半で、熱血先生に主人公の女生徒との間に隠し子がいるというのは、漫画チックで奇抜すぎるのでは。これがない方が、幹がすっくと立つ。
3.主人公が親友に彼を奪われ、後日親友が現れ、素直に迎えている。そこに葛藤がないのはおかしい。
4.枝葉が多いと、そこで読者は戸惑う。何故この枝葉を入れたのか迷い、幹が薄れる。少しの親切、大きなお世話だ。
これらに対し、著者として次のように判断した。
1.読み返してみると、確かに御蔵島から転任してきた先生が演劇部を立ち上げ、体当たりで指導している場面が7割くらいある。それを、主人公の母子家庭の女子生徒の視点から描いている。同級生のヤクザの息子と東大卒の医師とのからみが見物である。
2.ただ、教師の熱血振りだけでは驚きがないので、少しだけ主人公との隠し子問題を入れた。何故、隠し子かといえば、舞台女優という人気商売にマイナスになると考えたから。また、先生といえども人間だから、性に溺れる時もあろうかと・・。でも、教育熱心な先生なのだから、正々堂々と育てるだろうと言われ、このエピソードをカッとした。
3.葛藤を挿入し、新郎のアドバイスで恨みが徐々に消えるようにした。
4.インターネットなどで調べたものは全て挿入しないと損したようになって、つい多目に書きすぎる嫌いがある。指摘された箇所を削除したほうがすんなり次の場面にいけた。
再度、読み直してから新人賞に投稿します。
出だし、結びにもっとよい書きっぷりはないかと考え、図書館で新人賞受賞作を読もうと思い、駆け付けました。なんと、予定の掲載雑誌4誌が見当たらない。自転車で十分の葛飾図書館は十五分で行ける金町駅前のビル『ヴィナス金町ブライトコート』の中の『葛飾区立中央図書館』に衣替えし、ここは『新宿(にいじゅく)図書センター』になり、規模縮小で3万冊の蔵書となってしまいました。念のため、文学コーナーを電球の点いた部屋でみて、左遷されたような、降格された気分になりましたが、中央図書館はそれ程の遠さでないので出掛けますが・・。当然、文章読本は5冊購入していますが、違った視点の本がないか探し、3冊斜め読みしてから、『新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド』(絓(すが)秀実、渡部直己著、太田出版、2004年)を借りた。対談形式の所はカタカナの専門用語が多くて、7割くらいしか分からなかった。道理でと思った、近畿大の教授同士なので普段使い慣れている用語だから仕方ないのかも。片方が一般人ならもっと噛み砕いた言い回しになったでしょう。
①タイトル ②書き出し ③主人公の設定 ④脇役の設定 ⑤語り手の設定 ⑥文体・語り口⑦対象描写 ⑧内面描写 ⑨会話 ⑩細部 ⑪結びの順に、著名作家の例文を各5編ずつ挙げて解説していて、これは分かり易かった。皆さんの役に立つと考えこれらをまとめたので、ブログに書き込もうとした。只今、風呂に入っていて引用しすぎると著作権を侵害するかもとの不安になった。そうだろう、自分も印刷本と電子本を12冊販売しているが、読者が結末までを要約してブログに公開したら、他の人が購読意欲をなくするのだからと思った。そこで、私が悩んだ書き出しと結びの箇所だけを引用させて頂く事にした。
②書き出し
一度に大量の投稿を選定する下読みや編集者は書き出しで作者の能力を知りたがるので書き出しは重要である。
1)作品世界を一発で印象付ける。
2)心理とか情景描写から入る。
3)回想から書いても良い。
4)外国人が思考している場合は、他人の名前や場所などの漢字をカタカナ表示にしても良い。
5)大定番としては、最初にささいな、しかし極めて印象的な仕草を書いて、後に種明かしをする。(あっと叫んだ。お椀に毛が入っていたのではなく、戦死した息子を思い出していたという風に)
⑪結び
1)思い切り? だらだら? さりげなく、かっきりと? 余韻調で?
2)自然と要請されてる結びか? 最初に結びを考えておくか? 既に書いた箇所を据え直すか?
3)『終わり』と書いた後に、執筆期間と枚数の記入、もしくは『書き下ろし』と加えたり、英語で続きを暗示する方法もある(バトル・ロワイアル)。
4)「~ではなく、~である」という『差異』の強調は、ロマンチックな抒情へと読者を向ける。
5)三島由紀夫氏の『豊饒の海』の四部作は4000枚の物語で、最後の数頁で一挙に無に帰し、今までの物語の記憶は否定される。その結びが、「・・・・・・・・・。庭は夏に日ざかりの日を浴びてしんとしてゐる。・・・・」で見事。
6)最高音を激しく鳴り響かせて閉じる場合は、その前段で良質の緊張感と漸進的な高揚が必要である。
なお、『小説入門書ミシュラン』の項には、19冊を挙げ、内容と長所・短所を紹介している。書評は宣伝になるが、酷い非難や詳細内容の紹介では著作権侵害になりそうであるが、どの程度からなのかは専門家でないので判らない。その中で紹介されていた『散漫な描写はピンボケの写真と同じで、読者を惑わせる。過剰な描写は大きなお世話で読者を辟易させる。』とあり、今回編集長からのコメントと一致していたので、そこで苦笑した。編集長は読書好きで、読み慣れていると大いに感じた。また、サスペンス作家のスティーブンキングは「作品を書くのは地中に埋もれた化石を発掘するのと同じで、プロットは優れた作家にとって無用の長物であり、無能な作家が真っ先に頼る常套手段である。私は人物を窮地に立たせ、彼らがどうやってそこから脱出するか成り行きを見る」といっているとの事。初心者はプロットを立てた方が良いと大方の入門書に書かれている。
私の場合は、投稿先と枚数を決めてから当初は大筋を構想してから書き始めた。そうするとどんどんわき道に入って枚数が多くなってしまった。最近ではプロットを綿密に書いている。そうすると、もう小説を書き終わった気になってしまう。そこで、その中間の方法で書き進める内結末が変わる事がある。脱稿後、2、3週間おいてから再読し、その後編集長にチェックして貰っている。
本日(15日)の朝日新聞朝刊の5頁に、時代小説愛読者の松平定知氏(NKK『その時歴史は動いた』の案内役)へのインタビュー記事がありました。
「藤沢周平氏の『蝉しぐれ』の中の 『五間川の川岸では、青草のいろが一日一日と濃さを増し、春の到来は疑いがなかったが、その季節の流れを突然に断ち切るように、日は終日灰色の雲に隠れ、城下の町々をつめたい北風が吹き抜ける日があった』という文章を読むと、パァッと情景が思い浮かぶんです」とあった。
私なら、『日は終日灰色の雲に隠れ、城下の町々をつめたい北風が吹き抜ける日があった』としてしまい、当日の事しか頭にない。前日以前の春の足音を入れることで流れ行く季節の味わいが出るので、真似をしてみたいと感じました。出だしでも利用出来るかも。
それでは、お待ちかねの『小説歌謡詞』の第2作目をご紹介します。節を適当に付けて、歌いましょう。(内容が分かりづらい点は小説を参照して下さいね)
『愛と死の絡繰(からくり)ー北京の月季の増補版ー』 (七五七七調)
一. 北京の月季(イエチエ) 咲き乱れ
夜に花咲く カラオケ娘
老いらくの恋 燃え上がり
故宮い和園 長城へ
恋する二人 蝶になり
トキメキ トキメキ舞う 異国の丘に
二. お腹に子がと 告げられた
許さぬは母 天国の旅
愛する女(ひと)に 遅れての
小説の 新人賞
子宝二人 生まれ出る
津波 津波が襲う 娘はいづこ
三. 三峡下り 過去を呼ぶ
契り交わした 上海娘
叔父の恋人 妻の祖母
日中の 戦(いくさ)悲しや
波止場の別れ 涙雨
形見 形見の指輪 動かぬ証
四. 車に跳ねられ 暗闇に
心砕けて 夢は飛び去り
聞こえぬ従妹 ミシン踏み
妻の代筆 本屋に並ぶ
光る剃刀 首筋に
虹 虹が現れ 芥川賞
お早う御座います。
9月に入り、一気に涼しくなりましたね。これで、小説の執筆も捗ります。
日々観察しているゴーヤの成長も日照不足のせいで芳しくなく、また巻いて育ったものは小さいのに直ぐ黄色になってしまうものが4個も出てしまいました。収穫量は昨年の4割と大減収です。来年に期待します。
さて、世紀の決戦総選挙では、民主党が世論調査通りに圧勝しましたね。お友達閣僚の失言、不祥事、二代続けての投げ出し首相辞任など長期政権党の疲弊がもろに噴出しました。官僚、大企業などとしがらみの少ない民主党がどのように大なたを振えるか、監視致しましょう。自民党にも立ち直って頂き、2大政党で緊張感のある政権交代が望ましいと思います。
スポーツ界では、柔道の世界選手権で女子が金メダル3個を獲得し、男子はメダル零との事。谷選手に続いた女子の活躍に敬意を表します。
野球では、大リーグのイチロー選手が足のケガで8試合欠場後の試合で2安打し、残り29試合で14本安打すれば、『大リーグ新記録の9年連続200安打』達成となります。彼なら遣り遂げるでしょう。昨夜の巨人はラジオで横浜に7回で1:4と負けていると聞き、諦めてスイッチを切りました。翌朝のラジオニュースで巨人の逆転勝ちが報じられ、嘘だろうと一瞬思いました。早速、新聞を広げた結果、8回に谷、阿部選手の連続ホームラン、9回には坂本選手のツーランで同点とし、ラミレス選手の二塁打でサヨナラ勝ちとの事。野球は下駄を履くまで分からないとは正にこの事。中日が広島に惜敗したため、残り28試合でマジック21が点灯。このまま突っ走るのみ。フレー、フレージャイアンツ!
仮題『黒服の客』の小説の執筆状況は最終のクライマックスにきて、残り20枚程度で、合計400字詰め原稿用紙で230枚前後になります。ご期待下さい。途中中断もあり、半年位要してしまいました。それだけに、見直しをしっかりしたいと思います。
掲載詩については、『旅情散文詩』の残りも2、3回となり、その次は『小説歌謡』を予定しております。ご存知と思いますが、石坂洋次郎作の『青い山脈』や大島みち子、河野実作の『愛と死をみつめて』はベストセラーになり、歌や映画、劇にもなりました。ですから、小説を歌にする『小説歌謡』なる単語もあると考え、広辞苑を引きましたがありません。グーグルの検索では、文章の中に『・・仕掛け人は、かつて南沙織を私小説歌謡で大ブレイクさせた酒井正利・・』があり、私小説歌謡なる単語はありました。自作小説の売れ行きがいまいちなので、考えた結果、小説を歌にして皆に口ずさんで頂き、逆に小説に興味を持って貰おうと考えた訳です。自作小説が終わったら、他の作家の小説を歌詞にまとめたいです。
最後に、『旅愁散文詩』の45作目の続きをご笑覧下さい。
四十五. イタリア、ローマ市 (古代人との邂逅)(続き)
(七) 共和国広場
テルミニ駅から二百米先の共和国広場にある噴水の石囲いの上で、仰向けになり友と天を見詰める。雲がふんわり一片、この青空。東京の空も同じかなあ・・。日本人の一行、中国人か韓国人の一人が目の前を通り過ぎて行く。ニューヨーク程の怖さは無く、治安も良いと聞いていたので、テルミニ駅からA路線でバルベリーニ駅、またB路線でエウールフェルミ駅まで利用した。
テルミネ駅に戻り、共和国広場から発するナツィオナーレ通りに面したローマ三越に足を踏み入れ、ホッとする、日本人従業員がちらほらいたので。友は壁掛けを二点買った。外に出ると、角に、目ぱっちりで眉毛太く、濃い、彫りの深い愛嬌のある十二、三歳の少女が三、四人たむろしていた。その内の二人がボードを手にしながら、見てくれというように近付いて来た。他の少女は横に回っている。(うむ、これが世に名高いジプシーの物貰い、またはかっぱらいか) さんざ、出張前に日本で耳にたこが出来る程聞いていたので、肩に掛けた鞄、カメラを両手で押さえ、防御の姿勢を取った。すると、どうだろう。ちぇ、気付かれたかあと言うようなジェスチャーで元の場所に戻った。暫く、彼女らの様子を見ていたが、行動を起こさなかった。観光客を狙えと指示されているのだろうか・・。この子らの教育はどうなっているのか・・。両親には職業はあるのだろうか・・。行く末はどうなるのか・・。考えてみると、同じ人間としてこの地球に生を受け、生まれ落ちた国、宗教、文化、経済などの環境因子の相違により、生活レベルも大きく違ってくる事に驚きだ。この子らが逆境に打ち勝って、子供の頃、日本人観光客に上手く逃げられたよと笑いながら語らえる余裕のある生活を築いてくれる事を日本の地から祈る。
(八) ヴェネツィア広場
市の中心に在り、市内の至る所からもこの威容が見えるここエマヌエレ二世記念堂。初代国王エマヌエレ二世を記念して、1911年に建てられた白亜の建造物。門前から見ても、玄関までの中間に位置する衛兵が小さい程スケールはどでかい。
隣のヴェネツィア宮殿は、その二階のバルコニーから第二次大戦中、日独伊三国同盟の伊のムッソリーニが群集に演説した所であり、歴史を手の中に感ず。
(九) パラティウムの丘
パラティウムの丘にあるフォロ・ロマー(古代ローマ市の集会用中央広場)の遺跡群に、ローマ建国、ローマ帝政時代の往時の一端を垣間見る思いがした。
日本の城、神社、仏閣に匹敵する宮殿、神殿の数々。コロッセオの中に足を入れると、真夏の太陽がカッと照り付け、、茶レンガに陰陽を鮮やかに刻んでいる姿を目の当たりにした。紀元80年に完成したこの円形競技場が約1900年もの間、生き続けている事に驚かされた。この無生物に生命の息吹さえ感じられた。4階建てで、5~8万人を収容可能なこれは、古代ローマのヴェスパシアーノ帝の命で造られたと言う。このコロッセオでは、歴代皇帝が見世物を催す事で人心掌握を計るため、映画でお馴染みの生命を賭した剣闘士の戦い、猛獣と人間の死闘、場内に水を張って戦う模擬海戦など凄惨で残酷なゲームが行われ、市民は熱狂した。競技場には良く血を吸うように砂(アレーナ)が撒かれた事から、競技場を『アリーナ』と言う血生臭い語源がある。しかし、考えてみるに、戦いとは究極的には殺すか殺されるかである。敵を敗北させるためには、先ず身内内で仮想敵を作り、実践して練磨したりしたのも分からない訳ではない。味方を殺してまでの実践は戦力を落とす事になりマイナス面もあるだろう。だが、刃向かう者を葬るには良い機会と権力者は考えた事であろう。地下部分に猛獣の檻や機材置き場があり、その上に板を敷きゲームが続けられ、無念の涙で消えた人々はいくばくか・・。この歴史を教科書として、今の人、これからの人も人間の幸福とは何かを考え、実施していかねばならない。