今日は。
窓を開けると、冷気が入り込み、赤、黄色、緑のまだら模様の柿の葉が目に飛び込んできます。
1.政治・経済
補正予算がまだ決っていませんね。野党が尖閣諸島漁船衝突のビデオ流出事件で政府を責めているからだそうです。法治国家なので、自首した海上保安官の処分は法に照らして行えば良いでしょう。政府がビデオを公開しなかった問題とは別問題ですよね。
APEC(環太平洋諸国の経済会議)は事件、事故もなく無事終了しましたが、成果はほとんど無いとの評価が新聞記事に載っていました。菅総理は10月にTPP(環太平洋諸国の自由貿易圏)への参加を表明していたが、APECでは参加の検討を始めたいとトーンダウンし、既参加国から失望されました。首脳発言はしっかりした根拠で主張して下さいね。
日経平均株価は9500円から9800円に上昇。1ドル80円から83円の円安に。国内企業の業績も上向きで、ボーナスも上昇予測。中国、インド、インドネシアの経済がアジアを牽引中。米国も少しはうわ向き加減。
2.事件
相変わらず、人殺しがマスメディアを賑わしていますね。秋田の弁護士殺害事件に続き、兵庫での建築士夫妻殺傷事件と。犯人にも言い分はあるでしょうね、殺しに至る動機が・・。違う方法でと思うのですが・・。板橋の資産家夫婦殺害事件はどうなっているのでしょう。
現在、私は犯人側に立ってその心理を想像して、小説を書き始めました。
3.医療(免疫療法)
16日の朝日新聞に『免疫療法の有効性の有無』についての記事がありました。癌の3大療法である手術、抗癌剤投与、放射線照射でも効果が思わしくない癌患者は免疫療法に頼って自由診療のため、高額な治療費を払っていると。免疫療法は茸類や化学物質で体内の免疫を賦活させたり、外から免疫細胞を注入したりして、癌細胞の増加を抑制したり、殺したりするものです。症例を100例近く集め、更に副作用が少なく、従来の3大療法より有意に効果がないと、厚労省から保険適用の許可はおりません。効果が少ないとみられる事からこの壁を超えるために億単位を出資して治験を行う企業はありません。また、3大療法のどれかとの組み合わせで治験を行い、単独よりも有意な効果を証明するには500例位の膨大な症例数が必要となります。免疫療法に100万円とか600万円を掛けた末期癌患者さんがいますが、家族ともども藁をもすがる気持ちだったのでしょう。免疫療法もしたから1ヶ月或いは6ヶ月長生きしたと自分達を納得させる必要があります。勿論、お金に余裕がある人が出来ることですが・・。
末期になる前に、定期健診などで軽い内に見付けてフォローするのが重要ですね。特に日頃忙しい芸能人の方々は。
4.作詞家星野哲郎氏の逝去
星野先生は山口県出身で、高等商船学校(現東京海洋大学)を卒業し、日魯漁業で憧れの船乗りになったが、2年後に結核に罹り、4年近く療養されたそうです。その際詩を綴っていて、投稿したら賞を頂き、それ以来85歳まで4800の歌詞を創り、多くのヒットを飛ばしました。あの時に病気をした挫折があったからこそ、人間が強くなれ、人生の応援歌をしたためてきたと申されました。正に、人生の転機だったのです。良く知られている歌詞は、『黄色いさくらんぼ』『三百六十五歩のマーチ』『アンコ椿は恋の花』『函館の女』『男はつらいよ』などです。若い頃、良く口ずさんだものです。心に染み入る歌の数々を頂き、有難う御座いました。私も先生の末席に座れるよう歌詞を死ぬまで書き続けます。
5.スポーツ
プロ野球はストーブリーグで、各球団は来期の補強に血眼でしょう。学生野球は神宮大会で、大学、高校生が試合中ですね。早稲田が準決勝進出。
広州アジア大会では、日本人はメダルラッシュに沸いています。何だ、世界からみたらレベルが低いから多くメダルを取って当たり前と言うなかれ。各自、学校で、区で、都県で、国で上位に入賞したことがありますか。国際大会に選抜される事はすごいことなのです。そう思って応援しましょう。
大相撲では、昨日15日に前頭筆頭の稀勢の里関が横綱白鵬関の64連勝を阻み、大騒ぎですね。騒ぎ過ぎです。ここで遣らねば男がすたると考え、夕食の準備をしながら応援していましたら、その通りになり、自分でも仰天。しかし、稀勢の里関は体格に恵まれ、早い内から大関候補と言われていたが、当たりの弱さと脇の甘さから関脇を経験したのに三役から落ちてしまいました。これを転機として弱点を克服して再度大関を狙って下さい。
バレーボール世界選手権で、女子は念願の銅メダル。ロシアに完敗し、ブラジルに惜敗して、米国には接戦で勝利。高さとパワーの外国勢に、工夫と技術で対抗し、ロンドン五輪に向け、更なる前進を!
GPシリーズのスケート・アメリカで、女子は村上佳菜子が優勝し、男子も高橋大輔と織田信成が1、2位と大健闘。
6.海堂尊作品の書評
A.『イノセント・ゲリラの祝祭』(宝島社、2008年)
1)内容は司法解剖(犯罪死に対する強制的な解剖)、病理解剖(病気死による遺族承諾を必要とする解剖)及び監察医解剖(伝染病、災害、死因不明な死体解剖を知事が監察医に指示)の三つの違いを説明し、現時点で経済的な理由で解剖率が極端に少ないことから死因究明に死亡時画像診断の導入を巡って、利害が絡む、厚生省、法医学会、病理学会、医療過誤被害者などの戦いを描く。
2)主人公(神経内科の万年講師)は『螺鈿迷宮』と同じで、ここでも登場人物の描写が巧みで、頭に風貌はもとより性格がきっちりと浮かんでくる。渾名の付け方も的確。象牙の塔の内幕を赤裸々に小説にしたベストセラーである山崎豊子氏の『白い巨塔』を彷彿させてくれる。厚労省主催の検討会会場での丁々発止の臨場感溢れるタッチは面白かった。
3)小説を通して、当人の病理学会や厚労省などの長所短所を浮き彫りにさせ、自己主張をしていると感じた。
4)現役病理医が例え小説にしてもここまで厚労省の役人や各学会の大御所らを容赦なく批判して大丈夫かと心配になった。
5)私は医薬品の研究、開発をして、抗胃潰瘍・十二指腸潰瘍薬『ファモチジン(商品名:ガスター)のヒアリング(厚生省事務局による聞き取り調査)に厚労省に出向いたことがあるので、小説の舞台には馴染みがありますが、一般の人も興味を持たれるのではないですか。
6)特徴の或る言い回しを羅列します。
例:光の輪が夜道をなめていく。至福の裏側にまで、厄介事が潜み、爪を研いでいる。わかりやすさ伝達度はマックス。自分の座標を見失う。ゴキブリの触覚が揺れているような幻視。思考に、車内アナウンスが紛れ込む。記憶ファイルをスキャンする。など
B.『チーム・バチスタの栄光』(宝島社、2006年)
13日(土)に『螺鈿迷宮』と『イノセント・ゲリラの祝祭』を金町中央図書館に返却したところ、なんと海堂尊氏の処女作『チーム・バチスタの栄光』が棚に光っていた。歓び勇んで持ち帰り、頁をめくる。
1)内容は、病院経営建て直しの目玉に、院長が心臓外科のエキスパートを招聘し、困難なバチスタ手術(左心室縮小形成術)が連続して成功し、世評が高まる。ところが連続して術中死が相次ぎ、エキスパートが院長に調査を依頼。原因究明をしている内に殺人の気配濃厚に・・。
2)主人公は調査を依頼された不定愁訴外来の万年講師田口で、途中から院長の友人の厚労省局長にも応援を頼み、その結果は大臣官房付きのはみ出し者の白鳥が派遣され、二人でスタッフからの聞き取り調査などを実施する。
3)元外科医で現病理医の体験を遺憾なく発揮し、臨場感あふれる描写である。
4)登場人物設定もこっており、院長の友人に厚労省局長を持ち込み、エキスパートも訳ありの義弟をチームに入れ、寿退社の看護婦が辞めてから事件が起こり、それにチーム内の人間関係に疑わしい関係を作っている。
5)実験動物の飼育で犬に情が湧いたが、最後は薬殺する役目の医師の苦悩が描かれている。その時、幼い頃保健所に愛犬が殺されたと言う人が元厚生事務次官を襲撃し殺した事件を思い浮かべたが、ネットで調べると2008年11月で、この作品より2年後であった。
6)末尾に、選評が記載されており、4人全員の選者がべた褒め。一刻も早く次の頁をめくりたくなるストーリーを描きたいと強く思った。千葉大卒の先輩として!
6.執筆状況
仮題『天国と巣箱』の構想を練っている最中で、府中3億円事件を検索して、面白い記事をデスクトップにコピーしました。これからストーリーの構築です。海堂尊君のヒット作を参考にします。
7.『縁人の病気ソング(老衰)』の2作目
お婆ちゃん ありがとう (中学3年時代、七七調 一. 学校帰り 木枯らし荒れて 鼓動乱れた 本家の道は ござに仰向け 短刀胸に 祖母の顔に 真白き布が 布をよけると 何時もの痩せ顔 天寿全う 周りは笑顔 さようならー お婆ーさーん 二. 貰い湯前の 夕飯愉し お正月には お年玉袋 つき立て餅で 大根おろし 白いご飯に 菜の花ひたし 蝉取り汗には 真っ赤な西瓜 小さな甘柿 頬がピク付く ありがとうー お婆ーさーん 三. 一週間後 高校受験 滑り止めなし 一発勝負 自信はあるが 万一の文字輝く我が名 合格版に ホッと一息 小さくついた 第二志望の 職業高 頑張るぜー お婆ーさーん