自著の小説・詩の紹介(巨人戦)

ブックマークに、歌謡詞、旅情詩の無料サイトと小説の電子版有料サイト。毎月1と15日に小説の執筆状況、歌謡詞等を掲載

高木徳一の小説の12作品一覧とご購読方法(含無料電子本)

2009-07-17 08:25:36 | 出版

 お早う御座います。

 昨夜(16日)、自治会の盆踊りに関する打ち合わせの前に、読書家から希望のあった自分史大賞入選作を改定して『炎に死す(改訂版)』を急いで出版したと伝えました。早速、購入して鑑賞したいとの嬉しい返事です。また、他の方からシリーズ物は続きですか? との質問を受けました。癌シリーズは癌に関した小説で、夫々が独立した作品で、たまたま戦争シリーズの②と③は続きの形態ですが、別々でも話は完結していますと答えました。

 作品一覧は『物書きネット』で無料で閲覧出来ますが、そこを覗く手間を省くためにここにコピーしました。興味のある作品を鑑賞頂き、コメントを頂ければ作者冥利に尽きますので、よろしくお願い申し上げます。

 お蔭様で、著作12作品を出版致しましたので、ここにその一覧と3種類のご購読方法をご紹介致します。その内、4作品目の『ネガの絆ー歌咲くクラス仲間ー』は電子本で無料にて閲覧出来ます。 

 現在、WEB上に紹介されているのは12作品です。『ホンニナル出版』(受注時、製本配送)サイトの他に、低価格でご愛読頂ける電子書籍掲載を致しておりますので、ご案内致します。本ブログのトップ画面左上に各サイトのリンクを張りましたので、覗いて下さいね。また、友人、知人の方々には、WEB検索で『高木』または『高木徳一』と漢字入力すれば、立ち上げた30社の無料ブログから入れますとご紹介下さい。

 1.『物書きネット』(閲覧のみの電子書籍サイト)
   1棟目の008号室『小説家徳さん』に作品が掲載中です。頁数に応じて、閲覧価格は90円から200円(400字詰め原稿用紙換算枚数550枚の大長編は上、中、下巻で合計360円)の安さ。

 2.『でじたる書房』(閲覧と任意に印刷可にした電子書籍サイト)
     トップ画面左側の著者検索窓で『高木』と入力すれば作品一覧が出ます。閲覧するには、トップ画面左下の『でじたる書房ツール』の『でじブックリーダー』をインストールする必要があります。無料ですから安心してカートに入れてレジに進みます。なお、印刷可です。サイト側の最低希望価格(税込み)は315円以上で、長編以外は315円に設定しました。
 
 3.『ホンニナル出版』(受注時、製本配送サイト)
   記念として、或いは愛蔵書として何時でも読み返したい時、また友人、知人への回覧としてご利用下さい。『ブックストアで本を探す』の項目の『著者別一覧』をクリックし、書籍検索で『高木』と入力すれば作品一覧が出ます。

 それでは、12作品の題名、400字詰め原稿用紙換算枚数、『物書きネット』、『でじたる書房』、『ホンニナル出版』の税込み価格を順に表示し、また作品の紹介を記載しました。  

 
 第1作目:『北京の月季(イエチエ)(ばら)』(120枚)120円、315円、1750円
 
 第7回新風舎出版賞の共同出版化推薦作。停年間近のサラリーマンと中国娘の恋と愛のでこぼこ道の行き着く先は・・。北京のカラオケ店で、ホステスの麗梅は自分の腕の火傷を舐め回す信一に心が癒される。信一も彼女の振る舞いに天使を思う。信一は同人誌の佳作を自費出版し、新人賞を狙う。麗梅に創作を手解きするが、これが思わぬ結果となる・・。風習と文化の違いに戸惑いながら、次第に心を重ねていく二人。

 
 第2作目:『愛と死の絡繰(からくり)―北京の月季(イエチエ)(ばら)の増補版-』(550枚)360円、390円、3150円
 
 第25回新風舎出版賞の2次通過の長編小説。停年間近のサラリーマンと中国娘の恋の道。信一は佳作を自費出版後、新人賞を狙う。麗梅に小説創作を手解きするが、思わぬ結果を招いた。文化と習慣の違いに戸惑いながらも結婚し子宝に恵まれるが、インド洋大津波に遭遇して驚愕の事実を知る。また、日中戦争時の叔父の悲恋の相手が意外な人物と推定された。失明の危機など苦境を乗り越えた信一の晩年に待ち構えていた虹色の世界とは・・

 
 第3作目:『生かされて華開く―世界的新薬開発の裏窓―』(180枚)140円、315円、1680円

 第27回新風舎出版賞の共同出版化推薦作。世界的新薬開発のマル秘情報を虚実織り交ぜて執筆。猫背で苛められた少年が、母、母の元恋人、姉、友人に支えられ、製薬会社で新薬開発に奮闘。研究で挫折を繰り返していたが、ひょんな事から諦めていた新妻を迎え、張りが出る。競争者の欝発症や自殺などの辛酸を舐めたが、世界的新薬の開発は成功するのか・・。研究者の0.001%しか成功の女神は微笑んでくれない。

 
  第4作目:『ネガの絆―歌咲くクラス仲間―』(230枚)0円、0円、1880円

 第26回新風舎出版賞の共同出版化推薦作。生老病死の断面をえぐった物語。両国高校から東大に現役合格し、産婦人科助教授に昇進した後、病院経営を成功させた徳夫は、小学校のクラス会を開催し、約50年振りに会った仲間の波乱に富んだ人生を聴いた。幼き頃の友と関わった心の傷が疼く。歌好きな恩師に、送ったネガが生きる喜びを与えた、そのネガの中身とは・・。晩年に忍び寄る黒い陰・・

 
 第5作目:『縁(えにし)の環』(224枚)160円、315円、1850円

 第28回新風舎出版賞の共同出版化推薦作。ゆすられていた所をヤクザに助けられた小娘の波乱に富んだ半生。そのヤクザとの同棲、愛娘との理不尽な別れ、ヤクザの死、新たな恋人の出現を経て、ひょんな事から双子の姉の存在を知る。姉の運命とは・・。愛娘との再会を望み、必死に働く母の願いは天に届くのか・・。小娘にまとわり付いた縁の環が次々と明らかになる。

 
 第6作目:『南無妙物語(心の一滴)』癌シリーズ①(160枚)140円、300円、1675円
 
 第23回新風舎出版賞の共同出版化推薦作。喀血した僧が入院中、妻に鎌を掛けて末期癌を知り、自殺を図るが、未遂に終わる。兄は産婦人科教授でその病棟に居る子宮癌の老婆と白血病の孫娘の存在がすさんだ僧侶の心を徐々に和らげてゆく。無事退院した老婆は寿司を握り、兄弟を持て成す。死期が迫った僧侶は老婆の家で膝枕をして貰う。葛藤を抱えながらも力強く生き続ける登場人物、その葛藤の正体とは・・。

 
 第7作目:『挑戦の座標軸』癌シリーズ②(164枚)140円、315円、1675円

 第21回新風舎出版賞の共同出版化推薦作(短縮版)。大学で恋焦がれた雅美を癌で失った雅彦は癌研究者になった。母と妹の癌発病に、自責の念に駆られる。2人の命の長さは・・。制癌剤の開発は間に合うのか・・。ひょんな機会から雅美似の雅江に会い、紆余曲折を経て停年結婚する。天国からの見合い相手が雅美で、驚愕し、この世で家族を持ってしまった雅彦と雅江の決断とは・・。

 
 第8作目:『希望の確率』癌シリーズ③(300枚)200円、315円、2210円

 第5回新風舎出版賞の共同出版化推薦作(長編)。息子の結婚相手の出現により、過去の封印が解かれた。婚約者を襲った乳癌、希望の確率は零か? 見合い相手の社長令嬢との間で苦悩する誠が仕掛けた罠とは・・。老境期に弱者の心境を噛み締める。バブル期から崩壊までを一流銀行で過ごした誠の波乱に富んだ心の闇の軌跡を重厚なタッチで描く一大ドラマ。

 
 第9作目:『赤い笹舟』戦争シリーズ①(114枚)90円、315円、1470円
 
 老婆は娘と孫娘に付き添われ、兄と夫の遺品を求めて南京市の『侵華日軍南京大虐殺遭難同胞記念館』を訪れた。果たして、望みは叶うのか? そこで、日本留学を夢見た少女が日本青年に恋をし婚約するが、日中戦争が婚約者の運命を変えた事を知り、また裕福に育った女医が残留孤児と聞き、戦争が巻き込まれた人々の心身を蝕んでいると痛感する。今後の交流を通じて、隣国同士のささやかな民間外交を誓い合う。

 

 第10作目:『炎に死す(改訂版)』(162枚)170円、315円、1650円

 第1回『鶴』シニア自分史大賞入選作(1998年)の改訂版。彼との絆に縛られた雪絵の運命舟の行方は・・。都会の片隅で健気に生きる雪絵の半生。両親と末妹が亡くなり、生活保護を受けながら婆ちゃまに育てられた雪絵が、中卒後、同期入社の大卒の昇一に出会い、テニスの手解きを受け、頭角を現わす。憧れ、恋、結婚に関する2人の時間差が心のすれ違いを生んだ。部長の娘と結婚した彼は出世の階段を昇る。

 

 第11作目:『いろはにほへと』戦争シリーズ②(108枚)90円、315円、1470円
 
 召集令状一枚で日中戦線に狩り出された剣道場主の長男剣崎鋭介が過酷な体験から狂人と化し、『百人切り』と恐れられる。義弟の憤死、戦友の犬死・・。
戦乱に咲いた中国娘との不可思議な愛と日本人の子を身籠る中国女に対する無礼打ちの際頭に浮かんだ隻眼の妹が人間性を取り戻させる。南京城陥落に貢献したが、時が流れ、戦犯に問われた鋭介の運命は? 色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ ・・

 

 第12作目:『ナナカマド』戦争シリーズ③(156枚)140円、315円、1630円

 「いろはにほへと(戦争シリーズ2)」の続き。日中戦争で敵味方の孫世代がひょんな切っ掛けで出会い、愛を育み、紆余曲折を経て、結婚へと漕ぎ着ける。そこには健治の祖父の働き掛けがあった。式場で祖父は京華の祖母にあの時を尋ねる。祖父母の秘められた複雑な過去とは? 陽と陰を引きずりながら、生き続ける人生模様。浮かび上がる戦争による庶民の運命の軌跡・・。日中間の架け橋になろうとする新郎新婦の意気込みが伝わってくる。


高木徳一の11、12作目の小説出版と44作目の『旅愁散文詩』(巨人戦)

2009-07-16 11:29:36 | 出版

 お早う御座います。

関東が梅雨明けとなり、30度を超える猛暑が続きそうです。体調には気を付けましょう。

 昨日、メタボ検診を受けてきました。どこも異常が無いからと言って安心は出来ませんよ。検診は当然、調べた範囲、項目が大丈夫と言う事ですから。元上司が人間ドックでどこも悪いところが無く、翌年の退職後夫婦で世界一周をすると張り切っていましたが、翌年スキルス胃癌になり、敢え無く帰らぬ人となってしまいました。スキルス胃癌は粘膜下層に広がるので、表面を観察しただけでは見付からなかった訳です。従って、何らかの症状が出たら、専門医を訪れ、1ヶ月も症状が取れなければ、他の専門医を訪ねるのがベターです。現在は、日進月歩で癌の診断技術、治療法、治療薬が改良されていますので、初期、中期なら治癒の可能性が大です。キャシー中島さんの長女が肺癌で亡くなった由。お悔やみ申し上げます。

 さて、政治面では都議選で与党が大敗し、与党内が混乱中です。自民支持層の一部と浮動票の大部分が一度民主党に政権を担当して貰って、新しい力で特に景気回復、行政改革、福祉、医療、教育に邁進して欲しいとの願いからだと思います。

経済では、エコカーの売れ行きが好調で、米国の大手金融機関の上位社の収益が増加したとの記事がありましたね。中国、インドの経済成長にあやかって、世界の景気も上向きを期待します。

 スポーツ界は華やかですね。ボクシングの長谷川穂積選手が9度目の防衛戦で1回TKOを果たし、あの強さに驚きました。母上が大腸癌の治療中で、確か中性子照射の1回で300万円の超高額だそうです。もっと安価になって貧乏人でも受けられるようになって欲しいものですね。栗生選手は残念ながら王座を明け渡しました。捲土重来です。

高校野球の地区予選が始まり、新聞紙上を賑わしています。

巨人は、昨夜ヤクルトに13:7で華々しく散りました。途中でラジオのスイッチを切り、テレビでドラマに切り替えたのです。余裕で、心は痛みません。47勝25敗7分なので。高橋、野間口両投手の乱調では仕方ありません。小笠原選手の2本塁打5打点が救いですね。阿部選手の腰痛離脱、ラミレス選手、坂本選手がやや下降気味が気になりますが。17日からの阪神3連戦を2勝1敗のペースでお願いしますよ。

大リーグではWBC参加組みではイチロー選手一人の活躍が目立ちます。後半戦、他の選手も頑張って欲しいです。

 大相撲も始っておりますが、横綱を狙う日馬富士もライバルの琴将菊に完敗で今後が心配です。白鵬、朝青龍の両横綱を倒す稀勢の里らの若手の成長を望みます。

 文学面では、141回芥川賞に磯崎憲一郎さんの『終の住処』、直木賞に北村薫さんの『鷺と雪』が15日に決まりましたね。ご両人様、お芽出度う御座います。磯崎氏は三井物産に勤務しながら執筆活動をして、07年に文芸賞、08年に芥川賞候補になったとの事。一方、北村氏は国語教師から作家デビューし、91年に日本推理作家協会賞、06年本格ミステリ大賞、その後直木賞候補6回目になって、デビュー20年目にして直木賞を受賞の由。継続は力なりを教わり、元気を貰いました。

 今回、戦争シリーズの11作目と12作目を同時に『物書きネット』『でじたる書房(申請中)』『ホンニナル出版』で出版化しましたので、お知らせ致します。

 11作目:『いろはにほへと(戦争シリーズ②)』 物書きネット90円、でじたる書房に申請中315円、ホンニナル出版1470円(B6で62頁、税込み)

 召集令状一枚で日中戦線に狩り出された剣道場主の長男剣崎鋭介が過酷な体験から狂人と化し、『百人切り』と恐れられる。義弟の憤死、戦友の犬死・・戦乱に咲いた中国娘との不可思議な愛と日本人の子を身籠る中国女に対する無礼打ちの際頭に浮かんだ隻眼の妹が人間性を取り戻させる。南京城陥落に貢献したが、時が流れ、戦犯に問われた鋭介の運命は? 色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ ・・

 

 12作目:『ナナカマド(戦争シリーズ③)』140円、315円(申請中)、1630円(B6で84頁、税込み)

 「いろはにほへと(戦争シリーズ2)」の続き。日中戦争で敵味方の孫世代がひょんな切っ掛けで出会い、愛を育み、紆余曲折を経て、結婚へと漕ぎ着ける。そこには健治の祖父の働き掛けがあった。式場で祖父は京華の祖母にあの時を尋ねる。祖父母の秘められた複雑な過去とは? 陽と陰を引きずりながら、生き続ける人生模様。浮かび上がる戦争による庶民の運命の軌跡・・。日中間の架け橋になろうとする新郎新婦の意気込みが伝わってくる。

 これで12作目の出版化が終わりました。現在2作を新人賞に応募中。『黒い服の客』の執筆を続行中です。

 

 最後に、44作目の『旅愁散文詩』をご覧にいれます。

  四十四. 米国ボストン (ロブスターとの格闘)

                 昭和六十年五月

   怖いニューヨークを後にして、ボストンへの列車に乗った。その地は北緯42度、日本では室蘭辺りである。車窓からの5時間の眺めを愉しんだ。喧騒のニューヨークから一路北へ。海岸沿いに走り、前方にロング島を見やりながら、右手に大西洋の海原を、左手に大平原を、喬木から潅木へ、広葉樹から針葉樹への移り変わりがこの目に飛び込む。車外の寒さを感ず。

 ボストン駅に着いた。プラットホームが線路と同じ高さなので驚いた。日本で経験した事の無い事の一つである。旅行社がチャーターしたバスで塵一つ無い茶の舗装道路、手入れの行き届いた緑、ガス灯のあるレンガ造りの家並、石畳の街路を、そこかしこに見ながら、高級ホテルで格式高いコプリー・プラザホテルに到着した。大理石のバスルーム、トイレ、ツイン部屋。ベッドの縦と横が狭く、おや・・、日本人(東洋人)向きにしつらえた部屋かなと苦笑した。

 盛装の若き男女が行き交うフロント。間も無く音楽が漏れ出てきた。(ははーん、ダンスパーティーだな)高校3年から大学生位の男女が何組もステップを踏んでいる。目パッチリ、ピンクのドレスにふくよかな肉体を包んだ娘が出て来た。二言、三言言い、手であっちへ行けと言うジェスチャーだった。何を言ったか、聞き取れなかったが、部屋の中を覗いたり、入ったりしちゃあ駄目よ。貴方方の来る所じゃないわと言うような意味であったろう。(何を小生意気な小娘よ。親のすねかじりで、服を買って貰い、高級ホテルでダンパを開くなんて)と、つい大人気なく心の中で呟いてしまった。言葉が判らないため、相手の真意を汲めず、勝手に当方がひがみ根性で悪く解釈したのかも知れないが。何はともあれ、言葉が正確に掴まえられなければ、感情が一人歩きする事を知った。言葉の内容もさること事ながら、相手の感性に訴えるボディーランゲージも一層重要である事を思い知った。

 4階の我がルームに戻ろうとして、廊下の角を曲がった所で、英語で話し掛けられた。「451号室は何処でしょうか?」「僕は453号室ですから、ご案内しますよ」

宿泊の場合は、小心なため必ず建物の間取り、非常口を頭に叩き込んでいる。あの映画、『タワーインフェルノ』、また日本でのホテルニュージャパンの大火災のテレビ映像を脳に深く刻んでいるので。深酔いしてたら役に立たないかも・・。

「この建物は古く、継ぎ足したりして迷路みたいですね」と言いながら、、壁に指で、間取り、エレベーター、非常口を描き、教えてやった。アメリカで役に立とうとは夢にも思っていなかった。聞いたところによると、母娘で南部のマイアミから旅行に来たとの事。母親は60前後の小太りで白髪であった。娘さんは年の頃35位か、背は170センチ位で、顔立ちはあの『終着駅』のキャサリン・ヘプバーンばりの美女であった。別れ際、母親が、「貴方は日本からいらしたのね」「そうですよ。良く判りましたね。中国人、韓国人、台湾人と間違わずに」「そりゃあ、判るわよ。どうも有難う」「いいえ、どう致しまして。それじゃ、また」

経済大国日本がアメリカの庶民にも知れ渡っているのだなあと、つくづく思った。(後で、部屋の方に遊びにいらっしゃいよ)と言ってくれるのを内心期待したが、映画のストーリーみたいはいかないものだ。部屋に入り、(いやあ、誘うのは女性からでなく、男性からなのかなあ)とか、(この辺の地理は不案内で良い場所も知らないし、また初対面で女性2人の部屋で飲むのも気が引けるし・・)とか思いつつ、何時しか寝息を立てていた。

 夕食は52階建て(229米)のプレデンシャル・タワーの屋上レストランで午後7時から今回のパックツアーで一緒になった製薬会社の男と摂った。午後9時になっても周囲は白々としており、チャールズ川のヨット、トリニティ教会の尖塔、ボストン塔、マサチュセッツ工科大、ハーバード大が展望出来た。民衆は午後10時頃まで外食し、遊んで、翌日の仕事に差し支えないのかと、他人事ながら心配した。テレビでかつて見た大きなロブスターが一人に1匹が目の前に出され、ペンチの使い方を教わり、食べてみた。確かに美味! その内、手が痛くなり、ペンチ労働でエネルギーを消費してはロブスターを食して栄養補給している自分に気付いた。手の運動、口の運動の繰り返しで疲労困憊し、三分の一を残す羽目になった。

 1636年創立の米国最古の大学ハーバード大学で『抗潰瘍剤ファモチジン(ガスター)の薬理学的研究』に関する我が学術論文をポスターセッションではあるが、発表出来た光栄は何時までも心に残り続けるであろう。

奥の校舎は蔦が絡まる赤レンガ、その前庭から白、黒、黄の膚の学生の談笑が聞こえてきた。  

                                 〈了〉


入選作の改訂版のご案内と43作目の詩の続き(巨人戦)

2009-07-01 11:32:07 | 出版

 今日は。

本格的な入梅になりましたね。この一週間は雨模様。

 政治では、都会議員選挙、解散・総選挙が話題です。鳩山民主党代表の個人献金が問題になっていますね。故人の名前や献金の覚えのない人の名前、また5万円以下の名前を出さなくてよい献金者が突出して多い事実など。公設秘書個人の責任だと解任した由。今後の調査、対応が注目です。

 経済では、底を打ったと政府は言っておりますが、庶民感覚では給料、ボーナス減と失業者の増加などでまだの感です。日経平均株価は7000円台の底から1万円にまで戻しておりますが。

 芸能面では、マイケル・ジャクソン氏(50歳)の急死には驚きました。8歳から歌とダンスに才を発揮し、一大旋風を巻き起こし、遺産が何百億円とあるそうです。幼少期からの活躍に美空ひばりさんを思い出します。彼は顔の整形や黒茶色から白顔にしたりして、痛み止めなどの薬を多く服用していたとの情報もあり、疲労と薬物による早死にかも知れませんね。今テレビで後追い自殺者が十名に達したと。命は大事にしたいものですね。

 野球は、巨人が昨夜ヤクルトに東野投手の頑張りと山口投手の安定した押さえで、また打撃人では松本選手、ラミレス選手、谷選手が適時打を放ち4:3で辛くも勝って、40勝20敗6分で2位のヤクルトに4ゲーム差となり、ほっとしました。ここにきて投手陣が安定し、打撃陣も各人の持ち味が出てきました。後は、李選手の一層の復調とクルーン投手、マイケル中村投手のカムバックです。前にも書きましたが、余り突っ走ると面白みが薄れるし、ドキドキハラハラさせられるのも心臓に悪いです。悩みは尽きませんが、巨人を一生涯応援いたします。太田選手の成長が楽しみです。

 さて、小説の方はやっと第1回『鶴』シニア自分史大賞入選作(1998年)の改訂版を出版しました。これは『ホンニナル出版』10作目となります。入選作の評価として、社長、編集長からは1.婆ちゃまが生き生きと描写されている 2.描写が細かすぎるところがある 3.場面転換が不鮮明なところがある 4.余韻を持たせるように また友人からは1.婆ちゃまは作者の母親をイメージしていると思われる 2.当て字があるので、辞書を引く 3.古い言い回しは新しい言葉に 4.地の文が短文で、体言止めが多くて脚本を読んでいるようである 5.性描写が物足りないとのコメントを頂きました。今回これらを参考に改定しましたので、処女出版作の改訂版をご一読願えれば幸いです。

 本の紹介:彼との絆に縛られた雪絵の運命舟の行方は・・。都会の片隅で健気に生きる雪絵の半生。両親と末妹が亡くなり、生活保護を受けながら婆ちゃまに育てられた雪絵が、中卒後、同期入社の大卒の昇一に出会い、テニスの手解きを受け、頭角を現わす。憧れ、恋、結婚に関する2人の時間差が心のすれ違いを生んだ。部長の娘と結婚した彼は出世の階段を昇る。

10年前に75万円の大金で自費出版した理由と自分史なのに主人公が女性の理由については本のあとがきで明らかにされます。あなたの推理は?

 購読方法は;

1.電子書籍の閲覧のみ(170円)

  左上段のリンク先の『物書きネット』をクリックし、『作家の街』、『1棟目』、『008号室、小説家徳さん』を次々とクリックします。

2.電子書籍の閲覧、印刷可(300円)、申し込み中で3、4日後に掲載される予定

  左上段のリンク先の『でじたる書房』をクリックし、著者検索で『高木』と入力します。

3.配本(本税込みで1650円)

  手数料と配送料が掛かりますので、他の作品とまとめ買いがお勧めです。購買料金3000円以上で配送料525円が無料に、また手数料は代引きで315円がクレジットカードでは無料の特典あり。

  左上段のリンク先の『ホンニナル出版』をクリックし、左下段の著者別一覧をクリック後、  書籍検索で『高木』と入力します。ページビューはそこをクリックし、+の丸印をクリックすると拡大され、2ページ分が読めます。

 出版界は不況と言われていますが、太宰治生誕100年記念イベントが活気を呈し、また村上春樹著『1Q84』が140万部の売れ行きと聞いて、驚嘆しました。やはり、文学賞を受賞し、有名にならなければと痛感する次第です。でも、口コミも馬鹿に出来ません。一読され、面白かったら友人、知人に他の著作を含めお伝え下さい。ネット検索で『高木』と入力すれば30社のブログに入れますので。よろしくお願い申し上げます。

 最後に、43作目の『旅愁散文詩』の続きをご笑覧下さい。

  四十三. 米国、ニューヨーク (自由の女神の大修理)の続き

                  昭和六十年五月

  公衆トイレに驚いた。隣の足がよく見えて、落ち着かない気がした。出入り口でペーパーを渡す男が居て、チップを払う男も居る。

 パン、ジャム、ハム(ベーコン)、ミルク(コーヒー)の食事に飽きてきたなり。和食を求めて歩くなり。和食の店の従業員は皆日本人なり。ホッと一息ついた。隣に座った小父さんに話し掛け、お子さんへの土産にと十円、五十円、百円の硬貨を渡せば、義理堅くコインをくれにけり。腹は一杯、ビールでほろ酔い。支払いの段になり、チップの一割計算に酔いは覚めた。胴巻きにトラベラーズチェックと現金で百万円相当を入れていた。治安の悪さは天下一品、ニューヨーク。新聞、テレビ、映画で、殺人は日常茶飯事に起こっている事を知っている。静かにホテルに帰るなり、テレビのスイッチをひねるだけ。ピーコ、ピーコ、ピーコ、窓から入るパトカーのサイレン続けざま。

 学会場のニューヨークヒルトンを出でて、目と鼻の先にあるセントラルパークへ。赤信号なのに渡る人が何人もいてびっくり仰天! 自分の責任において行動するのがアメリカ人なのだと言う事を、後日、日本に帰ってから新聞で知った。

雲一つなきアメリカ晴れ。スラーッとしてがっしりとした体躯の黒人青年の群れに道を空けた。パークの池で魚釣りを楽しむ孫と老人。話し掛けたら、「おお、日本から。このラジオは日本製よ。中々性能良いね」と言われ、いい気分。

 教会のあの高さ、あの荘厳さ、エンパイヤステートビルにも驚いた。いかに地震が無いとは言え、よくもまあ上へ上へと延ばしたもんだと感心した。

 ブロードウエーを南下して、マジソン広場、チャイナタウンを経て、バッテリーパークにバスで着いた。身体中包帯だらけのリバティー島の『自由の女神』が向こうに見える。大分重傷とのとの事。運悪く、大修理の真っ最中であった。

                                   <了>