自著の小説・詩の紹介(巨人戦)

ブックマークに、歌謡詞、旅情詩の無料サイトと小説の電子版有料サイト。毎月1と15日に小説の執筆状況、歌謡詞等を掲載

高木徳一の小説執筆の状況と14作目の詩

2008-03-15 15:01:50 | 小説

 今日は。

 昨夜来の雨が上がり、白梅、紅梅がニコニコと太陽に微笑んでいます。

 この所、米国が発信源の株価暴落、円高ドル安で金融、経済が不安定になっているので、早急な対策が望まれますね。

 さて、スポーツ界では、大相撲は両横綱の圧倒的な強さが目立ち、大関の奮起を期待します。若手の稀勢の里、安美錦が順調ですよ。ひたむきにプレーする選抜高校野球が待ち遠しいです。

 小説『赤い笹舟―女達の心理戦争―』が完成し、月曜日に新人賞に投稿します。内容は中日戦争時の悲哀と愛を中国女性の視点で描きました。次は、日本男性の目線で物語を紡ぎます。いずれも投稿半年後位には、『ホンニナル出版』サイトに紹介文を掲載予定です。

『ホンニナル出版』サイトhttp://www.honninaru.com/web_order/publish/に、リピーターの愛読者の為、著者別の索引を付けてと要望した結果、サイトのマーケットをクリックすると左側にキーワード検索の窓が出来、そこに著者名や本の題名(その一部でもOK)を入力すれば即表示されます。試して下さい。

それでは、学生時代の体験を綴った『旅愁散文詩』をご笑覧下さい。

 十四. 千葉県蓮沼海岸(夕陽の地引網)

             昭和四十一年五月

  (一) 大学の午後の物理をさぼりなん。汽車に飛び乗り、友と三人。

      後ろめたさを忘れなん。

      畑野を突き抜け横芝へ。田舎の駅の佇まい。徒歩にて十分、

      林に囲まれし農家。

      「こんにちはー」「・・おおー、英(ひで)ちゃん、よく来たわ」

      爺ちゃま、婆ちゃまの声がする。

      「友達連れて遊びに来ただ」「おお、そうかね。ゆっくりしてき」

      友の伯父の家なりき。息子さんの案内(あない)にて。

      庭、畑一面に、煙草の木あり。葉っぱを乾燥させて出荷すると。

      わが父の仕事の源流。タバコ専売公社の原料加工課を訪ねた事

      はなかりけど。

  (二) ブーブー、ブウー、ブウーと豚の群れ。大豚子豚入り乱れ、異様な

      臭い鼻につく。

      「何だ、ありゃー!」

      螺旋状の錐を見た。種保存のオチーンチンだと。餌にパクつき、

      ヒトに食わるる。養豚の一生は短かりき。

       オレンジ色の大きな夕陽、水平線に浮いている。

      波は静かだ。近所の子らに混ざりて、エンヤーコラ、エンヤー

      コーラと地引網を引く。ピシャ、ピシャ、ピシャと波が騒ぐ。

      魚屋の魚(さかな)と同じ魚(うお)が跳ね上がる。

      労賃だと四匹貰い受け、すぐさま焼いて食べたっけ。

     


先輩著作の書評(糖尿病予備軍へのメーセージ)

2008-03-10 21:58:40 | 本と雑誌

 今日は。

 東京は紅梅、白梅が満開となり、春雨がしとしと降ったり止んだりしております。明日から暖かくなるそうです。

今日はブログの臨時書き込みです。先日千葉大薬学部の4年先輩(歳は2歳上)から『人体実験のススメ―糖尿病予備軍へのメッセージ―』著者 北海道大学名誉教授・薬学博士 鎌滝哲也、発行所 株式会社 最新医学社、268頁、定価(本体価格1500円+税)の本が謹呈されました。3月10日に本屋の店頭に並ぶ由。感想なり、書評をブログで宣伝してとの事でした。

 10年前に自費出版小説『炎に死す』(鶴書院、同人誌佳作品)を贈呈したので、そのお返しかなと思いました。また、自分は薬学を修め、他人の健康を守り、病気治癒を目指しているのだから、自分が病気になっては物笑いものだとの信念で、酒、、食べ物、睡眠、仕事などのストレスも程々にし、趣味の野球、軟式テニス、詩・小説創作を愉しんできました。お蔭様で糖尿病、高血圧、癌などの慢性的生活習慣病は現時点ではありません。8年前に頚椎症になりましたが、現在まで悪化はしておりません。盲腸炎、痔、輸尿管結石は一過性に経験しましたが。そんな訳で、糖尿病の話は教科書で知っているだけで充分で、自分には関係ないと思っていました。所が、北京に赴任中同期の桜が或る日マンションで冷たくなっておりました。彼は糖尿病で薬を飲み続け、医者から断酒しないと長くはないと言われたそうです。でも、太く短く生きるんだと主張し、接待で酒を痛飲し、油こってりの中華料理を食しました。お母様が北京に見えられ、荼毘に付し、帰国後寝込まれました。

 また、従弟も8年前に医者から重度の糖尿病なので直ちに断酒せねば後3ヶ月位の命だと宣告されたそうです。気の小さい彼は震え上がり、医者の言い付けを守り、窮地を脱しました。現在、血糖値が正常の上限あたりになったので、焼酎をお湯割して少し飲んでおります。

身近にあった極端な例が私に糖尿病の恐怖を植え付けたのです。

そう言う思いで、先輩の著作を紐解きました。

感想を列挙します。

1.真面目な研究者だったので、 文章は硬く論文調では無いかと危惧しましたが、出版社社  長の補筆を得たと正直に記載されている様に、砕けた口調で、体験と伝聞が面白く書かれています。

2.目次の項目数がかなり多く、読むのに骨が折れるし、またポイントが霞むのではないかと  不安でしたが、簡潔に書かれていて、その都度『人体実験の教訓』として一行のまとめがあり、頭に刻まれます。

3.人体実験の発端は、人間ドックで糖尿病予備軍と診断され、医師や栄養士からあれも駄  目、これも駄目と言われ、酒や食の楽しみを奪われたので、逆の発想でこれなら大丈夫、これ位ならOKで病状を悪化させず、改善に向かわせる食生活や習慣を薬学者らしく、事実に基づいて調べたいと思った由。毎日違う指に一針刺してその一滴から簡易型血糖測定装置で血糖値を測り、どの様な食べ合わせが良いか分析しています。

4.皆さんもご存知の様に、油っぽい物やお酒を多く飲むと糖尿病になり易いですね。実験の  結果、血糖値に殆ど影響を与えない美味しい食べ物を提供しております。主食、野菜、肉類、豆類、魚なら何が、コーヒー、紅茶などの飲み物はどうか。日本酒、焼酎のお湯割り、ウイスキー、ワインの内どれが良いかが判ります。

5.印象に残ったのは、学会の懇親会で酒や食べ物を摂った翌日は必ず血糖値が上がる  が、懇親会後カラオケに行くと血糖値がそれ程上昇しなかったと言う事実です。接待でなく、気の合う友人と歌った場合にストレスがなく、それが血糖値の上昇を抑制したとの事です。夢や希望を持って、社会生活を営んでいる以上、ある程度のストレスは必要ですが、過度はいけませんね。ストレスの発散方法を各人が見つける事です。

6.夫婦円満の秘訣も記載されていますが、奥様の意見も聞く必要ありと思いました。

7.気楽に読めて、己の人体を使って証明した事実は現在予備軍の方は勿論ですが、掛け  替えのない家族、友人にも口頭や回し読みで伝えて下さい。この本が早く世に出ていたなら、同期の桜の死を遅らせる事が出来たかも知れません。

 

 なお、私の現代小説は心の栄養ですので、是非友人に回覧して下さい。


高木徳一の小説の執筆状況と13作目の詩

2008-03-03 14:30:15 | 小説

 今日は。

 寒さが緩んでまいりましたね。家の白梅が満開で、紅梅は三分咲きになり、春を感じます。

 水元公園の鳥が運んだと思われる実が二十年の歳月を経て、大木となり、一昨年から夏蜜柑としてビタミンCの恵を与えてくれております。

 明日は会社のOB会『雅文化サークル』主催の上野鈴本亭での落語を聴きに出掛けます。笑いは健康の元、大いに愉しんできます。昨年は浅草演芸場で聞きました(これが生の始まりです)。

 野球はオープン戦がたけなわで、新しいスターの誕生が待ち遠しいですね。スキーモーグルW杯では上村愛子さんが二連覇。広州で開催されている世界卓球では惜しくも男女とも銅メダルに終わりました。中国が英才教育で圧倒的な強さを誇り、出場機会を求めて日本、韓国、シンガポールなどの国籍を獲得した人もいる由。広州と言えば、北京から出張した際四車線の両脇に広葉樹の法国梧桐樹(フランス・プラタナス)が緑葉を広げ、トンネルとなり、夏の日差し除けとなっていた事を思い出します。

 小説、『赤い笹舟―女達の心理戦争―』の私設編集長のコメントは、『フラッシュバック(回想場面)の中に、またフラッシュバックがあり、判りづらい。また、婚約者同志の性愛描写よりルームメートの同性愛もどきの描写の方が濃密で、逆にしたらどうか』でした。自分では、奇抜で面白いと思ったのですが、彼の意見を取り入れて直してみると、スッキリしました。やはり、独りよがりだったのでしょう。一週間後に再読し、新人賞に応募します。

 それでは、『旅愁散文詩』の13作目を贈呈致します。

 十三. 群馬県鬼押し出し・『浅間火山博物館』(万物流転)

                    昭和六十三年十月

  (一) 浅間山の大噴火、夜空を焦がす大火柱

      ドドッー、ドドッーン、ドドッーン

      間断なく流れ来る真っ赤な溶岩流。

      「駄目だ、逃げおおせない、誰か助かれー!」

      人の気持ちなどお構いなく、子供を、大人を、

      家畜を、家を、樹木を、村を一飲みに。

      石段を昇り詰め、社に辿り着いた二十数名。

      傷だらけの身体の痛みを忘れ、暫し呆然。

      眼下は地獄絵そのもの。

  (二) 已む無く再婚し、自然を呪いつつ子を産む。

      自然も春夏秋冬を繰り返し、村人の気持ちを和ませる。

      村を立て直し、村人の顔にも何時の日か明るさが・・。

      溶岩樹型があちこちに、焼け爛れた樹木が幾星霜

      立ち尽くす。

      ガスが抜け、軽石状に穴が開き、ぶつぶつしている奇岩、大岩。

      生を全う出来なかった村人の顔、顔がその穴から今にも顔を

      見せそうな。

  (三) 万物流転、歴史は繰り返す。

      珍しき景観を愉しむ観光客多し。

      自然の偉大さ、恐ろしさに素直に立ち向かいて、

      人間の英知を結集し、科学技術を発展させ、警戒心

      怠るべからず。

      現代もなお、三原山、十勝岳噴火、アルメリア地震と、

      大自然はあいも変わらず生き続けている。