昨日、宇都宮から福島県に戻る時、
すっかり遅くなってしまい、家路を急ぎながら
東北自動車道を自動車で走行中
PM7:00 ラジオから冒頭から朗読で始まり、男の人の声で
重く、静かな、でも意志強固な感じの朗読が長く、ながく・・ しかし、しっかりとつづいた。
随分思い入れのある、 熱いオヤジだな。と、思って聴いていたら・・
朗読終了後、その男は 「 長渕 剛 」 と、名乗った。
思いが強い分、リスナーからの意見はいろいろあるだろうが、
理屈抜きに私には、長渕さんの 意思 ・ 気骨 ・ 気概 ・ 心 が、伝わった。
彼の心の叫びを聴き、
被災にあって私自身も仕事や日々の生活で、明るく立ち向かっていこうとやってきているが、
何か全部、我慢していたことや
自分の思いを彼に吐露したい衝動にさえ、駆られた。
人がやっていることを非難するのは簡単だが、
自分から意志をもって行動するのは、並大抵のことではないと思う。
朗読の内容をここに紹介する。
復興
憎い
憎い
私は 自然が憎い
憎い 憎い 私は 海が憎い
たわむれ 優しく 大きく 父のような海だったのに
恐くて憎くて たまらない 許せない 絶対に許さない
こんなに あなたを 愛して 生きてきたのに
なぜ 海よ あなたは 私たちを壊す?
なぜ 何もかも奪い去る?
なぜ こんなにひどい事をする?
私たちが 何をした?
私たちの営みは
先人たちの教えを守り
繁栄に あぐらなど かかず
せっせせっせと汗水唾らし
大地と海に敬礼し漁に出た 畑も耕した
陽が沈む水平線に しあわせの涙を少しだけ流し
ささやかな営みに 家族と笑い
白き鳥のさえずりを追いかけ
嘘をつかずに懸命に生きてきた
なのに海よ なぜにあなたは私から全てを奪った?
私たちが狂ったのか 全て悪いのは私たちなのか
いいや! ちがう! 決してちがう! 私は言おう
地球よ 貴様が狂っている あなたが 狂っている
あなたに わかるか?
あなたに私の想いがわかるか?
小高い丘の上から
ただそれを見つめることしかできなかった無力な私の想いを
私たちの親が… 友人が… そして
愛する我が子が…
犬の太郎も家も机も写真も何もかも
貴様が犯した濁流に飲み込まれた
私は… 私には…
そんな私の想いに海よ あなたは何と答えてくれるのですか
海よ 貴様は どう答えてくれる?
どう答えるかと聞いているんだ!
そうやって ただ黙り
何もなかったように今日もおだやかをよそおっている
はっきり言おう
いいか 海よ
私たちは貴様から決して逃げはしない
私たちは連帯という武器を今 首にかけ
静まりかえった貴様のふところへ
壊れた船であろうとも さらに両の手で漕いで生く
私たち人間の力をみくびると
ただではおかない
そして さらに
私たちは強固な絆を結び
まもなく立ち上がる
そして叫ぶ
家族を返せ!
友を返せ!
家を返せ!
ふるさとを返せ!
犠牲になった命の破片を
高らかな怒りの帆に吹き付け
今 狩りに出かける
自然よ 海よ 大地よ 空よ
覚えておくがいい
俺たち漁師は 貴様が思っているほど弱くはない
私たち農夫は 貴様が思っているほど軟ではない
屈強な精神と肉体に
まもなく「覚悟」を宿らせる
そして怒る わめく 叫びちらすのだ
『生きる覚悟があるのだ!』と
一国心中などなるものか!
今こそ このむごたらしい現実を直視したからには 瞳をそらさず
ゆっくり立ちのぼってくる生き物の息吹に手を打ちならそう
どんなにささやかでもいい
勇気ある小さな者たちを どんどんグングンたたえるのだ
共に拳が上がったら 一目散に駆け上がれ
生存せよ!の方向へ駆け上がり
立ち向かうのだ
たとえ それが自然という憎き相手でも
私たちは決してひるまない
憎くても
怖くても
許せなくても
それでも
私たちは あの場所を
この国を
愛してやまないのだから
音楽家 長渕 剛
約1時間の 東北大震災復興支援のためのラジオ番組だが、
今までの著名人の被災地、被災者に対するいろいろな ”声かけ” も 有難かったが、
今回の長渕 剛さんのは、
何よりも 心が揺さぶられた。
帰り道は、自動車の中で必ず助手席で大きな口?を開いて寝ているかみさんも
後部座席で、たいがい横になって 乙女とは思えない?寝顔の状態の次女も
いつもと違い、
そのラジオに聞き入っていました。
来週も拝聴させて頂きたい。
威風凛々と生きる!
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