ヘリコバクター・ピロリ菌 電子顕微鏡写真 (ウィキベディアフリー辞典より)
皆さん、ピロリ菌ってご存知でしょうか?
以前は、胃潰瘍の原因菌として知られていましたが、現在では、胃癌のリスクを非常に高める細菌とされています。
私の父も胃癌で7年前に亡くなりました。74歳でした。
胃癌が発見される3,4年前にピロリ菌に感染していると診断され、治療をし除菌に成功しました。その後、年1回の内視鏡検診を強く私は勧めたのですが、本人は除菌出来た事に安心し検診を受けていなかったようです。
胃のひどい不快感を訴え、受診して胃癌がリンパ節転移をした状態で発見されました。数ヵ月後、胃の3分の2を切除する手術をし、その約半年後に肝転移が見つかり、その1年後の5月4日未明に亡くなりました。
そのようにならないために知識として知ってもらえたらと思って記載します。
ピロリ菌は正式にはヘリコバクター・ピロリ菌と言い、この細菌に感染する時期は5歳未満の幼少期と言われています。
5歳未満の頃に湧水や井戸水を沸騰させずに飲んだ記憶のある人は要注意です。また、唾液からも感染しますので近親者にピロリ菌が見つかった方(例えば両親など)がいる人も注意してください。
因みに大人になった方は感染しませんので大丈夫です。
最近までの研究で「萎縮性胃炎」を引き起こす原因のほとんどはこの細菌によるものと分かってきました。この萎縮性胃炎が結果的に胃癌へと進行する場合が多いようです。
「萎縮性胃炎」とは、言葉通り胃粘膜が萎縮した状態で、炎症が長く続き胃粘膜の障害が進むと、胃酸を出す胃腺というものが縮小し胃粘膜が薄くなり、内視鏡で観察すると、正常な胃はきれいなピンク色をしていますが、退色して粘膜の下にある血管が透けて見えるようになってきます。
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると、冒頭に述べた通り胃潰瘍にかなり高い頻度でなります。また、胃部不快感が頻繁にある方も注意した方がいいかもしれません。
私の個人的な意見としてピロリ菌検査を通常の健康診断の項目に入れるべきと考えています。
私の妻もピロリ菌陽性でした。毎年健康診断を受けていましたが、ある年の健康診断の時にDr.から「胃が少し萎縮しているかな?」と言われたそうです。
妻はピロリ菌の事を私から聞いて知っていたので、その場で「ピロリ菌の検査」をお願いしたそうです。ところが、そのDr.は「自費診療になるし・・(健康保険がきかない治療) 様子見てから治療したらどうか?」と、その時は積極的ではなかったそうです。
その話を妻から聞いて私は知り合いのDr.に相談し、ピロリ菌の検査をしてもらいました。案の定、妻はピロリ菌に感染していました。 すぐ治療をし、除菌する事ができました。 妻は幼い頃、自宅の井戸水を飲み水にしていたそうです。
ピロリ菌の検査はいたって簡単です。ピロリ菌検査溶液(ほとんど味なし)を飲んで、30分位横になりそれから検査用の袋に息を入れるだけです。非常に簡単すぎるくらいの検査でわかります。
万が一ピロリ菌に感染していたら、ペニシリン系抗生物質とマクロライド系抗生物質を組み合わせて通常量より多く、2週間ほど服用します。 よって副作用として下痢がおきる場合がありますが、頑張って飲み続けてもらいます。
会社の社員や知人にも症状や状況を聞いて私がピロリ菌の検査をした方がいいなと、思われる人には勧めています。
今までピロリ菌検査を勧めて、Dr.を紹介して検査したら 7人中7人みんな陽性でした。今は治療も完了し、完治しています。
因みに私は陰性でした。 その後も知人と一緒に2回ほど検査をしましたが、どちらも陰性でした。
更にしばらくしてまた、検査をしてもらおうとしたら さすがにDr.に「君は陰性だからもう検査をしなくても大丈夫だよ」と、言われてしまいました。
胃癌の原因菌と言われるピロリ菌は簡単に検査できますし、退治するのもそれ程大変なことではありません。
胃癌の他、子宮頸癌もヒトバピローマウイルスが原因と分かってきてワクチンで予防できるようになってきました。
このようにある程度原因がはっきりしてきている癌は予防できるようになってきているのです。
出来れば胃のピロリ菌の検査をするように心がけてみてはいかがですか?
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