かなり以前から薬剤師の将来について危惧していた。
莫大な医療費が国費を圧迫してきた。国はその医療費を削減、減少させるために長年動いてきた。
手始めとして医師から医薬品を切り離すのが第一段階の目的。その手段として医薬分業を唱えた。医薬分業することによる病院や診療所の診療報酬のアップや薬価差益の圧縮によって、医療用医薬品の購入による利益幅を減少させ、分業することのメリットを前面に出してきた。
これも薬価差益幅の減少をせることにより、製薬メーカーの利益率を上げることにより新薬の薬価決定の際の薬価を多少抑える交渉材料にもなっていると考えられる。
全体として医療用医薬品の薬価圧縮にも多少貢献することが出来る。
国民に対しても医師による薬漬けの問題や処方ミスのチェック機構として薬局や薬剤師の存在意義をアピールしてきた。いかに医薬分業が国民にとって、また薬局に行くことの二度手間のデメリットをメリットを強調することにより払拭して理解を得るよう説明してきた。その国の思惑通り医薬分業はこの20年間でかなり全国的にもすすんだ。
医薬分業することによる病院、診療所側の利益確保というまさに「馬にニンジンをぶら下げた状態で」
医薬分業がある程度すすんで、医師から医療用医薬品を切り離せてきた。
医師による必要でもないような?ビタミン類等の漫然処方も以前よりかなり少なくなってきており、医療用医薬品の使用も以前に比べて減少してきてる。
まずは、国の思惑通り。第一段階の医師から医薬品を切り離すのは進んできている。
だが、あくまでも医療費の大幅な削減が国の目的である。
医療費の中でも高額な医薬品費の割合は大きい。
そこで次は、ジェネリック医薬品の普及である。
医療用医薬品の新薬は特許期間が切れると、莫大な開発費をかけずにその薬を他の製薬メーカーが製造販売することが出来る。
つまりローコストで医療用医薬品を製造することが出来るのである。
新薬つまり先発医薬品に比べて半額位やそれ以下の安い薬価がジェネリック医薬品にはつけられる。
この安価なジェネリック医薬品の普及をさせるためには、、、どうするか?
国は、武田薬品や三共等々のどんぐりの背比べのような開発メーカー同士の過当競争によるDrに対するMRと言われるセールス競争が過剰であることは重々承知であった。
医師と製薬メーカーとのつながりが密接になって、医師が先発開発メーカーの医療用医薬品を優先して処方することによる旨味、また 医師からの開発メーカーに対する医薬品の安全性の信頼は抜群であることにより、ジェネリック製薬メーカーのジェネリック医薬品の処方には繋がらない状態であった。
国は、この先発開発大手メーカーの合併を勧めることにより、どんぐりの背比べの的な異常な過当競争を緩和させ、Drに対する過剰な宣伝、接待攻勢もやめさせる方向で、先発開発メーカーの医薬品を優先して処方することの旨味を少なくし、医師と先発開発メーカーの密着度を軽減することを達成できつつある。
医師が医療用医薬品効果安全性という理由の元、先発開発メーカーの高額医療用医薬品の使用を積極的に処方してきたが、これはやはり先発開発製薬メーカーとの密接な関係がそうさせていたと言える。
事実、医師からは先発開発メーカーのMRからの情報は重要との意見も根強い。また、MRとの関係性も密接である。 現在は過剰競争の緩和により以前よりはその傾向は薄らいでいるが、、
国は、医療費の抑制のため 安価なジェネリック医薬品へと使用を移行させる事が急務であった。そこでジェネリック医薬品の普及のため医師に処方薬を一般名で処方してもらいたいと考える。しかし、「医師の処方権」の問題があり、ジェネリック医薬品等の安価な医療用医薬品の普及には、医師や医師会等の反発もあった。
そこで国は、やはり「馬にニンジン」作戦である。処方箋1枚に対して一種類でも一般名で処方した場合の診療報酬のアップを提案。
その国の思惑通り、先発開発メーカーの過剰競争が薄らいでいる今、一般名処方することによる診療報酬のアップも合間って、医師の処方権の問題も医師の判断で一般名で処方出来る医薬品は、処方した方が得だという思考に動き、一般名で処方することに当時猛反発してきた日本医師会も今では「医師の判断」でと、トーンダウンしている。
医師の一般名での処方が、普及されつつある。
この次は、一般名処方をジェネリック医薬品に医薬分業した薬剤師にしてもらう作業である。国にとっては、医師の処方権の問題に比べると容易いことで、各調剤薬局や薬局にジェネリック医薬品のその薬局における処方医薬品の使用量の割合が全体の25%や30%等多くなる毎に処方箋1枚に対して加算を提案することで、すすみつつある。この%の割合も今後の診療報酬改定のたびに上がるであろう。これもまた「馬にニンジン」であり、ある程度目標が達成されれば、「ニンジンを取り上げる」のは目に見えている。
しかし国の思惑通りジェネリック医薬品が普及していかない状況で、
今度は医薬分業は、果たして患者さんの為になっているのか?と問題提起して、、、
日本薬剤師会に対して揺さぶりをかける。医薬分業そのもののあり方についてあえて問題提起して、世論を盾に規制緩和を出来る状況にしていくのである。
そし薬剤師の職能にプラスして、ジェネリック医薬品の普及、促進を公に求めてきた。
医薬分業は、ひとえに医師と薬を分離させること、膨大な医療用医薬品費の減少のひとつの手段であったと考えられる。
そして、大手発開発メーカーにまでジェネリック製造させることに成功した国は、更にジェネリック医薬品の普及をさせる為に、そして膨らんだ調剤薬局や薬局の診療報酬圧縮させる為に、大手スーパーやコンビニそしてIT業界等に参入させる必要がある。
新たな規制緩和をさせることにより大手の他業種の新たなビジネスチャンス拡大、利益拡張。
新たなビジネスチャンスを得た他業種は、診療報酬アップの要求も強くは求めてこないであろうし、診療報酬圧縮にも抵抗は今よりは少ないであろうと考えられる。
元々は、国によって道筋をつくられた医薬分業であり、診療報酬圧縮に抵抗する団体は国にとっては目障りなのである。
昔たばこ屋さんやクリーニング屋さん、お酒屋さんと言った単独店舗をよく見かけたが、今は個人店は激減している。全て大手スーパーに組み込まれたり、インターネット販売に取って代わってしまっている。
次は、薬局や調剤薬局である。個人の薬局については廃業や店を閉めている店舗をあちらこちらで昨今見かける。
処方箋での医療用医薬品の一般名処方がもっと普及すれば、現在約18000銘柄の医療用医薬品の在庫をする数も激減させることが可能となる。
そうなれば、他業種は怒涛のごとく参入してくる。今の調剤薬局はひとたまりもない。買収されるか、傘下に入るか、廃業か……
薬剤師も地位の向上どころではなく、大手ドラッグストアに勤めていた50~60年前のようにこき使われる。今の様な薬剤師のワガママは通らなくなっていく。賃金的にも抑えられていくであろう。薬剤師の数も充足していく。ダメな薬剤師は淘汰される。
テレビ電話等利用して対面販売と同じようにインターネット販売で処方箋による医療用医薬品を取り扱えると、自分は遠くない将来そのような形態になっていくと考えている。
規制緩和し、ネットで処方箋による医療用医薬品を送ってもらえたり、24時間対応してもらえたり、薬剤師が配達可能になっていけば消費者の満足度は上がるに決まっている。
薬剤師は大手スーパーやコンビニ、楽天等のIT関連企業で働くことになるであろう。それに介護関連の事業が絡んでくる。
調剤薬局は姿を変え存在はしていくが、経営母体は大きく変わっていく。そしての薬剤師は歯車の一つにますますなっていく。薬剤師そのものの存在意義についても議論されかねない。
今の形の調剤薬局の多店舗展開は、これからは慎重にした方がいい。
今後は、コンビニのフランチャイズオーナーに自分の関連会社をしていってコンビニとタイアップし、展開していく方法もある。また、IT産業参入も模索するのもやぶさかではない。