この年季のはいった文庫本。
『わたしの献立日記』 沢村貞子著
購入したのは10年程前だけど、表紙もとれてしまって……あたらしく買い直そうかしら?
これを私、深夜のひとり飯のとき、愛読してるんです。ジュルッ!だって美味しそうな献立がいっぱい
中身は沢村貞子さんのエッセイと、ただひたすら、献立表。
昭和41年から平成4年の27年間、沢村さんが毎日の献立を大学ノートに記したものを抜粋して本にしたものなのです。
合間合間に沢村さんのエッセイがはさまれていて、
ちょっと抜粋↓
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なんとか、あと始末が出来るようになってからは、おそうざいのかき揚げも気軽にこしらえるようになった。献立につまると、あり合わせの玉ねぎに桜えびとか、いかとさつま芋など、合い性のいいものを手当たり次第に揚げたりして……それがうまくいったときの嬉しいことーーいっぱしの料理上手になったような気がする。************************************************
読むと、かき揚げ食べたくなってきますジュルッ!
写真もイラストもない、文章のみで想像するから余計にかき立てられてしまうのかもしれません。
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『青豆のうにあえ』ーー「見た目もちょっとしゃれている」とはどんな見た目なんでしょう?気になりますゴクッ!
あと「いかにも手数がかかりそう」と沢村さんが躊躇した『うにご飯』は、
瓶詰めの雲丹をお酒と卵黄で解いて、二重鍋で根気強く煎りあげること二時間!雲丹はサラサラの砂に。
それを塩少々と昆布をいれて炊いたご飯にかけて食べる。美味しそ~
そしてなんといっても私のなかでのBEST of BESTは『まぜずし』!
ーー「本番がつづくと、つい料理はおろそかになり、手慣れたまぜずしでお茶をにごすことになる。」
といっても、「前の晩、お米をといで笊にあげてー」「まぜるものは、寝しなに冷蔵庫から出して自然解凍しておけばー」
などと、下準備はしっかり。「ひまな日に丁寧に炒っておいた、ごぼう、筍、干し椎茸を、酒みりん、しょうゆでゆっくり煮込んでおいた」寿司のもとが、夏も冬も冷蔵庫に入っているなんて、とてもお茶をにごすってレベルではないのでは…。
そして自家製の『梅酢』を使った酢めしはきっと絶品なんだろうなあ!
沢村さんの語り口調は、ピンッシャンッ!としつつも、キツくなく。
ご本人のお人柄がしのばれる文章。かっこいいおばあちゃんだと思います。
沢村貞子さんはもう、何年か前に亡くなってしまったそうだけれど、
『となりの芝生』の、あのおばあちゃんね?と、私の世代だったら、記憶にあるかも。
1978年放送のNHKの朝ドラ『おていちゃん』のご本人。
由里千賀子さんがヒロインだったけど、今見ると、う~んちょっとイメージ遠すぎない?沢村さんとは……。