今回の出張は、公益財団法人 明るい選挙推進協会主催の「ソーシャルメディアを利用した選挙啓発に関する研究会」の立ち上げに参加するためであった。
先の7月の参議院議員通常選挙からネット選挙が解禁され、総務省も同財団もソーシャルメディアを選挙啓発に積極的に活用した。
従来の選挙啓発の手法が効果がないというわけではない。
ただ、大きなうねりとしてコミュニティという概念に変化が起こっているからではないか。
経済部門から社会教育へ、そして市民にいちばん近い支所勤務を経験してきたことで、この考え方の確証を得たと思っている。
地域コミュニティの衰退は歯止めがかからない。
その要因は、個人主義の蔓延と地域に対する帰属意識の希薄化。
その一方で若者を中心に価値観コミュニティ(自分で勝手につけた造語)は拡大の一途である。
これをソーシャルメディアが後押しする。
この二つのコミュニティの大きな違いは、枠にはめ込めるか、はめ込めないかといったちがいだけである。
従来の選挙啓発が枠のうちに向けた発信だとすると、これだけでは足りないと思っている。
よくよく考えてみれば、枠をはめるという概念は行政側からの論理である。
インターネットの誕生からソーシャルメディアに至る過程の中で、その(枠にはめるという)概念が陳腐化していっているような気がする。
それが故に、従来の手法だけでは足りない。
また、ソーシャルメディアには双方向という新たな機能があり、これをうまく使いこなせれれば、新たな広がりを見いだせる。
そういう意味で、この研究会が日本の新たな選挙啓発の道標になることを期待している。