久々の「悩める君へシリーズ」である。
一度、「部下に辞めたいといわれた君へ」というのを書いたことがあるが、今回は部下がそこまでにいたる経緯について考えてみよう。
まず、自分が部下だったとして、仕事をどのように捉えているかである。
「仕事が楽しい」と思っていたら、まず辞めない。
「今の仕事はやりがいがある」と思っていたら、まず辞めない。
例え、休みが少なくとも、残業続きでも、給料が安くともである。
つまり、辞めたいと思うときは「楽しくない」、「やりがいがない」と思っているときである。
ひとことで言うと「つまらない」のである。
では、なぜそこに至ったのか?
1. 本人が仕事の本質を見極めることが出来ず、イヤイヤ仕事を継続してやってしまったため。
2. 本人は頑張っているつもりでも上司が適正な評価をしないため、モチベーションが低下したため。
3. 本人の実力以下の仕事をさせられ続けたために、モチベーションが低下したため。
4. 職場の人間関係になじめず、孤独感や焦燥感が積み重なったため。
5. 理想と現実のギャップの大きさに気づき、その溝が広がり続けたため。
6. 常にオーバーワークを強いられ、肉体的にも精神的にも限界に来たため。
これらが考えられる主な要因であろうが、現実的にはこれらが複雑に絡み合っている場合の方が多いであろう。
こうなると、率直に言って、(辞職を止めようとしても)止めても無理だと思う。
本当に部下のことを思うなら、温かく送り出してやることだろう。
私も早55歳。
第二の人生を考えなければならない時期に来ている。
若い頃から、コスト意識を持ち、コストメリットを計算し続けてきた。
勝手な胸算用では、私がいただける生涯賃金の数百倍は貢献した自信がある。
客観的に自分を見つめなおす日々が多くなった。
組織の中でイノベーションを起こすことで、地域社会に変革を起こせると信じていた。
ただ、社会変革(勝手に「ソーシャル・イノベーション」と読んでいる)は自らが現場に赴き、自らの手を加えないと変わらないというジレンマに陥る日々が多くなった。
また、新たな自分に挑戦したいという思いもある。
今まで積み上げたスキルやノウハウを活かせるフィールドが他にもあるのではないかと感じ始めてもいる。
55歳という年齢が早すぎるのか、遅すぎるのかはわからない。
ただ、組織に対しては充分すぎるくらい貢献したという、満足感に近い思いが正直あるのも事実である。
組織が社員を見切るように、これからは(社員が)組織を見切る時代が来ていることに私たち上司は早く気づくべきである。